ネタバレとあらすじ

柔嘉(じゅうか)の黒い微笑み

いやー、今回も劉皎(りゅうきょう)が絶好調に暗躍してたね。まず太后(たいこう)を見舞うふりをして、宦官から情報をゲット。劉衍(りゅうえん)と皇帝・劉琛(りゅうしん)がケンカしたって話を聞いて、ニヤリって感じよ。劉衍(りゅうえん)もやりすぎね、皇帝のメンツを潰すなんてとか心の中で思ってるのが見え見え。

その足で、今度は沈驚鴻(しんきょうこう)のところへ行くんだ。沈驚鴻(しんきょうこう)は、柔嘉(じゅうか)が慕灼華(ぼしゃくか)を利用した一件から、彼女を避けてる。一人で酒を飲んで、碁を打って、完全に心を閉ざしてるわけ。柔嘉はなんで私を避けるの?まさか慕灼華(ぼしゃくか)の方が大事だって言うの?って詰め寄る。沈驚鴻は冷静に返す。帝位のためなら何でもするのかと。彼はもう彼女の駒にはならない。そうはっきり拒絶した。

でも柔嘉は諦めない。あなたもいつか私の正しさがわかるわと言い残す。彼女はもう次の手を打ってたんだ。朝廷の大臣たちに贈り物を渡す。中身は書状。これを朝議で突きつければ、君たちの出世を阻む邪魔者はいなくなる。そうやって、じわじわと劉衍を追い詰めるための包囲網を完成させてた。

束の間の平穏と不吉な予感

その頃、劉衍は体調を崩して咳き込んでた。劉琛(りゅうしん)と口論したのが響いたんだろうね。慕灼華は彼の体を心配する。今の陛下は昔とは違う。プレッシャーも大きいから、もう少し話し方を変えてみたら?って優しく諭すんだ。こういうところが慕灼華の賢さだよな。

劉衍はふと、慕灼華に問いかける。もし俺がいなくなったら、君はどうする?重い質問だよね。慕灼華はあえて冗談っぽく答える。若くてイケメンを連れて、毎日あなたのお墓の前をうろついてやるわって。彼女なりの強がりと愛情表現なんだろう。劉衍は俺がいなくても、君はしっかり生きてくれと伝える。この会話、もう完全にフラグにしか聞こえない。

仕組まれた弾劾、崩れる兄弟の絆

そして運命の朝議。柔嘉が仕掛けた罠が一気に発動する。大臣たちが次から次へと立ち上がって、劉衍を告発し始めた。無実の人間を殺した!兵権を乱用した!罪状が嵐のように吹き荒れる。

とどめを刺したのは周大人(しゅうたいじん)だった。彼は先帝が亡くなった日の宮中の記録を突きつける。あの日、劉衍は兵を率いて宮中に入り、記録を改ざんした!これには皇帝・劉琛も言葉を失う。尊敬していた兄への信頼が、疑惑と怒りに変わった瞬間だった。劉琛は激怒し、禁衛軍に命じる。議政王・劉衍を捕らえ、天牢へ投獄せよ!

慕灼華は必死に劉衍を弁護する。でも、積み上げられた証拠の前では無力だった。劉衍は静かに運命を受け入れる。屋敷に踏み込んできた禁衛軍に対し、部下の執剣(しゅうけん)に動くなと命じて、自ら連行されていった。慕灼華が王府に駆けつけた時には、もう遅かった。彼女は残された二人に軽率に動かないで。今は彼の無実を証明するのが先決よと強く言う。パニックにならず、冷静に次の一手を考える。さすがだよね。

絶望の淵で

柔嘉は皇姑祖(こうぐそ)である大長公主の元を訪れる。南宸(なんしん)の世は変わりますと、まるで勝利宣言だ。大長公主は今ならまだ間に合うと彼女を諭す。でも柔嘉の耳には届かない。彼女は誅邪剣を渡すように要求する。これは皇室の正義を象徴する剣だ。大長公主が拒否しても、柔嘉は揺るがない。あの剣がなくても、私は帝王の道を進むと。彼女の野心はもう誰にも止められない。

一方、天牢の劉衍は完全に孤立していた。劉琛は一応、弁明の機会を与えようと使者を送る。でも劉衍は陛下がもう信じているのなら、私が何を言っても無駄だろうと答えるだけ。その言葉が、劉琛の怒りにさらに油を注ぐ。兄上は朕を完全に見下している!と。

慕灼華は諦めない。劉琛に直接会って、すべては柔嘉の陰謀だと訴える。でも劉琛は聞く耳を持たない。皇姉を侮辱するとは何事だ!証拠はあるのか!と一喝される。証拠がない慕灼華は、何も言い返せなかった。

王の器

打つ手を失った慕灼華は、一つの可能性に賭ける。大長公主が持つ誅邪剣だけが、劉衍を救うかもしれない。でも、肝心の大長公主は不在。万事休すかと思われた。

その間にも、事態は最悪の方向へ転がっていく。劉衍が投獄されたと知った彼の配下の兵たちが、主君を救うために都へ進軍を始めたんだ。謀反だ!と騒ぐ大臣たち。劉琛はパニックに陥る。

その時、沈驚鴻が冷静に進言する。兵たちを鎮められるのは、劉衍様だけです劉琛はその提案を受け入れる。

天牢から出された劉衍は、城壁の上から兵たちに語りかける。お前たちの役目は、民を守り、この南宸(なんしん)を守ることだもし、まだ俺を主と認めるなら、俺の代わりに南宸を守ってくれ私怨より国を優先する。自分の命が懸かっているこの状況でさえ、彼の信念は揺るがない。これが本物の王の器なんだと、見せつけられた回だった。

感想

今回のエピソードは、とにかく柔嘉の計画の緻密さと冷酷さが際立ってたね。彼女が何ヶ月も、いや何年もかけて準備してきたであろう罠が、完璧に機能していく様子は見ていて鳥肌が立ったよ。劉衍という絶対的な存在を追い詰めるために、彼女は皇帝である劉琛の心の隙を的確に突いた。兄への劣等感、皇帝としての焦り。そういう人間の弱さを利用するのが本当にうまい。

一方で、劉琛の未熟さも浮き彫りになった。尊敬する兄を信じたい気持ちと、次々と出てくる証拠との間で、彼の心は簡単に壊れてしまった。周りの大臣たちに煽られて、冷静な判断力を失っていく姿は痛々しかったな。慕灼華の必死の訴えさえ届かない。この無力感と絶望感が、ドラマ全体を重く支配してた。

でも、最後の最後で劉衍が見せた王としての器の大きさには、本当に心を打たれたよ。自分の命が危険に晒されているのに、暴走する部下たちを叱責し、国の安寧を第一に考えた。天牢に入れられても、彼の魂は少しも穢れていなかった。柔嘉が権力という形に執着するのとは対照的に、劉衍は王としての在り方そのものなんだ。この対比が、この物語の核心を突いている気がする。

つづく