あらすじ

体調が万全になった慕灼華(ぼしゃくか)のもとに、皇子の劉琛(りゅうしん)が見舞いに来た。彼は開口一番、お前のことなんか好きじゃないからなとツンケンした態度だ。命を助けられた借りを返したいだけらしい。灼華は何もいらないと突っぱねる。

その頃、同期の沈驚鴻(しんきょうこう)たちは配属先が決まっていた。自分だけが宙ぶらりんの状態だ。灼華は、いつまでも定王・劉衍(りゅうえん)に頼ってはいられないと強く思う。自分の力で出世して、彼を支えられる存在になる。そう心に誓うんだ。

そんな決意を、劉衍(りゅうえん)の部下である執墨(しゅうぼく)が聞いていた。報告を受けた劉衍と劉琛(りゅうしん)は、彼女の心意気に感心する。劉琛も、少しだけ灼華を見直したみたいだ。

場面は変わって、今度は柔嘉(じゅうか)公主からお茶会のお誘いだ。灼華は手作りのお菓子を持って、公主の屋敷を訪ねる。公主は、皇太后(たいこう)が灼華にキツく当たるのは個人的な恨みが原因だと教えてくれた。彼女は灼華の味方のようだ。出身地を偽っていることにも気づいていたけど、何も言わずに受け入れてくれる。

皇太后は、灼華を皇子たちの講師から外そうと企んでいた。しかし、劉衍がそれを阻止する。彼は灼華を、北涼(ほくりょう)から来る使節団の接待役に任命したと宣言するんだ。これで皇太后も手出しできない。

ネタバレ

この回の見どころは、なんといっても灼華と劉衍の距離がグッと縮まるシーンだ。

劉皎(りゅうきょう)の屋敷からの帰り道、灼華は劉衍とばったり会う。接待役に任命してくれたお礼に、と食事に誘うんだ。そこで、例の手作り菓子を振る舞う。昔、侍女の郭巨力(かくきょりき)とこっそり夜食を作って食べた話なんかで盛り上がる。

あなたは、私のお父さんより優しい

そう言う灼華に、劉衍は俺はこんなに大きな娘は産めないぞと冗談で返す。ここまでは良かった。問題はこの後だ。

お酒が入っていい気分になった灼華が、とんでもないことを言い出す。

じゃあ、私があなたのために娘を産んであげる

この大胆すぎる告白に、劉衍もドキッとする。酔って赤くなった彼女を見て、彼の中で何かが変わり始めた。もし自分が王じゃなければ、彼女はもっと素直な気持ちを見せてくれるんだろうか。そんなことを考えてしまうんだ。

一方で、宮中では新たな火種が生まれていた。劉琛が、ライバルの沈驚鴻(しんきょうこう)を同じ接待役に推薦したんだ。これは灼華への対抗心か、それとも別の狙いがあるのか。

感想

いやあ、今回はマジで神回だった。灼華と劉衍の関係が一気に進んだ感じがする。酔った灼華の娘を産んであげる発言は、可愛すぎてもう最高だ。普段はしっかり者の彼女が見せる、あの隙がたまらない。それに対する劉衍の戸惑いと、心の揺れ動きが丁寧に描かれていて、見てるこっちがニヤニヤしちゃう。

劉琛のツンデレっぷりも相変わらずだけど、灼華の覚悟を知って少しずつ見方が変わっていく様子が良かった。ただの嫌なヤツじゃないんだよね。

そして、劉皎。彼女は本当に味方なんだろうか。優しく接してくれるけど、どこか本心が見えない怖さがある。皇太后を軽んじるような発言も飛び出して、侍女が慌てていたのが気になるポイントだ。彼女の存在が、今後の波乱のきっかけになりそうな予感がする。

つづく