あらすじ

陸炎(ルー・イエン)は、ある目的を果たすため、于登登(ユー・ドンドン)を巧みに誘い出します。彼が仕掛けたロマンチックな光景に心をときめかせる登登でしたが、その先には彼女の想像を絶する裏切りが待っていました。

この一件で、二人の間には修復しがたい深い溝が生まれてしまいます。寨に戻り、深く傷ついた登登は塞ぎ込んでしまいますが、寨主として新たな問題にも直面します。

一方、陸炎(ルー・イエン)もまた、自身の計画が予期せぬ結果に終わったことで、登登の正体についてある重大な可能性に気づき始めます。彼女の出生に隠された秘密を探るため、陸炎は独自の調査を開始。二人の関係が大きく変化し、物語に新たな謎が加わる重要な転換点となるエピソードです。

ネタバレ

今回は『請君~遥かなる恋人たち~』第8話について、熱く語っていきたいと思います!前回、なんだか良い雰囲気だった陸炎(ルー・イエン)と于登登(ユー・ドンドン)。このまま二人の距離は縮まるのかしら…?なんて思っていたら、とんでもない展開が待っていました。まさに天国から地獄!心の準備はいいですか?

蛍の光が招いた悲劇

満天の蛍が舞う幻想的な光景に、登登はうっとり。幸せを噛みしめる彼女に、陸炎(ルー・イエン)は「まだ叶えたい願いは?」と優しく問いかけます。登登は「あなたの願いが叶うこと」と答えるのですが…ああ、登登、なんて健気なの!でも、その願いが、まさか自分自身を窮地に追い込むことになるなんて、彼女は知る由もありませんでした。

蛍の光に導かれるまま、彼女が足を踏み入れたのは、なんと「聚霊陣」という罠の真っ只中。何が起きたか理解できない登登に対し、陸炎(ルー・イエン)は冷酷にも術を発動します。彼の目的は、登登から霊力を奪い、愛する聖女・雲羲(ユン・シー)を復活させることだったのです。

これまでの陸炎の優しさが、全てこのための偽りだったと悟った登登。思い出されるのは、彼が自分に親切にしてくれた数々の場面。それが走馬灯のように駆け巡り、今の状況がどれだけ残酷なことか、彼女の心を深くえぐります。

怒りと悲しみの銃口

しかし、ここで予想外の事態が発生!なんと、登登の流した血が、陸炎の張った陣をいとも簡単に破ってしまったのです。陸炎もこれには驚きを隠せません。

「なぜ私を殺そうとするの!」

地面に落ちた思い出の糍粑(ツーバー)を踏みつけ、登登は陸炎に詰め寄ります。しかし、彼は何も答えようとしません。怒りと悲しみに震える登登は、ついに銃を抜き、その銃口を陸炎に向けます。

でも…撃てない。あれだけ裏切られたのに、彼女は陸炎を傷つけることができませんでした。登登はわざと狙いを外し、彼のそばの地面に2発撃ち込むと、「二度と青泉鎮に現れないで」と言い放ちます。そして、彼からもらった簪(かんざし)を髪から引き抜いて投げ捨て、毅然と背を向けて去っていくのでした。その姿を見て、陸炎の心には「もしかしたら、于登登(ユー・ドンドン)こそが本物の雲羲なのではないか」という疑念が芽生え始めるのです。

それぞれの思惑と新たな謎

青泉寨に戻った登登は、ショックのあまり部屋に閉じこもってしまいます。一方、陸炎の裏切りを知った顧北西(グー・ベイシー)(グー・ベイシー)(グー・ベイシー)は激怒し、陸炎の経営する轎行(人力車の会社)が商売できないよう、街の組合に圧力をかけるのでした。

少し落ち着いた登登は、陸炎の気配が残る部屋の品々をすべて売り払うよう、彭大海(ポン・ダーハイ)たちに命じます。過去を断ち切ろうとする彼女の姿が、痛々しくて見ていられません…。

そんな中、青泉寨の縄張りを通りたいという「炎火寨」が現れますが、登登はその名前にケチをつけ、かつて母親を侮辱された恨みから要求を突っぱねます。寨主としての気丈さは健在のようですね。

陸炎サイドでは、登登の正体を探る動きが活発化していました。部下の調査で、呂二(リュー・アル)という男が祠堂で登登の位牌を手にしていたことが発覚。さらに、陸炎は青泉寨の周辺に別の霊族の気配を感じ取り、結界を張ります。登登の正体、そして彼女の周りでうごめく新たな影。物語は一気にミステリアスな様相を呈してきました。

『請君~遥かなる恋人たち~』第8話の感想

今回のエピソードは、甘い雰囲気からの急降下が凄まじく、感情を大きく揺さぶられました。陸炎の行動は、3000年間待ち続けた愛する人を蘇らせるという、彼なりの一途な想いから来ているのでしょう。しかし、そのために登登の純粋な想いを利用し、命を奪おうとした行為は許されるものではありません。彼の無表情の裏にある葛藤や、登登の血によって陣が破られた時の動揺した表情から、彼もまた一枚岩ではない複雑な心情を抱えていることがうかがえます。

一方で、裏切られて深く傷つきながらも、愛した人を撃つことができない登登の人間味あふれる姿に胸を打たれました。寨主として気丈に振る舞いながらも、ふとした瞬間に見せる脆さ。彼女の魅力がより一層際立った回だったと感じます。

物語の縦軸である陸炎と登登の関係に大きな亀裂が入ると同時に、「登登の位牌」や「別の霊族の存在」といった新たな謎が提示され、物語の奥行きが一気に深まりました。二人の恋の行方だけでなく、サスペンスフルな展開にも目が離せません。

つづく