あらすじ
陸炎(ルー・イエン)のかつての部下・衛都(ウェイドゥ)への疑念を深める于登登(ユー・ドンドン)。一方、陸炎は3000年の時を超えて再会した部下を信じたい気持ちとの間で揺れ動きます。そんな中、一行は秘宝「避塵珠」を手に入れるため、衛都の案内で危険な地宮の奥深くへと足を踏み入れることに。しかし、そこで待ち受けていたのは、陸炎の忠実な部下だったはずの衛都が隠し続けてきた、衝撃的な真実と恐るべき罠だったのでした。
ネタバレ
いやあ、今回の『請君』も目が離せない展開でしたね! 陸炎(ルー・イエン)のかつての忠実な部下、衛都(ウェイドゥ)への疑惑が、ついに確信へと変わる重要な回となりました。信じたい気持ちと、目の前で起きる不可解な出来事の板挟みになる陸炎(ルー・イエン)の苦悩が、こちらまで伝わってきて胸が痛かったです。
さて、前回から衛都の様子を怪しんでいた于登登(ユー・ドンドン)。彼女の勘は今回、見事に的中します。陸炎(ルー・イエン)を心配するあまり頭痛のふりをする登登ですが、その目はしっかりと衛都の嘘を見抜いていました。庭に咲いていた、近年になって品種改良されたはずの珍しいツツジの存在が、彼女の疑念をさらに深めるわけです。3000年も眠っていたはずの陸炎の部下がいる場所に、なぜ現代の花が?…怪しすぎますよね。
そんな中、地宮の外で鬼蔓藤(グイマントン)にやられたという李将軍が現れ、陸炎は疑うことなく元能で治療してしまいます。この人の良さが、後々仇とならなければいいのですが…。
一方、持ち前の度胸と機転で兵士たちの賭場に潜り込んだ登登は、彼らの体にある「龍紋」を発見! 時を同じくして、彭大海(ポン・ダーハイ)も練兵場で兵士たちの龍紋を確認します。これは一体何を意味するのか…。
登登はさらに揺さぶりをかけるため、兵士たちに武術の試合を申し込みます。案の定、割って入ってきた衛都と剣を交える中で、登登はわざと気絶したふりを敢行! すかさず現れた陸炎に抱きかかえられて部屋に戻るという、見事な連携プレーを見せつけます。
部屋の外で衛都が聞き耳を立てているのを察知した二人は、わざと大声で痴話喧嘩を始める始末。この夫婦(仮)、本当に息が合っていますね! この芝居にまんまと引っかかった衛都は、夜になって陸炎のもとを訪れ、「避塵珠(ひじんじゅ)は地宮にある」と告げ、一行を地宮の奥深くへと誘います。
地宮の最深部、古蜀国の宝庫の前で、衛都は「王室の者しか入れない」と言い、登登と大海を締め出してしまいます。そして密室で二人きりになった陸炎に、衛都は衝撃の事実を告白するのでした。
「この龍紋剣を受け取り、我らと共に霊族を殲滅してくだされ!」
そう、衛都の目的は避塵珠ではなく、陸炎を再び将軍として担ぎ上げ、霊族との戦争を再開することだったのです。彼の体には、他の兵士たちと同じ龍紋が刻まれていました。それは、3000年前に陸炎が霊族の聖女のために死んだと誤解した兵士たちが、霊族への復讐を誓って刻んだ「使命」の証だったのでした。
「蜀国の兵士の使命は、天下の蒼生を守ることだ!」と諭す陸炎ですが、衛都の決意は固い。しかも、陸炎をここに引き留めるために、登登を危険に晒すことも厭わず、あの宿敵・誅戎(ジュー・ロン)と手を組んでいたことまで発覚します。
怒りに燃える陸炎が元能で石門を破ろうとしても、びくともしません。万事休すかと思われたその時、登登から「避塵珠は見つかった」との伝言が! 衛都は慌てて避塵珠の確認に向かいますが、もちろんそれは登登たちの罠。
その頃、地宮からの脱出を試みていた登登と大海は、偶然にも白骨が散乱する密室を発見します。遺体の服装から、最近行方不明になった村人たちではないかと推測する二人。彼らを弔っていると、無数の蛍が舞い始め、それはかつて村人が目撃したという光景とそっくりだったのでした…。謎がさらに深まりますね。
『請君~遥かなる恋人たち~』第26話の感想
今回は、3000年という長すぎる時が生んだ忠誠心の歪みと悲劇性が、胸に迫るエピソードでした。陸炎を敬愛するあまり、その平和を願う心を無視してまで霊族殲滅という大義に固執する衛都の姿は、哀れでもあり、恐ろしくもあります。彼の行動原理は純粋な忠義から来ているだけに、単純な悪役として断罪できない複雑さがありました。
一方で、そんな策略が渦巻く中で、陸炎と登登の信頼関係が一層際立って見えました。互いを信じ、阿吽の呼吸で芝居を打ち、危機を乗り越えようとする姿は、見ていて本当に小気味良いです。シリアスな本筋の中に、こうした二人の絆を感じさせる描写が巧みに織り込まれているのが、このドラマの大きな魅力だと改めて感じます。新たな謎も提示され、物語がどう転がっていくのか、ますます目が離せません。
つづく