あらすじ
崔琳(さいりん)を救い出すため、柳承鋒は敵である烏洛(うらく)と危険な取引に打って出る。だが彼は裏切られ、絶体絶命の窮地に立たされる。そこで突きつけられた究極の選択に対し、柳承鋒は信じがたい行動を選ぶ。一方、李嶷(りぎょく)は全兵力を動員して必死に崔琳を捜索していた。その行動が新皇帝に新たな疑念を抱かせる。やがて李嶷は、ある出来事をきっかけに崔琳を発見するが、そこにはあまりにも残酷な現実が待っていた。
ネタバレ
いやー、今回の話は本当にきつかった。覚悟して読んでくれよ。
柳承鋒の賭け
まず柳承鋒の話からだ。あいつ、烏洛(うらく)と裏で取引してたんだよ。崔琳(さいりん)を連れ出せたら、二人まとめて遠くへ逃がしてやるっていう約束。まあ、そんな甘い話、信じる方がどうかしてるよな。桃子(ももこ)のことは、乱葬崗に捨てさせる手筈だったらしい。非道すぎる。
案の定、烏洛(うらく)から渡された解毒剤は偽物だった。柳承鋒は匂いを嗅いだ瞬間に気づく。さすがだな。でも時すでに遅く、烏洛の兵に囲まれてしまう。烏洛の狙いは、崔琳(さいりん)も柳承鋒もまとめて始末することだった。
ただ、柳承鋒もただじゃ転ばない。烏洛と顧丞相(こしょう)が裏で繋がっている証拠をしっかり握ってたんだ。西長京にいる烏洛の手下のリストまで。もし自分と崔琳に何かあれば、部下の阿恕(あじょ)が全部ぶちまける手筈になっていた。これは良い揺さぶりだ。
でも、烏洛は逆ギレ。柳承鋒を捕らえて拷問にかける。阿恕(あじょ)の居場所を吐かせようとするけど、柳承鋒は口を割らない。根性あるよ。痺れを切らした烏洛は、柳承鋒に最悪の選択を突きつける。お前が死ぬか、崔琳が死ぬか選べって。
ここからの柳承鋒の行動が、信じられないんだ。彼は、自分の手で崔琳を殺すことを選んだ。その代わり、崔琳の亡骸には指一本触れるなと条件を出す。烏洛は高笑いしてそれを承諾。そして柳承鋒は、薬をゆっくりと崔琳の口に運んだんだ。マジかよって声が出たね。
李嶷(りぎょく)の絶望
その頃、李嶷(りぎょく)は必死だった。禁軍と羽林衛を総動員して、西長京を完全封鎖。街中をひっくり返す勢いで崔琳を探していた。そのせいで、新皇帝は完全にパニック。あいつは俺を殺して帝位を奪う気だ!って大騒ぎして顧丞相(こしょう)に助けを求める始末。でも顧丞相は本人に聞けば?と、そっけない。
李嶷は皇帝の呼び出しなんて無視。崔琳を探すことで頭がいっぱいだからな。そこに謝長耳から義荘で若い女が見つかったって報告が入る。李嶷の心臓はもう口から飛び出しそうだったと思う。どんな可能性も見逃せないから、すぐさま義荘へ向かおうとする。その時、近くで変な物音がしたんだ。
音のした方を探しても、誰もいない。その直後、李嶷は見てしまう。柳承鋒が建物の窓から飛び降りるのを。彼は崔琳の幼名である阿螢と叫んでいた。李嶷は急いで建物に駆け上がる。そこには、案の定、倒れている崔琳がいた。
李嶷は崔琳を抱きかかえて東宮へ急ぐ。何人もの太医が呼ばれた。でも、結果は最悪だった。太医たちはひざまずいて言うんだ。脈がありません。お亡くなりになりましたって。李嶷はその言葉が信じられなくて、足から力が抜けて崩れ落ちた。あのシーンは、見ていられなかったよ。
楽游原での哀歌
李嶷は、崔琳を抱いて二人の思い出の場所、楽游原へ向かう。そよ風に吹かれながら、彼は崔琳と初めてここに来た時のことを思い出していた。あの頃は、本当に楽しそうで自由だったよな。
彼は、あの時歌った歌をもう一度歌い始める。この歌が終われば、崔琳が目を覚ますと信じて。歌声は風に流れて消えていく。でも、崔琳はぴくりとも動かない。李嶷の目には涙が溢れていた。それでも自分に言い聞かせるんだ。崔琳は絶対に目を覚ますって。一曲歌い終えては、また次の曲を歌う。でも、奇跡は起きない。
夜になった。李嶷は昔のように魚を焼いて、火のそばで崔琳を抱きしめている。それでも彼女は目覚めない。どうすれば崔琳が自分を見てくれるのか、彼にはもう分からなかった。崔琳がもういないことなんて、本当は分かってるんだ。でも、信じたくない。ただ奇跡が起きるのを待っている。彼は思っただろうな。もう太子じゃなくてもいい。ただ崔琳とここで、静かに座って風に吹かれていたいって。もう、こっちの胸が張り裂けそうだよ。
今回の感想
柳承鋒が崔琳に飲ませた薬、あれは本当に毒だったのかな。俺はどうしても、あれは仮死状態にするための薬だったんじゃないかと思ってる。そうじゃなきゃ、柳承鋒の今までの行動が説明つかない。崔琳の亡骸を綺麗に残せって言ったのも、きっと何か意味があるはずだ。そう信じたいよ。
それと、李嶷の絶望っぷりが本当にすごかった。ただ泣き叫ぶだけじゃないんだ。静かに、ゆっくりと心が壊れていく感じが、とてつもなくリアルだった。崔琳がいないという現実を全く受け入れられていない。楽游原での虚ろな目は、しばらく忘れられそうにないね。崔琳を抱きしめて歌うシーンは、このドラマ屈指の名場面だと思う。
今回はとにかく話が重かった。希望の光がまったく見えない。もし本当に崔琳が死んでしまったら、李嶷はどうなってしまうのか。柳承鋒の真意もはっきりしないし、物語がどこへ向かうのか全く読めなくなった。
つづく