あらすじ

顧晏惜(こあんせき)が火災事件の真相を追う中、花家でも混乱が続く。硝石を巡る過去と現在の事件が交錯し、徐々に明らかになる陰謀。そして、花家に持ち込まれる新たな問題が物語をさらに複雑にする。顧晏惜と花芷(かし)の関係、そして火災の背後に隠された真実とは…。

ネタバレ

第17話は、物語が大きく動き出す重要なエピソードでした。火災事件の真相が徐々に明らかになり、登場人物たちの心情や関係性がさらに深まる展開となっています。

顧晏惜(こあんせき)の葛藤と決意

冒頭では、顧晏惜(こあんせき)が花家から盗んだ密信を元通りに返す場面から始まります。彼の行動を怪しむ花芷(かし)は、彼の目的を問いただします。顧晏惜は、自分が七宿司(しちしゅくし)に留まる理由について「恩義を感じる人物のため」だと語りますが、それだけではありませんでした。彼の真の目的は、凌王府の旧事件の真相を探ることにあったのです。

花芷(かし)が「祖父のそばにいた小書童(少年の従者)はいなかった」と語ると、顧晏惜は驚きます。しかし、花芷が幼い頃に事件に巻き込まれていたことに気づき、彼女に当時の記憶を尋ねますが、花芷には覚えがありません。そんな彼女に顧晏惜は感謝を述べ、ふと彼の心には母の死を悼んだあの日の記憶が蘇ります。花芷が傍で共に悲しんでくれた姿に、彼は幼い頃の温かさを思い返すのでした。

花家の混乱と夏金娥(かきんが)の後悔

一方、花芷の家ではトラブルが続出。芍薬(しゃくやく)が沈煥(しんかん)に薬を届けると、彼が悪友たちとつるんでいるのを目撃し、怒り心頭。帰宅すると、家の前には怪我をした労働者たちが詰めかけ、「花芷に賠償を求める」と騒動に発展していました。原因は、夏明(かめい)が帳簿をごまかし、資金を持ち逃げしたことでした。この事態に夏金娥(かきんが)は大いに反省しますが、花芷は彼女を責めることはありません。

さらに、花芷が硝石を使って夏場に冷たい果物を作る試みをしていたところ、工場で作業していた人々が怪我を負い、異常な寒さに見舞われるという出来事が発生。これを聞いた顧晏惜は、凌王府火災の際に漆黒の瓦が白霜で覆われていたことを思い出し、火災の原因が硝石によるものだったと推測します。

火災事件の真相と顧晏惜の決断

顧晏惜は、凌王府火災の真相を追う中で、陳家嬷嬷(ちんけぼぼ)を捕らえ、事件の詳細を尋問します。彼女はついに口を割り、事件当日、王妃に渡した花灯に硝石・木炭・安息香が仕込まれていたことを打ち明けます。さらに、その花灯を渡す際に花芷が誤って現場に紛れ込み、王妃が彼女を助け出すよう指示していたことも判明。

その後、顧晏惜は事件の黒幕である萧氏(しょう し)に辿り着きます。萧氏は、王妃には感謝しているが、王妃の父兄が謀反を企てたことで凌王が窮地に追い込まれることを恐れ、事件を仕組んだことを認めます。しかし、萧氏は顧晏惜たち兄妹にも恩義があるため、彼は彼女を処刑せず、永久に牢に閉じ込めることで決着をつけます。

花家大女・花静(かせい)の登場

エピソードの終盤では、花家の長女・花静が登場。彼女は夫・宋成祖(そうせいそ)のために、林婉(りんわん)に妾を迎えることを頼み込みますが、林婉(りんわん)はこれを断固拒否。花静は怒りを爆発させ、花家が自分の不幸の原因だと非難します。さらに、花芷にも冷たい態度を取るなど、花家内の緊張はますます高まります。

その後、花芷の侍女である拂冬(ふつとう)は、自分を妾に差し出さないよう花芷に懇願。この一連の出来事により、花家の人々の心の中に新たな波紋が広がっていきます。

つづく