あらすじ
偽の許婚・帝承恩(ていしょうおん)から韓燁(かんよう)との関係を牽制される任安楽(じんあんらく)。しかし、当の韓燁は安楽を花灯節の賑わいへと連れ出し、二人の間には穏やかで特別な時間が流れます。韓燁は安楽に真実を話してほしいと願いますが、彼女はまだ固く口を閉ざしたまま。そんな中、ある人物の陰謀に関する急報が舞い込み、安楽と韓燁は危険な罠が待つ化縁山へと向かうことに。そこで二人は、自らの命運、そして国をも揺るがす大きな事件に巻き込まれていきます。
ネタバレ
いやはや、今回の『安楽伝』は息つく暇もありませんでしたね!女同士の火花から、まさかの命がけの逃避行まで、感情がぐわんぐわん揺さぶられました。
まずはお決まり(?)の帝承恩(ていしょうおん)による任安楽(じんあんらく)へのマウント攻撃からスタートです。「殿下は毎日私のために…」と、韓燁(かんよう)からの寵愛アピールがすごい。さっさと靖南に帰りなさいよ、というわけですが、我らが安楽は「あなた個人の恋愛事情はどうぞご自由に。でも朝廷のことに口出しする権利はないわ」と一蹴!かっこいい!
そこへ颯爽と現れるのが韓燁(かんよう)ですよ。タイミング良すぎ!帝承恩(ていしょうおん)のネチネチ攻撃から安楽を救い出し、そのまま花灯節のデートへ連れ出します。韓燁(かんよう)は、かつて本物の帝梓元(ていしげん)に兎の灯籠を贈った思い出を語りながら、安楽にも同じものを買ってあげるんです。彼の心の中では、目の前の安楽と過去の梓元が重なっているんでしょうね…。切ない表情の安楽に、韓燁は「すべての真実を話してほしい」と迫りますが、安楽はまだはぐらかすしかありません。
その頃、洛銘西(らくめいせい)は一人、安楽を想って物憂げな様子。彼もまた、安楽との過去を思い出していたんですね。そばに寄り添う琳琅(りんろう)の健気さも胸を打ちます。
そんなしっとりした雰囲気も束の間、物語は一気にサスペンスフルな展開へ!苑書(えんしょ)から「古雲年(こうんねん)が刺客の口封じをしようとしている」との情報が入り、安楽と韓燁は急いで化縁山へ向かいます。
しかし、これはすべて左相(さしょう)・姜瑜(きょう ゆ)の罠でした。彼は古雲年(こうんねん)と安楽をまとめて始末するつもりだったのです。化縁山で待ち構えていた刺客たちに囲まれる二人。安楽を庇った韓燁は深手を負い、そのまま崖下へ真っ逆さま!それを見た安楽も、ためらうことなく後を追って崖から飛び降ります。このシーン、思わず「うわー!」って声が出ちゃいました。
一方、都では別の策略が。冷北(冷北 (れい ほく))は安寧(あんねい)公主(あんねいこうしゅ)の酒に薬を盛り、彼女が眠っている隙に軍の機密情報を手に入れていました。安寧(あんねい)が目覚めたとき、兄と安楽が崖から落ちて行方不明という衝撃の知らせが待っていたのです。
韓燁たちの安否を心配する安寧は、自ら禁衛軍を率いて捜索に行こうとしますが、父である皇帝・韓仲遠(かんちゅうえん)は「皇太子の失踪が知れ渡れば国が乱れる」と大反対。息子の命より国の体面を優先する父に、安寧は涙ながらに反発し、捜索へ向かいます。
そして、物語のクライマックスは崖の下。
安楽は重傷を負って意識が朦朧とする韓燁を、不眠不休で看病します。彼女の必死の呼びかけに応えるように、韓燁はなんとか意識を取り戻します。しかし、今度は心身ともに疲れ果てた安楽が倒れてしまうのです。
寒さから守ろうと、自分の上着を安楽にかけてあげた韓燁。その時、ふと彼女の肩にある傷跡が目に入ります。それは、彼が知る帝梓元(ていしげん)だけの、特別な傷跡…。
ついに、韓燁は確信します。目の前にいる任安楽(じんあんらく)こそが、自分が待ち続けた本物の帝梓元なのだと。
目覚めた安楽は、韓燁の深い優しさに触れ、彼の真っ直ぐな想いに再び心を動かされます。憎しみも復讐も一旦忘れ、ただ二人きりの時間を過ごそうと決意するのでした。
『安楽伝』第21話の感想
今回は、物語が大きく動いた重要な回でした。前半の帝承恩(ていしょうおん)との対立や花灯節の甘い時間は、後半の緊迫した展開への助走に過ぎませんでした。韓燁が安楽を庇って崖から落ち、安楽が後を追うシーンは、二人の絆の強さを象徴しているようで見応えがありました。
そして何より、韓燁が安楽の正体に気づく瞬間です。これまで何度も疑念を抱きながらも確信には至らなかった彼が、崖の下という極限状況で、決定的な証拠である肩の傷を見つけるという展開は非常にドラマチックでした。彼の驚きと、長年の想いが確信に変わった瞬間の表情が目に浮かぶようです。復讐という重い使命を背負う安楽が、韓燁の優しさの前で一時的に武装を解き、心を通わせる姿には胸が熱くなりました。二人の関係が新たな段階に入ったことで、今後の宮廷での駆け引きがさらに複雑で深みを増していくことでしょう。
つづく