あらすじ

崔琳(さいりん)は悲しみの底にいた。でも、宮中ではすぐに新しい陰謀がうごめき始める。顧婉娘(こばんじょう)は次の太子妃の座を狙って動き出す。彼女の父親である顧丞相(こしょう)は、さらに悪どい計画を立てていた。自分の罪を隠すため、李嶷(りぎょく)に謀反の罪を着せようとするんだ。新皇はあっさりその嘘を信じ込んでしまう。追い詰められた李嶷(りぎょく)は、崔琳(さいりん)の名誉を守るため、たった一人で宮殿に乗り込むことを決意する。絶体絶命の状況で、李嶷の怒りが爆発する回だね。

ネタバレ

李嶷が目を覚ますと、隣には崔琳(さいりん)がいた。彼女は優しく李嶷の顔に触れる。でもそれは全部、夢だった。現実は非情で、隣にあるのは冷たくなった崔琳の体だけ。李嶷は、二人の思い出が詰まった画集をめくる。最後のページは空白のまま。崔琳が描くはずだった未来は、もうない。李嶷は彼女の体を抱きしめて、声を殺して泣いた。

その頃、謝長耳(しゃちょうじ)が桃子(ももこ)を見つけ出した。桃子(ももこ)はひどい怪我だったけど、かろうじて息はあった。宮中の医者もお手上げ状態。長耳は必死に桃子(ももこ)の薬箱から、何か効く薬がないか探していた。

一方で、あの顧婉娘が動く。新皇たちの前で、さも悲しんでいるかのように大泣き。崔琳が死んだことを報告した。李嶷が崔琳の亡骸をどこへ運んだかは、わざと隠してね。新皇はすっかり同情して、喪が明けたら君を新しい太子妃にすると約束する始末。本当にちょろいよな。

さらにヤバいのが父親の顧丞相。娘と組んで崔琳を陥れたことがバレるのを恐れて、先手を打った。新皇に会って、とんでもない嘘を吹き込むんだ。李嶷が謀反を企てていますってね。新皇の兵権を取り上げて、太子から引きずり下ろせと進言した。新皇はそれを鵜呑みにして、全部顧丞相に任せてしまう。

この最悪の知らせは、すぐに李嶷の耳にも入った。李嶷の顔は静かだったけど、腹の中は怒りで煮えくり返っていた。彼は崔琳の汚名をそそぐことを誓う。そして、崔琳の亡骸に綺麗な戦装束を着せた。彼女の魂と一緒に、皇帝に会いに行くつもりなんだ。

顧婉娘が慌てて止めに来た。李嶷は彼女に詰め寄る。なぜ崔琳は死んだんだ。言葉はナイフのように鋭い。顧婉娘はしらを切るけど、李嶷は剣を突きつけて警告した。崔琳が生きていても死んでいても、俺の太子妃は彼女ただ一人だ。

李嶷は兵を率いて宮殿の門へ向かう。禁軍が道を阻むけど、彼は矢を放って威嚇し、大殿まで突き進んだ。そこには顧丞相と、禁軍のふりをした烏洛(うらく)たちが待ち構えていた。李嶷は、顧丞相が敵と手を組んでいることを皆の前で暴露する。それでも新皇は、顧丞相の方を信じようとした。李嶷の心は冷え切っていく。

その瞬間、顧丞相と烏洛が本性を現した。彼らは新皇を人質に取る。新皇はようやく自分が騙されていたことに気づいた。李嶷を逃がそうとするけど、結局は敵の要求を飲んでしまう。

もうダメかと思った、その時だった。李嶷が投げた短剣が烏洛の腕に突き刺さり、新皇は解放された。李嶷と烏洛の激しい戦いが始まる。実力は互角。勝負がつかない。

信じられないことが起きたのは、まさにその時。棺桶の蓋が内側から吹き飛んだ。中から飛び出してきたのは、なんと崔琳だった!彼女は生きていたんだ!剣を手に、烏洛に斬りかかる。李嶷の目に、一瞬で希望の光が戻った。形勢が悪いと見た顧丞相は、こっそり逃げ出そうとする。

最後は、李嶷と崔琳の完璧な連携だった。二人はあっという間に顧丞相を追い詰め、その場で斬り捨てた。長かった陰謀が、ついに終わりを告げたんだ。

感想

いや、もう今回は神回って言っていいんじゃないかな。前半の李嶷の絶望が深すぎて、見てるこっちまで胸が苦しくなったよ。崔琳に戦装束を着せるシーンなんて、彼の覚悟と愛情が痛いほど伝わってきて、涙なしには見られなかった。

それだけに、後半の展開は本当に鳥肌モノだった。特に崔琳の復活シーン!棺桶からバーンって出てきた時は、思わずうおお!って声が出たね。絶望のどん底からの、最高のカタルシスだった。死んだふりをして敵を油断させるっていう、崔琳らしい大胆な作戦だったわけだ。

顧丞相と顧婉娘の親子には、最初から最後までイライラさせられっぱなしだったけど、最後の最後で李嶷と崔琳の二人がきっちりケリをつけてくれたから、すごくスッキリした。二人が背中合わせで戦う姿は、やっぱり最高にかっこいい。これぞ『楽游原』って感じの、アクションと感動が詰まった最高の回だったよ。

つづく