あらすじ

信王(しんおう)妃が亡くなった火事に不審を抱いた李嶷(りぎょく)は、ある人物からの巧妙なヒントを元に調査を開始する。 そこで彼は、火事の裏に隠された衝撃的な真相を突き止めてしまう。弟として、そして一人の人間として、李嶷は朝廷で大きな決断を下し、宮廷に激震が走る。 一方、傷ついた李嶷を案じる崔琳(さいりん)に、思いもよらない人物の魔の手が迫っていた。 権力争いは新たな局面を迎え、それぞれの思惑が複雑に絡み合っていく。

ネタバレ

兄の罪、暴かれる

いやあ、今回は胸くそ悪い話から始まったよ。信王(しんおう)妃が死んだ火事、やっぱりどうもきな臭いと思ってたんだ。そしたら案の定、顧婉娘が李嶷(りぎょく)に超重要なヒントをくれるわけ。皇族の女性って、絹の服に金を貼るのが好きなんですよ。絹って、集めると油みたいによく燃えるんですってね。これ、ただの世間話じゃないよな。李嶷(りぎょく)もすぐにピンときて、部下の裴源(はいげん)に信王(しんおう)府の焼け跡の土を調べさせた。そしたら出るわ出るわ、溶けた金の粒が大量に。

これで役者は揃った。信王・李俊(リージュン)が、自分の奥さんを殺すために仕組んだ放火だったんだ。 李嶷の怒りは見てるこっちも辛かったよ。昔、親父や他の兄貴たちに相手にされなかった頃、唯一優しくしてくれたのが、この義理の姉さんだったからな。その人を、兄貴が自らの手で殺した。目的はただ一つ、崔家の娘・崔琳(さいりん)を新しい妻に迎えるため。 権力欲って、ここまで人を狂わせるのか。

翌日の朝議がまた、見ものだった。李嶷はわざと遅れて登場。その間に、他の連中が信王も奥さんを亡くしたことだし、崔家の娘を娶ってはどうかなんて言い出すんだ。李俊(リージュン)も、待ってましたとばかりに悲しい顔してまんざらでもない様子。そこに李嶷が乗り込んできて、全部ぶちまけた。信王は王妃に薬を盛り、部屋に絹を積んで放火し、事故に見せかけて全員を焼き殺しましたって。 証拠も揃ってて、皇帝もブチギレ。李俊は王府に軟禁されることになった。

癒えない傷と、迫る新たな悪意

仇を討ったのに、李嶷の顔は全然晴れない。そりゃそうだよな。守りたかった人を、実の兄に殺されたんだから。なんでこんなことになっちまうんだって、見てる俺も思ったよ。このきらびやかな皇城が、どれだけ腐ってる場所なのか、改めて突きつけられた感じだ。

そんなボロボロの李嶷を心配して、崔琳(さいりん)が会いに来てくれる。この二人が一緒にいるシーンは、本当にホッとするよ。李嶷は自分の奥さんだぞ。なんであんな酷いことができるんだって苦悩を打ち明ける。崔琳は静かに言うんだ。それが東宮(皇太子の座)の魔力よって。権力は人を狂わせる。李嶷がずっと皇位争いから距離を置きたかったのは、この牢獄に自分や愛する人たちを閉じ込めたくなかったからなんだな。でも、もう彼はこのゲームのど真ん中にいる。

そして案の定、話はここで終わらない。二人が別れた直後、崔琳が忽然と姿を消す。 誰の仕業かなんて、考えるまでもないよな。そう、あの男、柳承鋒だ。あいつ、とうとうやっちまった。崔琳を力ずくで奪うなんて、一番やっちゃいけない手だろ。

薬で動けなくされた崔琳は、柳承鋒にはっきり告げる。 あなたはずっと兄のような存在だった。でも、それだけ。李嶷がいようといまいと、あなたを好きになることはない。柳承鋒は生きるためだったとか色々言い訳するけど、もう遅い。こじらせた男の愛憎劇は、一番タチが悪いんだよ。

感想

今回は、李俊の非道さが際立つ回だったな。自分の出世のために、長年連れ添った妻を焼き殺すなんて、人間のやることじゃない。李嶷が怒りと悲しみで打ちひしがれる姿は、見ていて本当に胸が痛んだよ。正義を果たしても、結局誰も幸せにならない。このやるせなさが、このドラマの深いところだよな。権力というものの恐ろしさを、まざまざと見せつけられた気がする。その一方で、柳承鋒の暴走が始まった。愛が憎しみに変わる瞬間というか、歪んだ執着心が行動になった感じで、見ていてゾッとする。崔琳がはっきり拒絶したのは良かったけど、状況は最悪だ。李嶷の苦難はまだまだ続くんだなと、次の展開が気になって仕方ない。とにかく、重いけど見ごたえのある回だった。

つづく