あらすじとネタバレ
布団の奪い合いが、まさかのキスに
まず、崔琳(さいりん)と桃子(ももこ)が優雅にお茶してるシーンから始まる。その頃、夫の李嶷(りぎょく)と部下の謝長耳は、外でずっと待たされてた。秋風に吹かれながら、ただひたすら待つ。プライドの高い李嶷(りぎょく)のイライラは、もう限界寸前だ。
ついに我慢できなくなった李嶷が、不機嫌な顔で部屋に乗り込んできた。周りの侍女たちを全員下がらせる。完全に二人きりの空間になった。案の定、すぐに口論が勃発。崔琳(さいりん)は李嶷に出ていけと言う。李嶷は引かない。ここで寝ると言い出して、勝手に布団を準備し始めた。
崔琳も負けてない。私の部屋よと布団を奪い返そうとする。ここから、まさかの布団の奪い合いがスタート。どっちも一歩も譲らない。子供のケンカみたいで、ちょっと笑える。
その時、李嶷が足をもつれさせた。バランスを崩して、崔琳の胸に倒れ込む形になった。崔琳は冷静だった。袖からスッと銀針を取り出す。いつものお仕置きタイムか。でも李嶷の方が一枚上手だった。崔琳の手首をガシッと掴む。そのまま彼女を抱き寄せて、体勢をひっくり返した。銀針はあっさり奪われる。
崔琳が驚いてる隙を、李嶷は見逃さなかった。彼女に、そっとキスをした。部屋の空気が一瞬で変わる。気まずさと甘さが混じった、変な感じだ。
翌朝の気まずさと、スズキ事件
次の日の朝。李嶷が目を覚ます。隣を探るけど、誰もいない。ガバッと起き上がると、崔琳が化粧台の前に座ってた。静かに髪をとかしている。その姿は、なんだかすごく大人びて見えた。
李嶷は昨日のキスのことが気になって仕方ない。何か言ってこないか、探りを入れる。崔琳の反応は予想外だった。すごくあっさりしてる。もし子供ができたら? 父はいらないから、自分で太后になるだけこのセリフ、強すぎだろ。李嶷はショックを受けた。服もちゃんと着ないまま、部屋を飛び出していった。
場面は変わって、豊迎楼という料亭。李嶷は裴源(はいげん)と一緒に、ある人物を待っていた。慕仙鶴(ぼせんかく)っていう幻術師だ。彼の好物を用意して、おびき寄せる作戦。ちょうどその頃、崔琳と桃子(ももこ)も同じ店に来ていた。別の情報を探るためだ。
ここで面白い事件が起きる。崔琳は、この店のスズキ料理が大好き。李嶷は彼女のご機嫌を取ろうと、スズキを注文する。店員から最後の一匹で、もう予約が入ってますと断られた。
李嶷は諦めない。その客の部屋まで行って、譲ってくれと頼み込む。妻がどうしても食べたがっていてなんて、必死に説明する。その必死な声は、ドアの向こうに全部聞こえていた。少しの沈黙の後、ゆっくりとドアが開く。そこに立っていたのは、笑いをこらえる崔琳本人だった。二人で顔を見合わせて、大笑い。勘違いから始まった、最高の再会だ。
仕掛けられた罠と、李嶷の選んだ場所
その裏で、不穏な動きもあった。李嶷の良娣(側室)である顧婉娘。彼女はずっと李嶷の愛を得られずにいた。ある夜、李嶷は体裁のために彼女の部屋を訪れる。侍女が、李嶷の飲む酒にこっそり薬を入れた。二人の仲を進展させようっていう、浅はかな考えだ。
酒を飲んだ李嶷の体調が急変する。寒気と熱が交互に襲ってきて、意識がもうろうとしてきた。それでも李嶷は、最後の力を振り絞って立ち上がる。引き留めようとする顧婉娘を、冷たく振り払った。
李嶷は、ふらつきながら自分の帰るべき場所へ向かう。崔琳がいる承鸞殿だ。部屋に着くと、彼は崔琳をそっと抱き上げた。そのまま湯船の中へ連れていく。薬のせいで苦しむ李嶷は、ただ崔琳の優しさに慰めを求めた。彼の心と体を縛っていた全てのものが、洗い流されていくようだった。
最後にもう一つ。李嶷は父の崔倚を、ある廃屋へ連れて行った。そこで幻術師の慕仙鶴(ぼせんかく)の力を借りる。崔倚の亡き母の幻を見せたんだ。ずっと心に傷を抱えていた父を、少しでも癒してやりたかった。李嶷の不器用な優しさが光る場面だった。
感想
今回の36話は、李嶷と崔琳の関係がめちゃくちゃ深まった回だったな。布団の奪い合いからの不意打ちキスなんて、王道だけどやっぱりドキドキする。スズキの一件で、李嶷がどれだけ崔琳にベタ惚れか、本人にバレちゃったのも最高に面白かった。彼の愛情が完全に駄々洩れで、見てるこっちがニヤニヤしちゃう。
その一方で、顧婉娘の策略は本当に胸糞悪かった。薬まで使うなんて、やり方が汚い。でも、そのおかげで李嶷の気持ちがハッキリしたとも言える。意識が朦朧とする中で、彼が選んだのはやっぱり崔琳だった。あのシーンは、彼の愛の深さを証明してたと思う。
甘いラブコメ展開と、ドロドロした宮中の陰謀。そのバランスが絶妙だ。謝長耳と桃子の可愛いやり取りや、崔倚を思う李嶷の優しさみたいな、心温まるシーンもちゃんとある。色々な感情が詰まってて、見ごたえのある回だったよ。
つづく