あらすじ
北秦との戦いで深手を負った任安楽(じんあんらく)が眠り続ける中、盟友・洛銘西が軍令違反の罪で処刑されるという衝撃的な事件が起こる。目の前で友を失い、非情な決断を下した韓燁(かんよう)に深い絶望と怒りを抱いた任安楽は、彼との決別を決意。帝家軍を率いて北秦への大反撃を開始し、破竹の勢いで失地を回復していく。その武功は民から絶大な支持を得るが、同時に皇帝の警戒心を招き、新たな脅威が彼女に迫っていた。
ネタバレ
第34話はとんでもない展開でしたね…。信じていたものがガラガラと崩れ落ちるような、それでいて一筋の光も見えてくるような、感情がぐちゃぐちゃになる回でした。さっそく、この衝撃を分かち合いましょう!
北秦との戦いで深手を負い、3日間も眠り続けていた任安楽(じんあんらく)。その傍らで、韓燁(かんよう)は付きっきりで看病し、眠る彼女に愛を語りかけます。このシーン、切なくて胸が締め付けられましたよね。
その一方で、韓燁(かんよう)は牢獄にいる洛銘西(らくめいせい)を訪ねます。「十年も帝家と安楽のために緻密な計画を立ててきたお前が、なぜこんな簡単な罠にハマったんだ?」と問い詰める韓燁(かんよう)。しかし洛銘西は、安寧(あんねい)公主(あんねいこうしゅ)が自分に任安楽(じんあんらく)の救援を命じたという真相を隠し、ただ死を望むだけでした。
軍の士気を保つため、韓燁は苦渋の決断を下します。公開処刑の場で、洛銘西に毒酒を賜るのです。そこへ意識を取り戻した任安楽(じんあんらく)が駆けつけますが、時すでに遅し。彼女の目の前で、洛銘西は毒を呷り、息絶えてしまいました…。
「亡骸を連れて帰る」と泣き叫ぶ任安楽に、韓燁は「その場で埋葬せよ」と冷たく命令。この一件で、二人の間には修復不可能な深い溝ができてしまいます。任安楽は、韓燁を許す理由を完全に見失い、夜が更けるまでその場に跪き続けるのでした。
部屋に戻った任安楽は、悲しみを怒りに変え、帝家軍を率いて北秦へ反撃することを決意します。一方の韓燁もまた、大靖の皇太子として民を守るためには仕方のない選択だったと、溫朔(おんさく)に苦しい胸の内を明かすのでした。ちなみに、このシリアスな状況の中、溫朔と苑琴(えん きん)は城壁の上でいい感じに…!二人の恋模様が、唯一の癒やしでしたね。
任安楽の快進撃は凄まじく、帝家軍を率いて次々と失地を回復。その武勇伝は都中に広まり、「帝家軍こそが大靖を守る天兵だ」と民から称賛されます。これに危機感を覚えたのが、皇帝・韓仲遠(かんちゅうえん)。彼は帝家の影響力が韓氏王朝を脅かすことを恐れ、なんと梅花内衛に任安楽の暗殺を命じるのです。さらに、敗走を重ねる北秦の冷北(冷北 (れい ほく))も、軍の士気を乱すために任安楽の首を狙っていました。
しかし、ここからがこのドラマの真骨頂!場面は変わり、安寧(あんねい)の墓前。そこにいたのは…なんと韓燁と、死んだはずの洛銘西!
そう、すべては韓燁が仕組んだ偽装死だったのです!彼は洛銘西を密かに生かし、さらに琳琅(りんろう)に命じて莫北(ばくほく)の妹・莫霜(ばくそう)を捕らえさせ、安寧の亡骸と交換するよう冷北に交渉させていたのでした。
そして、安寧が自らの危険を顧みず、洛銘西に任安楽の救援を命じていたという悲しい事実も明らかに。洛銘西は、皇帝が暗殺者を差し向けたことを韓燁に伝え、皇太子としてこの難局を乗り越え、太平の世を築くよう後押しします。
任安楽もまた、洛銘西からの手紙で彼が生きていることを知ります。青南城で韓燁と再会した彼女は、「もう二度とここへは戻らない」と決別の言葉を告げます。韓燁はただ、「生きて靖南に戻り、長思花が咲くのを見てくれ」と願うことしかできませんでした。お互いを想いながらも、すれ違うしかない二人の姿が切なすぎます…。
『安楽伝』第34話の感想
今回のエピソードは、息をのむ展開の連続でした。洛銘西の「死」は、あまりにも衝撃的で、任安楽と共に絶望の淵に立たされたような気持ちになりました。韓燁の非情な決断にも、彼が背負う皇太子という立場の重さと苦悩が痛いほど伝わってきます。しかし、そのすべてが偽装だったと分かった時の安堵感と、韓燁の深い策略には感服させられました。彼はただの優しい皇太子ではなく、国と愛する人々を守るためなら非情な仮面さえ被る、真の指導者なのだと再認識しました。任安楽の不屈の精神と、彼女を支える仲間たちの絆、そしてすれ違うしかない韓燁との関係。それぞれの正義と愛が複雑に絡み合い、物語に一層の深みを与えています。
つづく