あらすじとネタバレ

北涼(ほくりょう)からの厄介な客

さあ、今回は隣国の北涼(ほくりょう)からお客さんがやってくるぞ。使節団を率いるのは、第三王子の耶沐憬(やぼくけい)だ。こいつが、なかなかの曲者でね。城門で出迎えた慕灼華(ぼしゃくか)に対して、いきなり失礼な態度をとるんだ。 南宸(なんしん)には男がいないのか、女を役人にするなんてみたいなことを平気で言う。 見ていてこっちがイラっとするくらいだ。

でも、そこは我らが慕灼華(ぼしゃくか)。二人で見事に言い返して、耶沐憬を黙らせる。 このシーンは痛快だったな。相手が王子だろうと、間違っていることにはハッキリ物を言う。その度胸が気持ちいい。

宴会での攻防戦

夜は宮中で歓迎の宴会が開かれる。ここで耶沐憬がとんでもない爆弾を投下するんだ。贈り物として、俺の妹を陛下に差し上げますと言い出す。妹の耶沐蓁(やぼくしん)は、北涼で一番の美女らしい。要するに、政略結婚を仕掛けてきたわけだ。

もちろん皇帝の劉俱(りゅうきょ)は、やんわりと断る。 すると今度は耶沐憬、じゃあ定王の劉衍(りゅうえん)様なら、お相手にふさわしいでしょうとターゲットを変更。 これは明らかに劉衍(りゅうえん)を試している。ここで美女を受け取れば、北涼の言いなりになると思われる。断れば、北涼の顔に泥を塗ることになる。まさに絶体絶命のピンチだ。

でも、劉衍(りゅうえん)は一枚上手だった。彼は立ち上がって、こう提案する。陛下の義理の娘としてお迎えすれば、彼女は公主の身分のまま南宸(なんしん)にいられますと。 これには耶沐憬もぐうの音も出ない。劉皎(りゅうきょう)も話に乗ってくれて、一件落着だ。 この頭の回転の速さ、さすがは定王だよな。

狩りの裏にある真の目的

宴会の後、慕灼華(ぼしゃくか)は劉衍にあんな美女が惜しくないんですか?なんて聞く。相変わらずだな、君は。劉衍は俺への愛慕は嘘だったのかと切り返す。 この二人のやり取りは、見ていて飽きないよ。

慕灼華は、今回の北涼の訪問の本当の目的にも気づいていた。彼らは、劉衍がまだ戦えるのかどうか、その実力を探りに来たんだ。 昔の戦いで負った傷が、どれほど影響しているのかを確かめたい。だから、耶沐憬は狩りを提案する。表向きは親睦のため。裏では劉衍の動きを観察するためだ。

狩りの場で、また一悶着起きる。慕灼華が馬車に酔って、川辺で休んでいた。心配した劉衍が探しに行くと、耶沐蓁も後を追ってくる。 これを見た劉琛(りゅうしん)が二国の問題だ!と怒り、耶沐憬と剣を抜いて戦い始めるんだ。 一人の女性をめぐる争いが、そのまま国と国の緊張関係を映しているようだった。

感想

いやあ、今回はヒリヒリしたな。特に宴会のシーンは、手に汗握ったよ。耶沐憬のやり方は、本当にえげつない。妹を道具として平気で差し出すあたり、彼の人間性がよく見える。それに対して、劉衍が見せた機転は完璧だった。力ずくじゃなく、頭脳で相手をねじ伏せる。これぞ王の戦い方だ。彼の冷静さと賢さが、この国を守っているんだと改めて感じた。

慕灼華も良かった。彼女はただ守られているだけじゃない。北涼の狙いをちゃんと見抜いている。劉衍が何をしようとしているのか、その意図を正確に理解している。この二人は、本当にいいコンビだよな。お互いの能力を認め合って、信頼しているのが伝わってくる。

政治的な駆け引きが中心だったけど、キャラクターの感情もしっかり描かれていて見ごたえがあった。劉衍と慕灼華の関係も、少しずつだけど深まっている気がする。ただの恋愛ドラマじゃない、骨太な物語がこの作品の魅力だ。

つづく