あらすじ

李嶷(りぎょく)と崔琳(さいりん)の距離は急速に縮まるが、それを見て嫉妬した柳承鋒は、崔家軍の出発を早めることを決める。別れを惜しむ李嶷と崔琳は、つかの間の穏やかな時間を過ごす。その後、二人は密かに再会し、雨宿りをきっかけにお互いが抱える孤独な過去を打ち明け、その絆をより一層深いものにする。李嶷は崔琳に共に辺境へ行こうと誘うが、彼女は彼の現在の立場を静かに問い返す。戦乱の世で生きる二人は、天下が泰平になった後の再会を固く誓い、それぞれの目的地へと向かう。

ネタバレ

李嶷(りぎょく)と崔琳(さいりん)、つかの間の休息

まず、李嶷(りぎょく)が顧婉娘から届いたお菓子を崔琳(さいりん)に持っていくんだよ。李嶷は君が好きそうだったからなんて言ってさ。崔琳は最初、顧婉娘からの贈り物って聞いて、ちょっとヤキモチを焼くわけ。その顔がまた可愛いんだ。でも、自分だけに特別に持ってきてくれたと知って、すぐに笑顔になる。単純でいいよな。

ただ、このいい雰囲気をぶち壊す男がいる。柳承鋒だ。二人の仲睦まじい様子を見て、嫉妬でメラメラ。もう我慢ならんって感じで、すぐに出発するぞ!って全軍に号令をかけるんだ。大人げないぜ。

慌てて崔琳を見送りに来た李嶷は、川辺で彼女と二人きりの時間を作る。水切りを優しく教えたりしてさ、もう完全に恋人たちのそれなんだよ。見ているこっちが照れるくらい、甘い空気が流れてる。

ところが、ここにまた厄介な人物が登場する。崔琳の兄貴、崔璃(さいり)だ。こいつが李嶷に崔琳の軍を一緒に攻撃しないか?なんて、とんでもないことを持ちかけてくる。身内を売るなんて、ろくな奴じゃないよな。もちろん李嶷は、そんな話には乗らない。すぐに手紙を書いて、崔琳に兄貴の企みを知らせるんだ。

雨宿りの夜、明かされる過去

後日、二人はまたこっそり会う。花畑を馬で駆け抜けたり、丘の上で一緒に寝転がったり。戦の合間の、本当に短い平和な時間だ。見てるだけで癒されるよ。

すると、急に雨が降ってくる。二人は近くの小屋で雨宿りすることになるんだ。ここで、物語がぐっと深くなる。囲炉裏を囲んでお茶を飲んでいるうちに、李嶷が自分の過去をぽつりぽつりと話し始める。

彼は不吉な日に生まれたせいで、父親の梁王からずっと疎まれて育ったらしい。兄たちからは日常的にいじめられていた。唯一の味方は、育ての親である董王妃(とうおうひ)だけ。彼女は李嶷の生みの親である侍女のことも守ってくれた、心の支えだったんだ。その董王妃(とうおうひ)が亡くなった後、彼は都にいる意味を見失って、辺境の牢蘭関へ向かった。王府の誰もが見送りに来ない中、たった一人、乳母だけが泣きながら彼を見送ったって話すんだ。

この告白を聞いて、今度は崔琳が自分の過去を打ち明ける。彼女はずっと男として育てられた。武術も学問も、常に人一倍努力することを求められた。怪我をしても、誰にも言えずに一人で痛みに耐えて、また厳しい訓練に戻る日々。弱音なんて吐ける環境じゃなかったんだ。

お互いの孤独と痛みを分かち合ったことで、二人の絆は決定的に深まった。李嶷はもっと早く君に出会いたかったって心から思うんだ。

雨が上がり、別れの時が来る。二人は川を挟んで見つめ合い、天下が泰平になったら、楽游原でまた会おうと固く約束を交わす。切ないけど、希望のある別れだったな。

もう一つのドラマ、宮廷の嵐

一方、都では別の問題が起きていた。弟の鄭国公(ていこくこう)が捕虜になったと知った魏国夫人(ぎこくふじん)が、怒り狂って蕭氏(しょうし)の屋敷に乗り込んでくるんだ。すごい剣幕で蕭氏(しょうし)を問い詰めるけど、蕭氏は驚くほど冷静に対応する。この人の胆力は半端じゃない。

そこに孫靖(そんせい)が駆けつけて、なんとかその場を収める。孫靖(そんせい)は蕭氏に対して、深い愛情と申し訳ない気持ちでいっぱいなんだ。蕭氏はそんな彼を静かに受け入れる。この二人の大人の関係も、また見ごたえがあるよな。

第10話の感想:静かな告白が胸を打つ回

今回は大きな戦闘シーンはなくて、李嶷と崔琳の心の交流がメインだったな。正直、こういう回は大好きだ。二人がただの強い武将じゃなくて、それぞれに深い傷を抱えた一人の人間なんだってことが、すごく伝わってきた。

特に、雨宿りをしながらお互いの辛い過去を打ち明けるシーンは、胸に迫るものがあったよ。李嶷が父親に愛されず、唯一の味方だった董王妃を失った孤独。崔琳が男として生きることを強いられ、弱さを見せられなかった孤独。この二つの魂が共鳴し合う瞬間は、間違いなく今回のハイライトだ。

アクションを期待してた君には少し物足りなかったかもしれない。でも、この静かな告白があったからこそ、今後の二人の関係がより一層深みを増すんだ。戦場で惹かれ合った二人が、人間として愛し合うようになるための、絶対に欠かせないエピソードだったと思う。天下泰平の世で再会を誓うラストは、本当に切なくて美しかったな。

つづく