あらすじ
官僚としてのキャリアをスタートさせた慕灼華(ぼしゃくか)。しかし、翰林院(かんりんいん)の歓迎会と称した飲み会で、先輩官僚たちから手荒い洗礼を受けることになる。なんとかその場を切り抜けたものの、今度は同僚の沈驚鴻(しんきょうこう)と一緒にいたところを目撃され、二人が恋仲だというあらぬ噂を立てられてしまう。想いを寄せる定王・劉衍(りゅうえん)に誤解されたくない灼華は、必死に弁明しようと試みるが、なかなか会うことすらできない。さらに、皇子たちの教育係という新たな任務が始まるが、そこでも一筋縄ではいかない問題が待ち受けていた。
ネタバレ
今回は『灼灼風流』の第11話だ。官僚になったはいいけど、灼華の周りは敵だらけ。見ていてハラハラする回だったぜ。
この回は、灼華の社会人生活の厳しさがリアルに描かれていたな。
翰林院(かんりんいん)のキツい洗礼
翰林院(かんりんいん)の連中が、小秦宮で祝賀会を開くんだ。でも、その実態は新人いびり。遅れてやってきた灼華に罰酒だ!なんて言って、潰そうとする。ありがちな手口だけど、見ていて胸糞悪いよな。
ここで助け舟を出そうとするのが、同僚の沈驚鴻(しんきょうこう)だ。彼が代わりに飲もうとするんだけど、灼華は自分で飲みますって言って、ぐいっと杯をあおる。この気概、たまらないね。彼女はただの秀才じゃない。こういう胆力があるから面白い。
見かねた妓女の宋韻(そういん)が詩集を見せたいという口実で灼華を助け出す。ナイスプレーだ。でも、しつこい同僚たちはまだ食い下がる。結局、沈驚鴻(しんきょうこう)がその場に残ることで、灼華はなんとか抜け出すことができた。
広まるウワサとすれ違う二人
部屋で一息ついた灼華は、宋韻(そういん)に本音を語る。少しは酔ったけど、連中の思い通りになるもんかってね。今は出世が第一で、恋愛なんて考えていない、と。
でも、運命は意地悪だ。部屋から出たところで、灼華は心配して様子を見に来た沈驚鴻とバッタリ会ってしまう。この最悪のタイミングが、とんでもない事態を引き起こす。
あっという間に慕探花と沈驚鴻が小秦宮で密会!なんていう、根も葉もない噂が宮中に広まってしまった。
この噂、劉皎(りゅうきょう)や劉衍(りゅうえん)は信じていない。灼華が官僚としてのキャリアを捨てるような真似はしないと分かっているからだ。でも、灼華は焦る。だって、ついこの間、劉衍(りゅうえん)にあなたが好きだと伝えたばかりだからな。
彼女は必死に劉衍に会って弁明しようとする。でも、劉衍は会ってくれない。完全に避けられてる。そこで灼華が取った行動がすごい。侍女の郭巨力(かくきょりき)に命じて、劉衍の馬車が通る道で弓を使って馬車を壊させ、偶然を装って足止めしたんだ。その行動力、見習いたいぜ。
やっとのことで劉衍に直接噂は全部ウソです!と説明する灼華。それに対する劉衍の返事は、たった一言。わかった。おいおい、それだけかよ!こっちは必死なんだぞ!って言いたくなるよな。
皇子たちの教育係、前途多難
灼華の苦難はまだ続く。今度は皇子たちの教育係だ。彼女は地理の講義を始めるんだけど、皇子の一人、劉琛(りゅうしん)がさっそく噛みついてくる。教科書もなしで教える気か?ってな。
灼華は全て頭の中に入っていますと涼しい顔で一蹴。かっこいいぜ。講義が始まると、その知識の深さに他の皇子たちは感心する。でも、それが面白くない劉琛(りゅうしん)。結果、皇子同士で口論になり、ついには殴り合いの喧嘩にまで発展してしまう。灼華、頭を抱えるしかないよな。
感想
いやあ、今回は灼華にとって受難の回だったな。翰林院での新人いびりは、現代の職場にも通じるものがあって、見ていて胃が痛くなったよ。でも、そこでへこたれずに、むしろ啖呵を切るように酒を飲む灼華の姿は爽快だった。彼女の強さは、ただ頭がいいだけじゃないところにある。
一番キツかったのは、やっぱり沈驚鴻とのあらぬ噂だろう。よりによって、一番誤解されたくない劉衍に避けられるなんて、辛すぎる。馬車を壊してまで会いに行く行動力は、さすが灼華としか言いようがない。でも、それに対する劉衍の塩対応!あれはへこむぜ。わかったの一言に、どれだけの意味が込められているのか。こっちまでヤキモキしちまう。嫉妬してくれてるなら、それはそれで可愛いんだけどな。
最後の皇子たちの喧嘩も、先が思いやられる展開だった。せっかくの知識を披露する場で、子供の喧嘩の仲裁をしなきゃいけないなんて、割に合わない仕事だよな。灼華の周りには本当に敵が多い。でも、沈驚鴻や宋韻みたいに、さりげなく助けてくれる人がいるのが唯一の救いだ。この先、灼華がどうやってこの逆境を乗り越えていくのか。劉衍とのすれ違いは解消されるのか。目が離せないぜ。
つづく