あらすじ

乳母を殺された李嶷(りぎょく)の怒りは頂点に達し、周囲は彼を止めようと奔走する。 一方、宮廷では毒殺事件の犯人である李俊(リージュン)たちが新皇帝と激しい駆け引きを繰り広げる。 その結果、李俊は流罪となるが、出発前に皇室の祭祀が行われることになった。 しかし、その日は李嶷の乳母の葬儀と重なってしまう。 李嶷は乳母を見送るため、皇帝たちの行列とは別行動をとるが、その二つの場所を、皇位を巡る巨大な陰謀が襲う。

ネタバレ

いやあ、今回の楽游原は本当にキツい回だったよ。李嶷(りぎょく)の気持ちを考えると、こっちまで胸が張り裂けそうになる。早速、何が起きたか話していくね。

李嶷(りぎょく)の暴走と崔琳(さいりん)の読み

まず、崔琳(さいりん)のもとに桃子(ももこ)が戻ってくる。 李嶷の屋敷での一部始終を報告するんだ。 桃子(ももこ)は不思議で仕方ない。なんで裴源(はいげん)なら、怒り狂ってる李嶷を止められるって分かったんですか?ってね。

崔琳の答えが、もう李嶷のこと分かりすぎてるんだよ。李嶷は情に厚くて義理堅い男。 悲しみと怒りで我を忘れて、何をしでかすか分からない。 でも、裴源(はいげん)や鎮西軍の仲間たちのことは、絶対に大事にする。 彼らのことを考えれば、無茶はできないだろうって読んでたわけ。さすが崔琳、一枚上手だよね。

顧家の計算と皇帝の苦悩

一方、乳母の死の真相を知った顧婉娘。さすがに少し怖くなったみたい。 でも彼女、ここで引くようなタマじゃない。富や高い身分は、危険を冒してこそ手に入るものよって覚悟を決めてる。 李嶷から離れる気はサラサラないんだ。

父親の顧丞相(こしょう)は、娘のその気概を褒める。 李嶷の真っ直ぐさも認めてはいるんだ。 ただ、その真っ直ぐさが命取りになるってことも分かってる。 毒を盛ったのはどう考えても李俊(リージュン)なのに、新皇帝は弟の李俊(リージュン)が可愛くて仕方ない。 全力でかばおうとするに決まってる。 李嶷の今回の行動は、虎の尾を踏むようなものだったんだよ。

顧丞相(こしょう)に言わせれば、もっとうまいやり方があった。 李嶷は新皇帝に弱々しく助けてくださいって泣きつくべきだったんだ。 証拠だけ突きつけて、李俊を罰してくれとは一言も言わない。 そうすれば皇帝も罪悪感を感じる。 そこですかさず顧丞相たち重臣が李俊を罰するべきです!って声を上げれば、追い詰められたのにってね。 でも、もう遅い。顧丞相はため息をついて、別の手で李俊を排除する方法を考えるしかなかった。

そして顧丞相は動く。裴献(ペイ・シェン)と一緒に新皇帝に会って、李俊を流罪にするよう要求する。 新皇帝は兄弟喧嘩みたいなもんだろとか言って、全然乗り気じゃない。 すると裴献(ペイ・シェン)が土下座して脅しをかけるんだ。こんなえこひいきがまかり通るなら、皆、陛下に失望します。どうしても李俊をかばうなら、俺は鎮西軍と李嶷を連れて都を去りますって。 顧丞相もそうなれば私も辞職しますって追い打ちをかける。 これには新皇帝も折れるしかなくて、しぶしぶ李俊の流罪を認めた。

仕組まれた罠、二つの襲撃

新皇帝もただでは転ばない。李俊の流刑地を少しでも都の近くにするために、一計を案じる。 出発前に、李俊に実の母を弔う儀式への参加を許すんだ。 そこに李嶷も呼んで、李俊に直接謝罪させようって魂胆。

でも、その日は偶然にも、李嶷の乳母の葬儀の日だった。 李嶷はまず、乳母の棺を見送ることにする。 葬列に追いついた李嶷は、何か妙な空気を感じ取るんだ。 その瞬間、キラリと光る刃が彼を襲う。 なんとか避けたけど、敵は次々と現れる。 相手の首にある印を見て、李嶷は気づく。こいつら、揭碩(けっさく)人だと。 多勢に無勢。李嶷は謝長耳に、裴源を呼びに行くよう命じる。

同じ頃、もう一方の祭祀の行列も、揭碩人に襲われていた。 李俊は孝行息子を演じるチャンスとばかりに、必死で新皇帝を守るフリをする。 でも、その場に李嶷がいないと知った途端、本性を現した。 皇帝を殺して、自分が新たな皇帝になろうとしたんだ。

裏切りの刃

李俊が剣を抜いたその時、別の男が立ちはだかる。李崃(り らい)だ。 彼は謀反人を誅する!と叫び、李俊に斬りかかる。 そして、李俊は李崃の剣に倒れた。 死ぬ間際、李俊はすべてを悟る。 最初から漁夫の利を狙っていたのは、この李崃だったんだと。

そこに、李嶷が馬を飛ばして駆けつける。 李崃が敵に囲まれているのを見て、助太刀に入るんだ。 でも、それは最悪の選択だった。李崃は李嶷が油断した隙を狙って、その体に剣を突き立てた。

信じていた仲間からの、突然の裏切り。何が起きたか分からないまま、戦いは続く。 気づけば、周りにいるのは崔家の兵士が数人だけ。 李嶷は深手を負いながらも戦うけど、もう限界だった。 目の前で、苦楽を共にした弟たちが一人、また一人と命を落としていく。 大粒の雨が降りしきる。 顔を濡らすのが雨なのか、血なのか、それとも涙なのか、もう分からない。 そして、老鮑(おうぼう)が盾となって李嶷を守り、彼の腕の中で静かに息絶えた。

このエピソードの感想

今回は本当に言葉を失う展開だった。李俊があっさり退場したのは驚いたけど、それ以上に李崃の裏切りが衝撃的すぎたよ。今までおとなしくしていた彼が、実は一番の野心家だったなんて。李嶷を助けるフリをして、背後から刺すシーンは鳥肌が立った。信頼していた人間に裏切られ、大切な部下たちを目の前で皆殺しにされる。李嶷の絶望を思うと、本当に胸が痛い。特に、ずっとそばにいた老鮑(おうぼう)が彼をかばって死ぬ場面は、涙なしには見られなかった。策略と裏切りが渦巻く中で、李嶷がすべてを失っていく。このどん底から、彼はどうやって這い上がるんだろうか。あまりにも過酷な回だった。

つづく