あらすじ(ネタバレあり)
劉衍(りゅうえん)との急接近、そして過去の記憶
慕灼華(ぼしゃくか)と酒を飲んで帰ってきた。沈驚鴻(しんきょうこう)は家まで送ると言う。でも、慕灼華(ぼしゃくか)の姿を見つけた。彼女は沈驚鴻の申し出を断って、劉衍(りゅうえん)の馬車に乗り込む。
車の中で、慕灼華は劉衍にズバッと聞いた。爛桃花(質の悪い恋の縁)ってどういう意味なんだ、と。劉衍は、それは君自身が説明すべきことだと返す。そのやり取りで、慕灼華は気づくんだ。もしかして、劉衍こそが自分の人生の桃花(良い恋の縁)なんじゃないかって。
ちょうどその時、馬車が石に乗り上げて大きく揺れた。慕灼華はバランスを崩して、劉衍の胸の中に倒れ込む。この出来事で、劉衍は忘れていた記憶を思い出した。猟場で酔った勢いで、慕灼華にキスしたことを。もっと早く思い出していれば、二人の間の誤解はすぐに解けたかもしれない。彼はそう後悔してたぜ。
最後の切り札、雪塵丹
一方、孫紜紜(そんうんうん)は兄が慕灼華に謝罪したことで怒っていた。兄の孫雲峰(そんうんぽう)は妹をなだめる。慕灼華は仕事も人付き合いも完璧で、見せかけの美しさだけで判断すべきじゃない、と。
その頃、劉衍の家では陸院使(りくいんし)が待っていた。太医院にあった最後の雪塵丹が、劉皎(りゅうきょう)の元で保管されているという情報を持ってきたんだ。慕灼華はすぐに公主の元へ向かう。ある人を助けることができれば、公主にとっても嬉しい驚きになるかもしれない。そう伝えると、劉皎(りゅうきょう)は快く雪塵丹を譲ってくれた。人命を救えるなら、薬の一つくらい惜しくない、と。
贈られた屋敷に隠された秘密
慕灼華は雪塵丹を薛笑棠(せつしょうどう)に飲ませた。薬の効果はてきめんだ。その後、劉衍は慕灼華に一つの屋敷を贈った。それはなんと、彼女の母方の祖父が住んでいた旧宅だった。 この屋敷にあるものは、すべて君が自由に処分していい。劉衍はそう言った。
その深い愛情に、慕灼華は劉衍の手をそっと握る。そして冗談っぽく尋ねた。じゃあ、あなた自身も私の好きにしていいのか、と。劉衍は甘い表情で、君の好きに、と答える。
屋敷の本を調べていた慕灼華は、ある手がかりを見つける。本の間に挟まっていた杏の花のしおり。その模様は、母が持っていた手ぬぐいのものとそっくりだった。特殊な薬水で花を長持ちさせる技術。祖父がこの方法で何か重要な情報を残したのかもしれない。
彼女は屋敷の杏の木の下を掘ってみた。すると、土の中から羊皮の巻物が見つかった。
すべての元凶、太后(たいこう)の罪
巻物には衝撃の事実が記されていた。換陽散という薬は、実は彼女の祖父が作ったものだった。しかし、その副作用の大きさを知った祖父は薬を処分しようとした。それを太后(たいこう)が止めたんだ。太后はその薬で劉衍の母親である雲妃(うんひ)を殺害した。 さらに、その罪を慕灼華の祖父になすりつけ、一家を破滅に追いやった。
ちょうどその時、意識を取り戻した薛笑棠(せつしょうどう)が劉衍の顔を見て彼だと認識した。劉衍が5年前の拒馬河(きょばがわ)の戦いの真相を尋ねると、薛笑棠はすべてを白状した。 太后に密かに呼び出され、劉衍を都に帰すなと脅されたこと。 袁成明(えんせいめい)の家族を人質に取られ、劉衍の軍事配置図を渡すしかなかったこと。 すべてを知った劉衍は、慕灼華と薛笑棠を連れて宮殿へ向かう決意を固めた。
宮殿での直接対決
宮殿で、太后は劉衍に昔の話をした。自分が幼い彼をどれだけ可愛がり、育ててきたか。彼への深い情を語ってみせた。そして、今回の宴は都を離れる劉衍のための送別会だと告げる。遠回しに都から出ていけ、というわけだ。
劉衍は太后の思惑に真っ向から切り込んだ。しかし太后は、過去の悪事について何も知らないという態度を崩さない。その頃、宮殿の外では劉皎が劉俱(りゅうきょ)と話していた。公主は、劉衍に太后の世話を任せてはどうかと提案する。その言葉は、劉俱(りゅうきょ)の心を動かしたようだった。
感想
いやー、今回はマジで情報量が多かったな。甘いシーンとシリアスな真相解明がごちゃ混ぜで、感情が追いつかないぜ。劉衍が慕灼華に祖父の屋敷をプレゼントするくだり、あれはグッときた。君をどう扱うかは君の自由なんてセリフ、普通言えないだろ。 それに対する慕灼華のじゃああなたも?っていう切り返しも最高だ。この二人の関係、本当に面白い。
そして、ついに全てのピースがはまった感じがする。換陽散、拒馬河(きょばがわ)の戦い、慕灼華の一家の悲劇。 全部の元凶が太后だったとは。薛笑棠が目覚めて真相を語るシーンは、見ていてスッキリしたな。 これでやっと太后との直接対決が始まるわけだ。劉衍がどんな手で太后を追い詰めていくのか、見ものだよな。劉皎の最後の動きも不気味で、まだまだ一波乱ありそうだ。
つづく