あらすじ

家計を助けるため、花芷(かし)は元日に街頭で桃符を売り、沈淇(しんき)の助けもあって成功を収める。その様子を顧晏惜(こあんせき)は静かに見守っていた。花家では束の間の穏やかな除夜を迎えるが、男たちの北方流刑が決定し、家族は別れの準備に追われる。一方、顧晏惜は母の死の真相に繋がる新たな手がかりを発見し、過去に花芷と出会っていたことを思い出す。沈淇は花家の送別に行くことを父に反対され、激しく折檻される。

ネタバレ

お正月だというのに、花家の台所事情は火の車。花芷(かし)は最後の頼みの綱だった首飾りを売り払い、なんと元日に街頭で桃符(桃の木で作った魔除けの札)を売るという大胆な行動に出ます!「名家の令嬢が路上で物売りなんて!」と野次が飛ぶ中、花芷(かし)はどこ吹く風。そんな彼女の前に現れたのが、そう、あの好青年・沈淇(しんき)です!

「素晴らしい書だ!」なんて褒めちぎりながら、さっと銀銭を置いて桃符を買っていく沈淇(しんき)。彼の行動が呼び水になったのか、花芷の達筆な桃符は次々と売れていきます。中には心ない嫌がらせをする輩もいましたが、沈淇(しんき)がピシャリと一喝! 花芷自身は「お金になればいいのよ」とどこまでも現実的ですが、沈淇の「君と友人になりたい」という言葉には、さすがの花芷も笑顔を見せていましたね。この二人、いい感じになりそうな予感…?

そして、そんな一部始終を楼閣の上からじっと見つめていたのが、我らがミステリアスヒーロー、顧晏惜(こあんせき)!部下の陳情(ちんせい)に桃符を買わせるあたり、彼も花芷のことが気になっているのは間違いないでしょう。

その後、花芷は薬屋の場所を尋ねるために顧晏惜(こあんせき)を呼び止めます。なんでも、花家が罪人扱いされてからは、まともに道を教えてくれる人もいないんだとか…切ない。仕方なく七宿司(しちしゅくし)を頼ったわけですね。薬屋への道が同じだったため、顧晏惜(こあんせき)は花芷と道すがら言葉を交わします。馬車の中で仮面を外した顧晏惜は、「婚約がダメになったからって、自暴自棄になって人前に身を晒しているのか?」なんて、ちょっと意地悪な質問を。でも、花芷も負けていません。「一日中仮面をつけているあなたこそ、淑やかで礼儀正しいこと」とチクリ!この二人のピリッとしたやり取りも、なんだかクセになりますよね。顧晏惜への恨みについて聞かれた花芷は、「公私ともに、私たちは命令に従っているだけ。恨むも恨まないもないわ」と、ここでも冷静沈着。強い!

花芷が買い出しから戻り、花家では久しぶりにまともな食事が並びます。でも、流刑になったお祖父様や父上たちのことを思うと、みんな心から楽しめない様子。家族揃っての食事も、今となっては贅沢な願いなんですね…。食後、花芷は呉玉娘(ごぎょくじょう)に、彼女が以前から食べたがっていた煎り梅をそっと差し出します。こういう細やかな気遣いができるのが、花芷の魅力ですよね。拂冬(ふつとう)が作った飴がけのサンザシも美味しそうでした!

そこへ、夏金娥(かきんが)が娘の花霊(かれい)を連れてやってきます。花霊にも桃符売りを手伝わせようとしますが、お嬢様育ちの花霊は人前で物を売るなんて恥ずかしくてたまらない様子。大切にしている絵を売るのも断固拒否! 花芷は「お金を稼ぐ方法はいくらでもあるわ」と優しくフォロー。夏金娥(かきんが)は、かつては算盤を弾いていた経験から商売の厳しさを知っているものの、「結局は下賤な仕事。長くは続かない」と現実的な考えを口にします。

そんな中、沈淇から衝撃的な知らせが。大理寺の審理が終わり、花家の男たちは北の地へ流刑になることが決定。出発前に、十里亭でわずかな時間だけ面会が許されるとのこと。林婉(りんわん)は夏金娥(かきんが)に、男たちのために43着の綿入れを作るよう指示します。そして、道中の酒や肉を買うために、夏金娥はなんと3人の下女を売るという苦渋の決断を…! 拂冬も花芷付きではありますが、身請け証文は夏金娥の手元にあり、いざとなれば容赦しないと釘を刺します。非情なようですが、これも家族を守るための必死の策なのでしょう。

一方、顧晏惜の周りでも不穏な動きが。芍薬(しゃくやく)に「もう医者は来ない」と告げた矢先、屋敷内で騒ぎが。なんと、蕭氏(しょうし)の命令で、亡き王妃に不敬を働いたとされる下女が処罰され、遺体となって運び出されるのを目撃します。不気味な空気が漂いますね…。

庭に佇む顧晏惜は、幼い頃の母との幸せな記憶を思い出します。その時、ふと人影が走り去るのを見つけ、追いかけるとそこには血染めの紙銭が!母の死には何か裏があるのでは…? 顧晏惜は七宿司(しちしゅくし)に命じ、密かに凌王府を探らせます。

夏金娥は、残り少ない蜜柑を呉玉娘に渡そうとしますが、彼女は受け取らず、結局二夫人(にふじん)の手に。大夫人と二夫人(にふじん)は、わずかな銀銭をこっそり服に縫い付け、流刑になる男たちに渡そうと画策します。

顧晏惜の厳しい追及により、母の院で紙銭を燃やし犬の血を撒いた下男・董老丈(とうろうじょう)が重い口を開きます。元宵節の夜、彼は爆竹のような音を聞き、その後王妃の院が炎上。そして、王妃の「助けて!」という叫び声も聞いていたというのです!これは…事件の匂いがプンプンしますね!

そして、衝撃の事実が明らかに。なんと、花芷は幼い頃、父の花屹正(かきつせい)と共に王妃の弔問に訪れており、霊前で顧晏惜と会っていたのです!当時、王府で迷子になった花芷は、王妃の院に迷い込み、王妃に仕える老婆に助けられたと話していました。しかし、顧晏惜の母は常に一人で暮らしており、そばに老婆などいなかったはず…。董老丈の証言と合わせると、これはただ事ではありません。当時の花芷は召使いのような格好をしていたため、顧晏惜も名前までは聞いていなかったようです。

最後に、沈淇が花家の男たちの見送りに行こうとしていることを知った父が大激怒!なんと息子を杖で打ち据え、吐血するまで折檻するとは…!沈淇の身も案じられます。

つづく