『灼灼風流』第39話 ネタバレ:狂気の幕開け

盗まれた玉璽と柔嘉(じゅうか)の野心

慕灼華(ぼしゃくか)はすぐに行動を起こした。執剣(しゅうけん)を軍の駐屯地へ向かわせる。執墨(しゅうぼく)には劉皎(りゅうきょう)の監視を命じた。その頃、沈驚鴻(しんきょうこう)はとんでもないものを手に入れていた。奴才に盗ませた伝国璽、つまり玉璽だ。彼はそれを柔嘉(じゅうか)に渡す。柔嘉はうっとりと玉璽を眺め、沈驚鴻(しんきょうこう)の顔に触れて感謝を伝えた。

柔嘉は真っ赤な衣装を身にまとっていた。沈驚鴻は彼女に言う。君が龍袍をまとう姿が見たい。そこへ周大人(しゅうたいじん)がやってくる。彼は柔嘉のもとに沈驚鴻がいるのを見て驚く。科挙の首席である沈驚鴻が、なぜ童謡などを作って世を乱すのかと非難した。沈驚鴻はあなたにはここへ入る資格すらないのでは?と冷たく言い返す。

周大人(しゅうたいじん)は怒りをあらわにする。彼は柔嘉に尋ねた。劉衍(りゅうえん)は死んだ。いつ事を起こすのかと。柔嘉は答える。最後の火種が足りないだけ。今夜、その火は燃え上がる。彼女は沈驚鴻をなだめる。周大人もただの駒に過ぎない。自分が即位すれば、腐敗した世家を一掃して国を正すのだと。

柔嘉、耶沐蓁(やぼくしん)を手に掛ける

柔嘉は北涼(ほくりょう)の王女、耶沐蓁(やぼくしん)の屋敷を訪れた。完全に勝利宣言をしに来た態度だ。耶沐蓁は負けていない。あまり得意にならない方がいい。沈驚鴻の心が本当にあなたのものかは分からない。そう言い返した。柔嘉は以前贈った南珠の首飾りを持ち出す。なぜ着けないのかと。

耶沐蓁は吐き捨てるように言った。あなたの偽善には気づいていた。そんなもので私の首を汚したくない。その言葉が柔嘉の最後の理性を断ち切った。彼女は激怒し、その南珠の首飾りで耶沐蓁を絞め殺してしまう。

その一部始終を、沈驚鴻が見ていた。柔嘉は彼に問う。心が痛んだ?。沈驚鴻の答えは信じられないものだった。これほど良い南珠がもったいない。柔嘉は首を絞めて赤くなった自分の手を見せる。沈驚鴻は静かに言った。これからの痛みは、すべて俺が代わりに受けよう。

追い詰められる皇帝・劉琛(りゅうしん)

朝議は大混乱に陥っていた。護城河から耶沐蓁の遺体が見つかったと報告が入る。皇帝・劉琛(りゅうしん)は激怒し、犯人捜しを命じた。悪い知らせは続く。耶沐蓁の兄が、妹の復讐を口実に国境まで攻め込んできた。劉琛は兵部尚書の周大人を無能だと激しく叱責する。

慕灼華(ぼしゃくか)は、信頼できる重臣を軍の駐屯地に派遣し、兵士たちを落ち着かせるべきだと進言する。劉琛にはもう誰を頼ればいいのか分からなかった。その時、新たな報告が届く。宮殿の門前に大勢の寒門学士たちが集結していた。玉璽が失われた!国は滅びる!と叫んでいる。

周大人たちは劉琛に玉璽を示し、民衆を黙らせるよう迫った。劉琛が側近に玉璽を持ってくるよう命じる。側近はひざまずき、許しを請うた。玉璽はすでに盗まれていた。劉琛はここで初めて事実を知る。沈驚鴻の視線を受けた周大人が、ついに口火を切った。陛下、どうか位を譲ってください。慕灼華は彼を睨みつける。国難に際して君主を退位させようとは。本気で謀反を起こすつもりか。

玉座への道、そして英雄の帰還

その時だった。大殿に一人の女性がゆっくりと入ってくる。豪華な衣装をまとい、左手には玉璽、右手には剣を携えていた。劉皎(りゅうきょう)だ。彼女は言った。私も劉氏の正統な血筋です。劉琛は姉の姿を信じられない思いで見つめる。

柔嘉は慕灼華に語りかける。あなたの才能は評価している。今、過ちを認めるならまだ間に合う。劉琛はまだ信じたくない。姉上、北涼(ほくりょう)と手を組んだというのは嘘ですよね?。柔嘉は答えなかった。代わりに、持っていた剣を劉琛の足元に投げつける。退位を迫る無言の圧力だった。周大人をはじめ、多くが劉琛に退位を求め、柔嘉を支持する声を上げた。

柔嘉は再び慕灼華を説得しようとする。あなたが必死に支える皇帝は、こんなにも弱く無能だ。俺に忠誠を誓ってはどうか。慕灼華が唇を噛みしめた、その瞬間。馬のいななきと共に、一人の男が大殿に駆け込んできた。死んだはずの定王、劉衍(りゅうえん)だった。周大人はまだ強気だ。大勢は決した!劉衍、お前も愚かな皇帝と共にあの世へ行くがいい!。

第39話の感想:柔嘉の暴走が止まらない!

いや、もう今回の柔嘉はヤバすぎたね。完全にタガが外れてしまった。耶沐蓁を殺すシーンは、正直ちょっと引いたよ。あの南珠のネックレスで手をかけるなんて、彼女の狂気が一気に頂点に達した感じ。沈驚鴻の良い南珠がもったいないっていうセリフも怖すぎる。彼の本心がどこにあるのか、ますます分からなくなった。彼はただ柔嘉の願いを叶えたいだけなのか、それとももっと大きな何かを企んでいるのか。

一方で、どんどん追い詰められる劉琛が本当にかわいそうだった。慕灼華が一人で必死に国を守ろうと踏ん張る姿が、余計に彼の無力さを際立たせていたね。朝議のシーンは、もう絶望しかなかった。でも、最後の最後で劉衍が登場した瞬間!あれは鳥肌が立った。待ってました!ってテレビの前で叫んじゃったよ。絶望のどん底から一気に希望の光が見えた。ここからの大逆転劇に期待するしかない。

つづく