あらすじ
沈淇(しんき)が父親に阻まれる一方で、花芷(かし)は自らの手で運命を切り開こうと奮闘します。顧晏惜(こあんせき)との再会を通じて、花芷は新たな可能性を見出し、家族との絆の再確認も果たしました。一方で、彼女の背後には謎めいた人々と事件が絡み合い、波乱の
流刑となる家族を見送るため、花芷は一人で馬車を走らせる。道中、憲王・顧晏恭(こあんきょう)の監視の目に晒されながらも、祖父や叔父との別れを惜しむ。出発間際、顧晏惜が現れ、荷物検査を行う中で騒動が起きるが、花芷の機転で収束するも罰を受けることに。傷ついた花芷を顧晏惜が助け、二人は青崖書院へ。そこで花芷は、叔父が遺した「娘酒」を発見し、晏惜の助けを借りて売却し資金を得る。家に戻った花芷は家族と衝突するが、呉玉梅(ごぎょくばい)の言葉と家族の温かさに触れ、少しずつ前を向こうとする。
予感が漂います。
ネタバレ
さてさて、前回、花家の男たちが流刑になるという衝撃の展開でしたが、今回はその出発の日から物語が始まります。
息子の沈淇(しんき)たちを見送りに行こうとするんだけど、父親に「行くな!」って棒で殴られて気絶させられちゃうの! ひどい! 親なのに! 花芷(かし)たちは待てど暮らせど沈淇(しんき)が現れず、仕方なく花芷が自ら馬車を引いて十里亭へ向かうことに。健気すぎるでしょ、花芷…。おじい様の手の傷を見て、涙をこらえながら「おじい様、私、一度も泣いてませんよ」って笑顔を見せるシーンは、もう涙腺崩壊でした。
そんな一行を遠くから見つめる怪しい影…そう、憲王・顧晏恭(こあんきょう)! 「花芷は花屹正(かきつせい)より面白い」なんて不敵な笑みを浮かべてるあたり、今後の波乱を予感させますよね。
そして、いよいよ出発の時。男たちは再び足かせをはめられ、花芷は四叔父の花平陽(かへいよう)から「青崖書院の裏山にある大槐樹は、お前が生まれた時に植えたものだ。時々、水をやったり土を耕したりしてやってくれ」と意味深な言葉を託されます。これ、絶対何かあるやつ!
そこへ颯爽と馬で現れたのが、我らが顧晏惜(こあんせき)様! いきなり花屹正に「昔、王府に来た時に一緒にいた子供は?」なんて尋ねるもんだから、花屹正も警戒して本当のことを言わないの。晏惜の真意が気になりますよね。
憲王は晏惜が邪魔しに来たと思ってピリピリムード。でも晏惜は「決まりですから」と、流刑になる人たちの荷物検査を部下の陳情(ちんせい)に命じます。陳情、大理寺のやり方が気に入らないみたいで、めちゃくちゃ念入りに検査するんですよ。そしたら案の定、服に縫い付けられた銀子が見つかっちゃった!
七宿司(しちしゅくし)に面目を潰された憲王は激おこ! 花芷はとっさに「私が持ってきた綿入れです!」と庇い、そのせいで大理寺で杖刑10回の罰を受けることに…。もう、花芷ばっかり大変な目に遭って、見てるこっちが辛い!
男たちを見送った後、晏惜は一人去っていきます。そして、傷だらけで大理寺から出てきた花芷の前に、雨の中、再び晏惜が現れるんです! しかも今回は仮面なし! 花芷は、以前、銅細工の店先で自分を助けてくれた人だと気づくんですね。運命の再会ってやつですか!?
晏惜は花芷を医者に連れて行き、手当てを受けさせます。優しい…! その後、二人は花芷の四叔父に言われた青崖書院へ。花芷は自分の今の苦しい状況を遠回しに語り、晏惜は多くを詮索せず、銅銭を渡して「これで占ってみろ」と。
そして、あの大槐樹の下を掘ってみると…なんと、18甕もの「娘酒(じょうしゅ)」が! これは花平陽が花芷のために用意した嫁入り道具だったんですね。泣ける…。
晏惜の手助けもあって、花芷はそのうちの17甕を売り、170貫もの大金を手に入れます。残りの1甕は感謝の印として晏惜にプレゼント。帰り道、疲れ果てた花芷は晏惜の肩にもたれかかって眠ってしまうんだけど、このシーンがまた美しいのよ…。家には女子供しかいないから、お酒を掘り出すのも売るのも晏惜に頼らざるを得なかった、と花芷は説明します。
晏惜は「若い頃、一番大切な人…母を疎遠にしてしまったことが一番の後悔だ」とぽつり。そして花芷に「姓は晏、名は惜だ」と名乗ります。ついに名前が…!
家に帰った花芷は、母と二番目の叔母に詰め寄ります。母親はいつものようにオロオロするばかりで、二番目の叔母は反省の色なし。三番目の叔母まで花芷を責め始めて、花芷はもう心が折れそうに…。
でも、呉玉梅(ごぎょくばい)が花芷を慰めます。「あなたは家にとってどうでもいい存在なんかじゃない。あなたを探すために、みんな必死だった。体面もお金も、あなたほど大事なものはない。家は理屈を言う場所じゃないのよ」と。この言葉、深かったなぁ。
呉玉梅の言葉で少し元気を取り戻した花芷が部屋に戻ると、家族が布団を敷いて待っていてくれました。みんなの優しさに触れて、花芷の心も少し温かくなったみたいで、ホッとしました。
つづく