嵐で航路を絶たれた狄仁傑(てき じんけつ)たちの船は、大海原で孤立してしまう。さらに、何者かによる妨害工作で船は損傷し、船内には疑心暗鬼が広がる。食料も限られる極限状況の中、狄仁傑は黄金密輸事件の真相を追うが、同時に乗員の中に潜む危険な内通者を探し出さなければならなかった。閉ざされた船上で、見えざる敵との緊迫した心理戦が始まる。

「大唐狄公案 神探、王朝の謎を斬る」あらすじネタバレ10話

いやー、今回の『大唐狄公案』第10話、息つく暇もないとはまさにこのこと! 嵐の海に放り出された船団、もうオープニングから絶望感MAXでしたね。ただでさえ荒れ狂う海で進むのもやっとなのに、追い打ちをかけるように何者かが船のマストや舵を破壊! これ、もう完全に事件じゃないですか…。

船団は散り散りになり、狄仁傑(てき じんけつ)たちの乗る船は完全に孤立無援状態。食料はまだあるのが不幸中の幸いですが、いつ助けが来るかもわからないなんて、考えただけで気が滅入ります。そんな極限状況でも、我らが狄仁傑(てき じんけつ)は冷静沈着。万が一の事態に備え、事件の真相を記した手紙を鳩に託し、部下の洪亮(こうりょう)(こうりょう)(こうりょう)(こうりょう)(こうりょう)に送るんです。「もし俺に何かあったら、これを朝廷に届けろ」って…もう覚悟が違いすぎます!

船内に渦巻く疑心暗鬼と非道な尋問

そんな中、船内では早速トラブルが発生。官兵に絡まれていた玉素(ぎょくそ)を、喬泰(きょうたい)(きょうたい)(きょうたい)が颯爽と助け出すシーン、見ました!? まさに英雄救美! この一部始終を見ていた馬栄(ば・えい)のニヤリ顔、最高でしたね(笑)。喬泰(きょうたい)(きょうたい)と玉素、この二人にも何か進展があるのか、ちょっと期待しちゃいます。

一方、狄仁傑(てき じんけつ)は侯愈(こう・ゆう)との会話で、ある重大な可能性に気づきます。殺された王立徳は星を読むのが得意だったはずなのに、彼らが持っている航海図には何の書き込みもない。「これ、偽物なんじゃないか?」と。さすがの洞察力です。

しかし、そんな推理を巡らせる間もなく、宦官の劉中使(りゅうちゅうし)が「内通者を探し出す!」と船内の人間を全員集めて尋問を開始。これがもう、本当に胸糞悪い展開で…。金桑(きん そう)の余計な一言で、玉素が黄金のありかを知っているのではと疑われ、劉中使(りゅうちゅうし)による残忍な拷問が始まってしまいます。あのシーンは見ていて辛かった…。曹安(そう あん)が思わず目を背けるのも無理ありません。

狄仁傑はなんとか玉素を助けようと説得しますが、彼女が知っていたのは「王立徳がいつか私を身請けしに戻ってくると約束してくれた」ということだけ。結局、有力な情報は得られず、玉素は連行されてしまいます。この時の、狄仁傑が曹安(そう あん)に「落ち着け」と目配せするシーン、二人の信頼関係が見えてグッときました。

新たな犠牲者、そして明かされる内通者の正体!

狄仁傑の追及は止まりません。次に彼が目をつけたのは易司事(えきしじ)。王立徳が失踪した日、易司事(えきしじ)がこっそり船を出していた事実を突きつけます。あまりの偶然に、易司事の弁明も白々しく聞こえるばかり。これはもう詰んだか…!?と思った矢先、海に濃い霧が立ち込め、事態は一時中断。

そして霧が晴れた時、一同が目にしたのは…マストに吊るされた易司事の死体!

ええええ!?ここで死んじゃうの!? これで船内のパニックは頂点に。内通者はまだこの船の中にいる…!誰もが疑心暗鬼に陥る中、劉中使は「次はお前の大切な曹安(そう あん)を尋問してやろうか?」と狄仁傑を脅迫。もうやりたい放題です。

その裏で、喬泰はこっそり玉素の元を訪れ、薬を塗り水を飲ませて介抱します。外で見張りをする馬栄(ば・えい)とのコンビネーションもバッチリ。この二人の友情、本当にいいですよね。

夜になり、狄仁傑は顧孟彬(こもうひん)が牽星板(けんせいばん)で星を観測しているのを見て、再び閃きます。この船、ただ流されているんじゃない。王立徳の航路と全く同じコースを、海流に乗って進んでいるんだ、と!

その時、船倉から悲鳴が! なんと、百済(くだら)の秘密が漏れることを恐れた白愷(はくがい)が、玉素を殺そうとしていたのです! しかし、間一髪で喬泰と馬栄(ば・えい)が阻止! 甲板に追い詰められた白愷は、ついに自らの正体を明かします。彼は百済の虎賁(こほん)軍に所属する軍人だったのです!

しかし、黒幕の存在を匂わせながらも、白愷はそれ以上何も語らず、海へ身を投げてしまいました…。

深まる謎と、新たな火種

白愷の自白と死によって、黄金を使い大唐の軍需品を密輸していたという事件の輪郭は見えてきました。しかし、彼の背後にいた朝廷の大物、つまり真の黒幕は誰なのか? 謎はさらに深まります。

狄仁傑たちの取りなしで、玉素は無事に曹安のいる部屋で休むことができるようになりました。そこで玉素は、曹安と狄仁傑の間に流れる特別な空気に気づき、少しずつ心を開き始めます。

一方で、狄仁傑は侯愈(こう・ゆう)が潮汐や星象に詳しすぎることに、かすかな違和感を覚えていました。そしてラスト、とんでもない動きが! あの腹黒い商人の顧孟彬が、劉中使に賄賂を渡し、「狄仁傑こそが王立徳と結託している黒幕ではないか」と吹き込んでいたのです! それを真に受けた劉中使の顔…。これはマズイ! 狄仁傑、最大のピンチ到来の予感です!

いやー、今回も情報量がすごかったですね! 一つの謎が解けたかと思えば、さらに大きな謎と陰謀が顔を出す。そして味方だと思っていた人物にも疑惑の目が…。果たして狄仁傑はこの絶体絶命の状況をどう切り抜けるのか!?

『大唐狄公案 神探、王朝の謎を斬る』第10話の感想

第10話は、嵐の海に孤立した船という閉鎖空間で見事なサスペンスが描かれた。黄金探しから始まり、百済との密輸、そして船内の裏切り者探しへと、物語は次々と様相を変えていく。容疑者が次々と命を落とす緊迫した展開の中、ついに内通者の一人が正体を現したが、それもまた大きな謎の序章に過ぎなかった。狄仁傑自身に疑惑の目が向けられるという衝撃的な結末には、思わず息をのんだ。真の黒幕は誰なのか、そして狄仁傑はこの窮地をどう脱するのか、物語の核心に迫る重要な回だった。

つづく