あらすじとネタバレ

天牢での対決

ついに、劉皎(りゅうきょう)が動いた。彼女は天牢にいる劉衍(りゅうえん)の前に、嘲笑を浮かべて現れる。 ずいぶんみじめな姿ね。その言葉に、劉衍(りゅうえん)はすべてを察した。こいつはもう、本性を隠す気がない。

柔嘉(じゅうか)は毒の入った酒を突きつける。 でも劉衍は、少しだけ話がしたいと頼んだ。拒馬河(きょばがわ)の戦いで情報を漏らしたのがお前かと問うと、柔嘉(じゅうか)はあっさり認める。 まさか劉衍が生き延びるとは思っていなかったらしい。 皮肉にも、生き残った劉衍が太皇太后(たいこう)を倒す力になった。

柔嘉は言う。同じ苦しみを味わってもいないくせに、簡単に優しさなんて説かないで。劉衍は言い返す。俺の苦しみが誰かに劣るとでも? お前は自分の欲望を正当化してるだけだ。そう、柔嘉が欲しかったのは復讐じゃない。南宸(なんしん)の玉座、つまり権力そのものだったんだ。

絶望の雨

柔嘉が慕灼華(ぼしゃくか)の名前を口にした瞬間、劉衍は激しく怒る。その頃、慕灼華(ぼしゃくか)は劉衍を救うために必死だった。大長公主のもとへ駆けつけ、助けを求める。 大長公主は床の杖を指さした。そこに隠されていたのは、伝説の誅邪剣。 慕灼華は剣を手に、大理寺へと走る。

でも、間に合わなかった。雨の中、白い布をかけられた劉衍が横たわっている。 慕灼華は彼の体にすがりつき、泣き崩れた。 その光景を、柔嘉が冷ややかに見下ろす。誅邪剣を手に入れても、もう遅い。私の勝ちよ。 彼女の勝利宣言が、雨音に混じって響き渡る。そこへ沈驚鴻(しんきょうこう)が現れ、柔嘉をただ静かに、だが重く睨みつけて去っていった。

偽りの死、そして夢

劉衍の死の知らせは、多くの人の運命を狂わせる。皇帝・劉琛(りゅうしん)は、劉衍を罪人として埋葬するよう冷たく命じた。孫紜紜(そんうんうん)は正気を失い、花嫁衣装のまま街をさまよう。 そして慕灼華は、三日間、深い眠りに落ちた。

目覚めた彼女に、執剣(しゅうけん)が告げる。殿下は三日前に埋葬されました。この無念は、必ず晴らします。悲しみに暮れる慕灼華は、数日の休みをもらい、劉衍の屋敷を訪れる。思い出の品々を眺めていると、一冊の本から玉佩が見つかった。その意味を悟った彼女は、ある密林へ向かう。

そこに、劉衍がいた。怖いものなどないと言っていなかったか? 俺がいなくても平気だと。慕灼華は答える。自分の強さを、買いかぶっていたみたい。でも、それは夢だった。

反撃の狼煙

夢から覚めた慕灼華の目に、もう迷いはない。彼女はすぐに都へ戻る準備を始める。執剣(しゅうけん)が、劉皎(りゅうきょう)と繋がる全ての貴族のリストを差し出した。計画は決まった。真実をすべて明らかにし、劉衍の名誉を取り戻す。劉琛(りゅうしん)の支配を根底から覆し、退位させる。そうすれば、皇位を狙う柔嘉の本当の目的が暴かれる。 慕灼華の反撃が、今、始まろうとしていた。

感想

いやー、今回の38話は心臓に悪かった。本当にキツい回だったよ。劉衍が白い布をかけられて横たわっているシーンは、息が止まるかと思った。慕灼華が泣き叫ぶ姿には、こっちまで胸が張り裂けそうになった。柔嘉のあの勝ち誇った顔、本当に腹が立つ。ここまで徹底した悪役っぷりは、ある意味見事としか言えないよな。

でも、このドラマはただじゃ終わらない。劉衍が罪人として埋葬され、孫紜紜(そんうんうん)が狂乱し、絶望のどん底に突き落とされたかと思いきや、慕灼華の夢のシーンでえ、生きてる?って一気に引き戻された。この感情の揺さぶり方がすごい。

そして最後の慕灼華の覚醒。悲しみを乗り越えて、怒りを力に変えて立ち上がる姿は最高にかっこいい。彼女の瞳にはもう涙はない。あるのは、愛する人のために戦うという固い決意だけ。ここからの大逆転劇を思うと、もうワクワクが止まらない。これで終わるわけがないもんな。次が本当に楽しみだ。

つづく