新たな任地・蘭坊は、複数の勢力が争う無法地帯だった。県庁も焼かれ途方に暮れる中、狄仁傑(てき じんけつ)は町で唯一の宿・紅亭子で起きた貴公子の不審死に遭遇する。一見、自殺に見えるこの事件の裏には、町の深い闇が隠されていた。狄仁傑は事件の真相を追いながら、この荒廃した町を治める糸口を探っていく。
「大唐狄公案 神探、王朝の謎を斬る」あらすじネタバレ16話
いやはや、皆さん! 今回の『大唐狄公案』、とんでもない幕開けでしたね! 狄仁傑(てき じんけつ)一行が新たに赴任した蘭坊(らんぼう)、ここがもう想像を絶する無法地帯で、正直見ていてクラクラしちゃいましたよ。
地獄の町・蘭坊へようこそ
前の任地・蓬莱(ほうらい)ののどかな雰囲気とは180度違う、まさに世紀末! 町に着くなり目にするのは、飢えた人々が食い物を奪い合い、ならず者たちがやりたい放題の光景。特に「独狼幇(どくろうほう)」とかいう連中が井戸を独占して、水を求める民衆を殴る蹴る…。もうね、見てるだけで胸糞悪くなるってこういうことですよ。
我らが狄仁傑(てき じんけつ)が正義の鉄槌を下すか!?と思いきや、その前に颯爽(?)と現れたのが、病弱そうなのにどこか気品のある、顔を布で隠した謎の貴公子。彼は自らの銀子をならず者に渡して、民衆を救うんですね。なんて優しい人なんだ…!
しかし、問題は山積み。頼りの県庁は昨夜のうちに燃やされてただの廃墟になってるし、町はゴロツキだらけ。狄仁傑(てき じんけつ)一行も、仕方なく町で唯一華やかな遊郭「紅亭子(こうていし)」に宿を取ることに。
紅亭子で渦巻く陰謀と事件の勃発
この紅亭子、外の地獄絵図が嘘のようなきらびやかな場所なんですが、女将の碧玉(へきぎょく)ってのがまた食えない女でしてね。彼女曰く、今の蘭坊は「青龍幇(せいりゅうほう)」「独狼幇」「玄虎幇(げんこほう)」の三大勢力が牛耳る、まさに群雄割拠の時代。これまで7年で5人も県令が来たけど、誰もこの町を治められなかったとか…。話してるそばから、外では玄虎幇が独狼幇のボスを惨殺して井戸を奪うっていう壮絶なバトルが繰り広げられる始末。こりゃあ、一筋縄じゃいかないぞ…。
そんな緊張感の中、とんでもない事件が起こります。
なんと、昼間に民を救ったあの心優しき貴公子が、紅亭子の一室で手首を切って死んでいるのが発見されたんです!
第一発見者である妓女の秋月(しゅうげつ)は、「彼に求婚されたけど断ったから、きっとそのせいで…」なんて言うもんだから、現場は「痴情のもつれによる自殺」ムード。女将の碧玉も、なぜかやたらと自殺で話を終わらせようと躍起になってるのが、逆に怪しいったらありゃしない!
さすが狄仁傑!自殺に見せかけた他殺を見抜け!
でも、我らが名探偵・狄仁傑の目はごまかせません!
一行は夜中にこっそり部屋に忍び込み、現場を再調査。すると、出るわ出るわ、不審点のオンパレード!
- 死体の手首の傷と、床の血痕の位置が微妙にズレてる!
- 首筋には、よーく見ないと分からないほどの小さな針の穴が!
- 部屋からは、彼が多くの人にお金を貸していたことを示す大量の借用書が!
はい、これにて確定! これは自殺に見せかけた巧妙な殺人事件だ!
狄仁傑が県令の身分を明かすと、女将の碧玉は顔面蒼白。そりゃそうでしょうよ、殺人事件を隠蔽しようとしたんだから。
悲劇の貴公子の正体と、蘭坊に差す一筋の光
さらに調査を進めると、衝撃の事実が判明します。亡くなった貴公子、その名も李陶(りとう)は、なんと元刺史(しし)・李経緯(りけいい)の息子だったのです!
狄仁傑が父親の元を訪ねると、彼はまだ息子の死を知らず、「息子は心根の優しい、度量の広い人間で…」と、愛情たっぷりに語ります。その姿に、狄仁傑も真実を告げることができず、そっと屋敷を後にするんですね…。この人情味あふれる優しさこそ、狄仁傑の魅力だよなぁ…と、思わずグッときちゃいました。
そして、この事件がただの殺人事件ではないことが、次第に明らかになっていきます。
李陶の死を知った蘭坊の民衆が、自発的に道端で彼を弔い、泣き叫ぶのです。その光景は、まさに慟哭の渦。彼がいかに多くの人々に慕われ、頼りにされていたか…。金持ちも貧しい者も関係なく、彼は誰にでも手を差し伸べる、この腐った町で唯一の希望の光だったんですね。
曹安(そう あん)が言うように、この悲劇は、狄仁傑が蘭坊の闇を打ち破るための、大きな「きっかけ」になるのかもしれません。
果たして狄仁傑は、李陶を殺した真犯人を見つけ出し、彼の無念を晴らすことができるのか? そして、この魑魅魍魎が跋扈する絶望の町・蘭坊に、新たな秩序と希望をもたらすことができるのか!?
『大唐狄公案 神探、王朝の謎を斬る』第16話の感想
今回の舞台、蘭坊の荒廃した雰囲気には息を呑みました。これまでの華やかな事件とは全く違う、暴力と絶望が支配する町で、物語に一気に重厚感が加わりましたね。そんな中で起きた心優しき貴公子の死は、非常に胸が痛む事件です。単なるミステリーとしてだけでなく、彼の死が町の民衆に与えた影響の大きさから、この事件の解決が蘭坊全体の未来を左右することが示唆されます。自殺に見せかけた巧妙な手口を、狄仁傑が冷静な観察眼で次々と見破っていく過程は見事でした。彼の優しさと正義感が、この救いのない町にどう作用していくのか、物語の行く末が非常に気になります。
つづく