あらすじ
陸炎(ルー・イエン)は、足を踏み入れた古蜀の城で、三千年前の将軍・衛都(ウェイドゥ)と出会う。しかし、城の住人たちの様子はどこかおかしく、街全体が巨大な幻術に包まれていることに気づく。陸炎(ルー・イエン)はこの謎を解き明かそうと奔走する。一方、傷が癒えた于登登(ユー・ドンドン)は、行方が知れない陸炎を深く案じ、心配する仲間たちの制止を振り切って彼を探しに向かうことを決意。不気味な雰囲気が漂う古蜀の城で、二人の運命が再び交差しようとしていた。
ネタバレ
ついに明かされる衝撃の真実!今回は、古蜀の将軍・衛都(ウェイドゥ)を巡る謎と、陸炎(ルー・イエン)と于登登(ユー・ドンドン)の前に立ちはだかる巨大な陰謀が描かれる、息もつかせぬ展開でした。
三千年の幻影、衛都の絶望
古蜀の城で、陸炎(ルー・イエン)は衛都に衝撃の事実を告げます。「この城に生きている人間は、私とお前だけだ」。その言葉と共に、衛都が率いていたはずの兵士たちは煙となって消え、城そのものも泡のように崩れ去ろうとします。しかし、次の瞬間にはすべてが元通りに。これは、衛都が三千年もの間囚われ続けている、誅戎(ジュー・ロン)が作り出した巨大な幻の都だったのです。
陸炎(ルー・イエン)は衛都をこの悪夢から救い出そうとしますが、衛都は頑なに拒否。やむなく陸炎は衛都の過去を覗き見ます。そこには、誅戎によって霊虫を体に埋め込まれ、魂のない操り人形として自らの手で于家村を虐殺するという、衛都自身も忘れてしまっていたおぞましい記憶が眠っていました。
「やめてくれ!」と叫び、過去の光景に頭をかきむしる衛都。自分が于家村であのような惨劇を引き起こしていたとは…。彼は錯乱し、どこかへ走り去ってしまいます。陸炎を止めようと、幻影の兵士たちが襲いかかりますが、何度倒しても蘇るばかり。この幻術の厄介さを物語っていました。
衛都がたどり着いたのは、かつての地下宮殿。そこで彼はついにすべてを思い出します。仲間を救うため一人で霊族に立ち向かい、戻ってきたときにはすでに仲間たちは誅戎に皆殺しにされていたこと。そして、その誅戎によって三千年も孤独な幻影の中に閉じ込められていたこと…。怒りに燃える衛都が元凶である古木に剣を振り下ろそうとしたその時、ついに黒幕である誅戎本人が姿を現し、彼を制止するのでした。
陸炎を追う于登登(ユー・ドンドン)の決意
一方、ようやく目覚めた于登登(ユー・ドンドン)は、陸炎の身を案じて片時もじっとしていられません。顧北西(グー・ベイシー)(グー・ベイシー)(グー・ベイシー)が薬を飲ませようとしても、「陸炎を探しに行く!」と聞く耳を持たない始末。父である于瘫子(ユー・タンズ)たちが苦労して手に入れた薬だと聞かされ、しぶしぶ飲み干しますが、その直後、心配した父によって部屋に閉じ込められてしまいます。元能で鍵を壊そうにも、なぜか力が湧いてきません。
外では、これ以上この地に留まるのは危険だと、青泉寨へ戻る相談がされていました。しかし、登登の気持ちを察した顧北西(グー・ベイシー)(グー・ベイシー)は、彼女をこっそり解放します。そして、仲間の十七(シーチー)が霊族に殺されたという悲しい知らせを伝え、共に陸炎を探しに行こうと誘います。仲間を失った悲しみを乗り越え、登登は陸炎の元へ向かうことを固く決意するのでした。
登登と顧北西が古蜀の城に到着すると、そこは人々がまるで魂のない傀儡のように徘徊する不気味な場所と化していました。陸炎とも連絡が取れません。
その頃、陸炎もまた、陣の核(陣眼)が見つからない巨大な陣に苦戦していました。どうすればこの幻術を破れるのか…彼が思案に暮れていると、傀儡たちに引きずられ、血まみれになった衛都が目の前に現れたところで、第30話は幕を閉じます。
『請君~遥かなる恋人たち~』第30話の感想
今回は、物語の核心に深く迫る、非常に重厚なエピソードでした。これまで謎に包まれていた衛都の背景が明かされ、彼が単なる悲劇の将軍ではなく、誅戎に操られた加害者でもあったという事実に胸が締め付けられます。三千年もの間、仲間を失った罪悪感と孤独の中で幻影を生きてきた彼の絶望を思うと、言葉を失います。一方で、どんな状況でも陸炎を信じ、危険を顧みずに彼を追う于登登のひたむきな愛情が、このダークな展開の中での唯一の光のように感じられました。二人がこの絶望的な状況をどう乗り越えていくのか、そして邪悪な誅戎との対決がどのように描かれるのか、物語の深みにさらに引き込まれる回でした。
つづく