あらすじ

18歳になった軽煙(けいえん)は妖と人間の愛に触れ、善悪の境界への疑問を抱き始める。一方、幼い頃に交わした龍炎との約束を胸に抱きながら、大切な香囊を用意する。そんな中、妖である青青(せいせい) との友情が深まり、さらに新たな恋模様が展開される。運命と愛が交差する中、軽煙の胸に秘められた記憶が少しずつ解き明かされていく…

昆侖山で育った小軽煙(しょうけいえん)は18歳になり、幼い頃に別れた尉遅龍炎(りゅうえん)との再会の約束の日が近づいていた。ある日、猫の妖怪とその人間の夫の悲恋を目の当たりにした軽煙は、妖怪である青青と出会い、種族を超えた友情を育む。しかし、師匠の玄陽真人(玄阳真人(げんようしんじん))は軽煙の周りに漂う龍の気を警戒し、彼女の身を案じる。一方、青青は雪阡尋(せつせんじん)への想いを募らせるが、雪阡尋は時折よみがえる過去の青青との記憶の断片に戸惑いを隠せない。それぞれの想いと運命が交錯する中、軽煙の18歳の誕生日が刻一刻と迫っていた。

ネタバレ

さて、物語は尉遅龍炎(りゅうえん)が小軽煙(しょうけいえん)を昆侖山(こんろんさん)へ送ったあの時から、一気に18年後へとジャンプします!龍炎と軽煙(けいえん)が交わした「18歳の誕生日になったら、二人の物語を話す」という約束、覚えてますか?もう、その約束の日が目前に迫っているんですよ~!ドキドキしますよね!

昆侖山に戻った軽煙は、師匠である玄陽真人(玄阳真人(げんようしんじん))から、なかなか落ち着きのない心を静めるために、毎日「清心曲」という笛の曲を吹くよう命じられていました。そして、あっという間に18年の歳月が流れ、軽煙は立派なレディに成長したのです。

大人になった軽煙は、兄弟子たちと一緒に妖怪退治に明け暮れる日々。でもね、彼女は昔から変わらず、とっても優しい心の持ち主なんです。ある日、人間の男性と深く愛し合っている猫の妖怪に出会うんですが、その純粋な愛を目の当たりにして、どうしても討伐する気になれないんですね。でも、悲しいかな、兄弟子たちは容赦なし…。猫の妖怪の夫は、彼女をかばって命を落としてしまいます。絶望した猫の妖怪もまた、夫の後を追うように自ら命を絶ってしまいました。「どうか、私たち二人を一緒に葬ってください…」という、切ない最後の願いを残して…。

その夜、軽煙はどうしてもあの猫の妖怪たちのことが頭から離れず、いてもたってもいられなくなって、一人で森へと向かいます。二人を一緒に埋葬しようとした、まさにその時!なんと、亡くなった猫の妖怪のお姉さんが現れて、復讐だとばかりに軽煙に襲い掛かってくるんです!あわや大ピンチ!…かと思いきや、そこに颯爽と現れて軽煙を助けたのが、なんと青青(せいせい) !彼女、実は妖怪なんですけど、なぜか軽煙のことを守ってくれるんですよね。さらに、亡くなった猫の妖怪も、実は第一世で軽煙に助けられた恩を覚えていて、軽煙を許してくれるんです。うーん、運命って不思議!こうして、軽煙と妖怪の青青(せいせい) の間には、種族を超えた秘密の友情が芽生えるのでした。

青青(せいせい) は軽煙に、お互いを呼び出せる「三喚呪」という呪文を教えます。二人で美味しい桂花糕(けいかこう)っていうお菓子を分け合ったり、女の子同士の秘密の話をしたり…なんだか微笑ましいですよね。そんな二人の姿を、我らが龍炎は、遠くから温か~い眼差しで見守っているのでした。もう、その表情がたまらない!

しかし、平和な時間もつかの間。妖怪を目の敵にしている玄陽真人が、軽煙の周りに漂う龍の気に気づいちゃうんです!師匠の持っている斬龍剣(ざんりゅうけん)までがビンビンに反応しちゃって、龍炎は慌てて姿を隠すハメに。玄陽真人は軽煙に、「お前は特別な命格だから、特に龍の妖怪に狙われやすいんだ!一人でフラフラ出歩くんじゃない!」と、きつーくお説教。前世の記憶を失っている軽煙ですが、「龍」という言葉を聞くと、なぜか胸がキュッと締め付けられるような、切ない気持ちになるのでした…。これって、やっぱり龍炎のこと、心のどこかで覚えてるってことなんでしょうか!?

そして、いよいよ軽煙の18歳の誕生日が近づいてきます。大師姉(だいしし)からお祝いの寿桃(じゅとう)をもらっても、軽煙の頭の中は、龍炎とのあの約束のことでいっぱい!彼女は自分で心を込めて刺繍した香袋(こうぶくろ)を青青に見せて、「これ、龍炎様に渡したいんだけど、どうかな?」なんて相談しちゃったりして。もう、すっかり恋する乙女ですね!そんな軽煙を、青青はニコニコしながら応援するのでした。

一方、青青と雪阡尋(せつせんじん)の関係にも進展が!青青は、自分の大切な羽根を雪阡尋(せつせんじん)への愛の証として贈るんです。きゃー!雪阡尋(せつせんじん)はそれを嬉しそうに受け取るんですが、やっぱり心配なのは青青の修行のこと。「君と永遠に一緒にいたいから、君にも仙人になってほしいんだ」と、真剣な眼差しで伝える雪阡尋。その熱い言葉に、青青は照れてしまって、思わず走り去っちゃうんです。可愛い!そんな彼女の後ろ姿を見つめる雪阡尋の脳裏には、またしても過去の青青との断片的な記憶が…。「俺の記憶の中の青青は、こんな感じじゃなかったような…?」彼の抱える謎も、ますます深まるばかりですね。

『龍王の恋 永遠(とわ)なる誓い』第30話の感想

いやはや、今回の『龍王の恋』も、登場人物たちの心の動きが丁寧に描かれていて、ぐっと引き込まれましたね。18年の歳月を経て、すっかり美しい娘へと成長した小軽煙。彼女の変わらぬ優しさが、種族を超えた青青との友情を育む場面は、見ていて心が温かくなりました。

そして、なんといっても尉遅龍炎(りゅうえん)と軽煙が交わした「18歳の誕生日の約束」。いよいよその時が近づいているかと思うと、二人がどんな形で再会を果たすのか、そして龍炎はどんな物語を語るのか、想像するだけで胸が熱くなります。

一方で、雪阡尋が垣間見る過去の記憶の断片と、青青への真摯な想い。こちらの物語も、彼らの関係が今後どのように進展していくのか、非常に気になるところです。それぞれのキャラクターが抱える想いや過去が複雑に絡み合い、物語に一層の深みを与えているように感じました。彼らがどのような未来を紡いでいくのか、じっくりと見届けたいですね。

つづく