あらすじ

家族の愛に触れ、花芷(かし)は花家の家長となることを決意。流刑となった家族を救うため、莫大な資金が必要だと知るが、決して諦めない。沈家との婚約を円満に解消し、新たな一歩として紅果の販売を計画。下女たちの身分証書を買い取り解放することで、彼女たちの信頼と協力を得る。一方、顧晏惜(こあんせき)は過去の出来事の手がかりを探し続け、夏金娥(かきんが)は花芷の台頭を面白く思わず、新たな企みを巡らせる。

ネタバレ

いやはや、花芷(かし)の頑張りには頭が下がる一方の『惜花芷(かし)~星が照らす道~』。第8話は、彼女の覚悟と、それに呼応するように少しずつ変わり始める花(か)家の様子が描かれて、胸が熱くなりましたね!

眠りについた花芷(かし)を心配する家族の姿には、思わずジーンときちゃいました。おばあ様である林婉(りんわん)は、残り少ない貴重な養容丸を花芷に届けさせ、母親の朱盈貞(朱盈贞(しゅえいてい))はそっと肩に羽織をかけてあげる。昼間はツンケンしていた二夫人(にふじん)の斉蕙蘭(さいけいらん)でさえ、息子の残り少ない飴玉を花芷の枕元に置くんですよ。もう、みんな不器用なんだから!

朝、枕元のたくさんの贈り物に気づいた花芷。普段は厳しく、時には理不尽に当たることもある家族だけど、心の奥底ではちゃんと花芷を想っているんですよね。顧晏惜(こあんせき)の言う通り、「近しい人ほど、心の隔たりは紙一重。その紙が破れて初めて、互いの本心が見える」ってやつでしょうか。

この家族の愛に触れて、花芷はついに決意を固めます。林婉(りんわん)に「私が家長となり、家を取り仕切りたい」と宣言!そして、衝撃の事実を告げるんです。なんと、流刑になった花家の男たち43人を救い出すには、二千一百五十万銭という天文学的な金額が必要だと!屋敷や土地を全部売っても足りない額に、みん な唖然…そりゃそうですよね。でも、花芷は諦めません。「やると決めたからには、必ずやり遂げる」その強い眼差し、惚れてまうやろー!

相変わらず夏金娥(かきんが)は「夢物語だ」なんて言ってますが、花芷は懐からお金を取り出し、抱夏(ほうか)に今月の食費と下女たちの給金を渡し、「これからは奥様やお嬢様方にも月々お渡しします」とキッパリ。そして林婉(りんわん)には「まずは三ヶ月、私に家長を任せてください。もし上手くいかなければ、帳簿は夏金娥(かきんが)にお返しします」と。この潔さ、さすが花芷!

さて、懸案だった沈(しん)家との縁談。花芷の意思を確認した林婉は、花芷を連れて沈家へ向かいます。沈家の当主は、花家が泣きついてくると思って逃げ腰でしたが、まさか向こうから縁談破棄を申し出てくるとは!しかも、結納の品まで借用書にして返すという徹底ぶり。これには沈家のおばあ様もビックリ。

知らせを聞いた沈淇(しんき)が足を引きずりながら追いかけてきますが、花芷は彼に「あなたは素晴らしい人。縁談はなくなっても、私たちは友達よ」と告げます。うーん、切ないけど、これが花芷の誠意なんですよね。この一件、ちゃっかり陳情(ちんせい)から顧晏惜(こあんせき)の耳にも入っていて、しかも陳情ったら、花芷が持っていた祝い酒まで七宿司(しちしゅくし)に持ち帰っちゃうおまけつき(笑)。

花芷は、呉玉娘(ごぎょくじょう)に酒代の半分を渡し、「私はやりたいことをやり、守りたい人を守るだけ。いつか必ず、誰にも頼らず、自分の力で本当の自由を手に入れてみせる」と語ります。その第一歩が、なんと拂冬(ふつとう)が作っていた紅果(サンザシ)!

早速、花芷は下女たちに紅果の収穫、洗浄、種取り、飴炊きと、流れ作業を指示します。でも、慣れない力仕事に下女たちは不満タラタラ。出来上がった紅果も、酸っぱかったり甘すぎたりと品質はバラバラ。おまけに夏金娥(かきんが)が下女たちを自分の仕事に引き抜いちゃったりして、花芷自ら作業に加わらざるを得ない状況に。前途多難ですねぇ。

一方、顧晏惜(こあんせき)は陳情に命じて、花家の本家・分家を問わず、自分に話しかけてきた幼い使用人を探させていましたが、依然として手がかりなし。そんな中、馬で紅果畑を通りかかった顧晏惜は、偶然にも紅果を摘む花芷の姿を見かけます。花芷は、自分が家長として奮闘している現状を顧晏惜に打ち明けます。そこへ林の管理人である林(りん)おばあさんがやって来て、花芷は彼女にお菓子とお金を渡し、ちゃんと食事をとるよう気遣うのでした。顧晏惜は花家の男性使用人について尋ねますが、一人も残っていないと知り、少しがっかりした様子。何かを探しているんでしょうか…?

下女たちが紅果の作業をしていると、三夫人(夏金娥のことですね)が「仕事があるから来い」と呼びに来ます。彼女たちの身分証書は三夫人が握っているので、逆らえません。これを知った花芷は、林婉に食事を運びつつ、下女たちの身分証書を譲ってほしいと頼み込み、林婉はこれを快諾。

そして、花芷は皆を集め、夏金娥から受け取った身分証書を…なんと、下女たち一人ひとりに返してしまうんです!「あなたたちに自由をあげる」と。これにはビックリ!

自由の身となった覓秋(べきしゅう)は花芷に別れを告げます。迎春(げいしゅん)が花芷の計画を尋ねると、花芷は「紅果の販売から始めて、商売を大きくし、祖父たちを必ず取り戻す」と力強く宣言。身分証書の束縛から解放された下女たちは、俄然やる気アップ!作る紅果も格段に美味しくなったようです。これを見た夏金娥、なにやら企んでいる様子で、夜中に布団を抱えて林婉の部屋へ…。一体何を考えてるんでしょうか?波乱の予感がしますね!

つづく