あらすじ
18歳になった軽煙(けいえん)は妖と人間の愛に触れ、善悪の境界への疑問を抱き始める。一方、幼い頃に交わした龍炎(りゅうえん)との約束を胸に抱きながら、大切な香囊を用意する。そんな中、妖である青青(せいせい) との友情が深まり、さらに新たな恋模様が展開される。運命と愛が交差する中、軽煙の胸に秘められた記憶が少しずつ解き明かされていく…。
ネタバレ
ついにドラマのクライマックスが近づいてきた『龍王の恋 永遠なる誓い』。第30話は、軽煙(けいえん)の成長と彼女を取り巻く運命の糸が描かれる重要なエピソードでした。18年という歳月が流れ、幼かった軽煙は、妖を討つ使命を背負った美しい女性へと成長しますが、彼女の心には人間と妖怪の間に流れる感情への疑問が芽生え始めます。そして、彼女の胸に秘められた運命の伏線が少しずつ解き明かされていきます。
軽煙が見た“妖の愛”
軽煙は、昆仑山(こんろんさん)で仲間たちと妖怪を討伐する日々を送っています。しかし、ある猫妖(ねこよう)と人間の夫が真心で愛し合う姿を目撃した軽煙は、妖が悪であるとは限らないのではないかという葛藤を抱きます。仲間たちが猫妖を容赦なく討伐する中、夫は猫妖を庇って命を落とします。怒り狂った猫妖は昆仑山の弟子を傷つけた後、自ら内丹を爆発させ夫と共に死を選びました。彼女の最後の願いは「夫と共に葬られること」。この切ない願いを聞いた軽煙は、夜中にこっそり二人を合葬する決意をします。
猫妖の姉との対峙
軽煙が二人を弔おうとした矢先、猫妖の姉が軽煙に復讐を迫ります。そこへ妖でありながら軽煙を慕う青青(せいせい) が現れ、軽煙を助けます。過去の因縁から猫妖の姉は軽煙を手にかけるのをためらい、結果的に退散します。この出来事をきっかけに、軽煙は青青(せいせい) との友情を深め、妖にも善悪があることを理解していきます。青青は軽煙に“三唤咒(さんかんじゅ)”という呪文を教え、二人の間に秘密の絆が芽生えます。
龍炎との約束
軽煙の18歳の誕生日が近づき、彼女は龍炎(りゅうえん)との約束を思い出します。幼い頃に交わした「18歳になったら二人の物語を話す」という言葉が彼女の胸を高鳴らせます。軽煙は龍炎に贈るための香囊(こうのう)を青青に見せ、彼女からアドバイスを受けます。青青は龍炎が悪い龍妖ではないことを軽煙に伝え、彼女の不安を少し和らげますが、それでも軽煙の胸には漠然とした苦しみが残ります。
青青と雪阡尋(せつせんじん)の愛
一方、青青は彼女が慕う雪阡尋(せつせんじん)(せっせんじん)に自分の翎羽(れいば)を定情信物(ていじょうしんぶつ)として贈ります。雪阡尋(せつせんじん)はその贈り物を喜びつつも、「修行を怠らず仙人になるべきだ」と青青を諭します。彼は青青と千年、万年の時を共に過ごしたいと願っているのです。しかし、青青はその言葉を恥ずかしそうに受け止め、修行の話題を避けて走り去ります。雪阡尋(せつせんじん)の頭には、青青との過去の記憶がよぎり、そこに違和感を抱き始めます。
つづく