あらすじ
柳承鋒に捕らえられた崔琳(さいりん)を、李嶷(りぎょく)が機転を利かせた奇襲で見事に救出する。再会を果たした二人は、蛍が舞う美しい夜に、束の間の穏やかでロマンチックなひとときを過ごす。しかし、その裏で都は白水関陥落の報に揺れていた。崔家への疑いが深まる中、都へ戻った李嶷は新皇帝と激しく対立し、謹慎を命じられてしまう。同じ頃、崔琳も都を訪れるが、李嶷に会おうとはしない。お互いを想いながらも、二人の心は再びすれ違い始める。
ネタバレ
今回のひとこと
やっと再会できたと思ったら、もうすれ違いかよ!
救出、そして最高の再会
崔琳(さいりん)がいない。その知らせを受けて、親父さんの崔倚(つい より)が自ら兵を率いてすっ飛んでくる。柳承鋒(りゅうしょうほう)も、さすがに崔倚が相手じゃ分が悪いと思ったんだろうな。崔琳(さいりん)を連れてさっさと逃げる準備を始めた。
でも、俺たちの李嶷(りぎょく)は一枚上手だ。柳承鋒がどこへ逃げるか、完全にお見通しだった。道の途中で待ち伏せして、見事に奇襲をかける。柳承鋒の軍をかき乱して、あっという間に崔琳(さいりん)を救い出した。柳承鋒は、仲間の揭碩(けっさく)人に気絶させられて、そのまま連れてかれちゃった。まあ、まだ利用価値があるってことなんだろう。
目を覚ました崔琳の目の前に、李嶷(りぎょく)がいた。彼女、信じられないって顔をしてたな。何度もあなたなの?って聞くんだ。李嶷(りぎょく)は、その手を固く握ってずっとそばにいたって。もうね、このシーンはたまらない。崔琳は、前に夢で李嶷に会ったことを思い出す。夢じゃなかったんだな。李嶷は、心底心配したって顔で崔琳を抱きしめて、優しく肩を叩いてた。
蛍が舞う夜
その夜は、みんなで焚き火を囲んで宴会だ。肉を食って、酒を飲んで、最高の気分だった。老鮑(おうぼう)が、前に豊迎楼で芹娘子(きんじょうし)と娘の小喜児(しょうきじ)を助けた話で盛り上がる。天下が泰平になったら、二人を連れて牢蘭関に帰ろうぜって。みんなでワイワイ話してるのを見ると、こっちまで嬉しくなるよな。
川のほとりでは、崔琳と李嶷が二人きり。夜風に吹かれながら、満点の星と蛍を眺めてる。李嶷が蛍を一匹捕まえて、崔琳の手に乗せてやるんだ。手の中で光る小さな命を見て、崔琳が本当に嬉しそうに笑う。ここで李嶷が切り出す。蛍を百匹捕まえたら、頼みを一つ聞いてくれるか?って。
でも、崔琳の答えはいいえ。千匹でも一万匹でも聞けないって、きっぱり断る。李嶷は何か言いたそうにしてるけど、言葉に詰まっちまう。その時だった。崔琳が、すっと顔を寄せてキスをしたんだ。これには驚いた。
都のきな臭い空気と二人の溝
ロマンチックな夜とは裏腹に、都は大変なことになっていた。柳承鋒の手引きで白水関が陥落したんだ。大裕にとっては、とんでもない危機だ。新皇帝と大臣たちは、柳承鋒が崔倚の養子だってことで、崔家のことを疑い始める。こういう時、頼りになるのは李嶷しかいない。でも、肝心の李嶷は都にいないもんだから、新皇帝もイライラしてる。
崔琳を無事に崔家軍に送り届けた李嶷は、急いで都に戻った。戻って早々、兄の李俊(リージュン)の謹慎が解かれたって聞かされる。納得いかない李嶷は、新皇帝に直接問いただす。それが皇帝の逆鱗に触れた。親不孝者め!って怒鳴られてしまう。
新皇帝は、李嶷に岽都(とうと)を取り戻せって命令する。李嶷は、これをあっさり拒否。牢蘭関に帰りたいとまで言い出す始末だ。もちろん新皇帝は激怒。李嶷は屋敷での謹慎を命じられた。
部屋に閉じこもってふさぎ込む李嶷を、裴源(はいげん)が訪ねてくる。李嶷は胸の内を明かした。自分と崔琳は想い合っているのに、自分が太子になるかならないかの問題でギクシャクしてるって。新皇帝も兄たちも、皇帝の器じゃないことは分かってる。でも、亡き蕭妃(しょうひ)と皇太孫(たいそん)を即位させると約束した手前、自分が皇帝になるわけにはいかない。もし自分が太子になったら、崔琳が軍権を持ち続けることは許されないだろう。親父さんの崔倚が、素直に軍権を差し出すはずもない。板挟みで、本当に苦しそうだった。
そんな時、老鮑(おうぼう)が飛び込んできた。崔琳が都に来て、新皇帝に謁見したって言うんだ。でも李嶷は、それを聞いても会おうとしない。一方、崔琳も李嶷に会う気は全くないみたいだ。桃子(ももこ)が気を利かせて、李嶷からの差し入れだよって嘘をついて好物の干し物を渡す。崔琳は、その嘘をすぐに見抜いた。それでも、目の前の料理をもくもくと食べ続けるだけだった。
このエピソードの感想
いやー、今回は甘いのと苦いのが一気に来た回だったな。前半の蛍のシーンは、本当に息をのむほどきれいだった。やっと二人きりになれて、お互いの気持ちを確かめ合って。崔琳からの不意打ちのキスには、こっちがドキドキしたよ。これでやっと落ち着くところに落ち着くのかと思ったら、全然そんなことなかった。
後半は一気に政治の話。都に戻った李嶷が、新皇帝と早速ぶつかる。見ていてハラハラする。彼が抱えるジレンマが、すごくリアルに伝わってきた。皇位と愛、どっちも手に入れられないのかって。崔琳との関係も、この太子問題がデカい壁になってる。彼女も都まで来たのに、会おうとしない。お互い好きなくせに、素直になれない。このもどかしさが、このドラマの面白いところでもあるんだけど、見てるこっちは早く!って言いたくなる。桃子(ももこ)の気遣いが空回りしちゃうシーンなんて、切なくてたまらなかった。二人の心が、また少し離れてしまった感じがする。
つづく