狄仁傑(てき じんけつ)の宿敵・銭灝(せんこう)との対決、そして忽然と姿を消した秋月(しゅうげつ)。彼女の失踪は、役所内部に潜む裏切り者の存在を浮かび上がらせる。狄仁傑は、仲間である曹安(そう あん)の助言をヒントに、複雑に絡み合った事件の真相へと迫っていく。蘭坊に渦巻く陰謀と、悲しい恋の物語の行方は。狄仁傑の知略が光る、緊迫の捜査劇が幕を開ける。

「大唐狄公案 神探、王朝の謎を斬る」あらすじネタバレ18話

今回の第18話、蘭坊(らんぼう)編のクライマックスというだけあって、息つく暇もない怒涛の展開でしたね!悲しい恋の結末に、思わずティッシュの箱を抱えてしまいました…。

まさかの共闘?狄仁傑(てき じんけつ)、最大の敵と背中を合わせる

物語は、狄仁傑(てき じんけつ)が単身、闇の仕事の元締めである銭灝(せんこう)を追うシーンから始まります。彼にこれ以上の暗殺稼業から手を引かせようと説得する狄仁傑(てき じんけつ)。しかし、話の途中で何者かによる闇討ちが!

ここで驚いたのが、なんと狄仁傑と銭灝が即座に連携して、刺客を制圧しちゃうんですよ!敵は、かつて彼らが壊滅させた「独狼幇」の残党でした。命を救われた恩義からか、銭灝は狄仁傑を見逃しますが、「だが、俺の仕事は続ける。お前が調べた人間は、全員俺が追うことになる」と、不気味な言葉を残して去っていくのでした。うーん、この二人の奇妙な関係、まだまだ続きそうですね。

消えた秋月と、役所に潜む「内通者」

狄仁傑が根城の「紅亭子」に戻ると、なんと秋月(しゅうげつ)が置き手紙もなしに姿を消していました。同僚の碧玉(へきぎょく)に聞いても、固く口を閉ざすばかり。狄仁傑は、秋月が行きそうな場所として、町はずれの紅柳村に目星をつけます。

しかし、一行が駆けつけたときには、すでに秋月は「玄虎幇」に連れ去られた後…。現場の痕跡から、狄仁傑は確信します。敵がこちらの動きを先読みできたということは、役所の中にまだ「内通者」がいる、と。

ここで狄仁傑、一世一代の大芝居を打ちます!わざと李県尉(りけんい)の前で「万策尽きた」と嘆き、「これを李刺史(りしし)に渡してほしい」と一通の手紙を託すのです。案の定、こっそり手紙を開けた李県尉。そこには、彼が内通者であることを見抜いた狄仁傑の揺さぶりの言葉が!

観念した李県尉は、家族の命を銭灝に握られ、やむなく従っていたことを白状します。「我々を責めるな。力があるなら、この蘭坊の惨状を変えてみせろ!」と叫ぶ彼の姿は、なんともやるせないものでした。

曹安(そう あん)の慧眼が光る!事件の核心に迫る逆転の発想

捜査は振り出しに。狄仁傑は、秋月の失踪は碧玉が仕組んだ狂言だと見抜きますが、肝心の居場所を吐かせることができません。

行き詰まった狄仁傑が助けを求めたのは、我らが曹安(そう あん)!彼女は、狄仁傑に全く新しい視点を与えます。

「もし、秋月と李陶(りとう)が本当に愛し合っていたのなら…?李陶が自ら命を絶ったという可能性はないでしょうか?」

この一言が、まさに神の一手でしたね!ハッとさせられた狄仁傑のもとに、意識を取り戻した胡検視官(こけんしかん)が錯乱状態で何かを描いているとの知らせが。駆けつけると、彼が描いていたのは「沙蚤(スナノミ)」の絵!

胡検視官は、恐ろしい真実を語り始めます。彼は李陶の遺体の首筋の赤い点から、無数のスナノミが這い出してくるのを目撃したのです!感染の拡大を恐れた彼は、咄嗟に遺体を焼却したのでした。これが、遺体が消えた真相だったとは…。

涙の真相…父が育てた花が、息子の命を奪う

しかし、悲劇はまだ終わりません。息子を殺されたと思い込んだ李刺史が、刀を手に紅亭子へ乗り込み、秋月を人質に取ってしまいます!

絶体絶命の状況で、狄仁傑はついに全ての真相を解き明かします。

李陶の死因は、スナノミによる感染症。そして、その感染源は…なんと、李刺史が愛情を込めて育てていた異国の花、チューリップだったのです。

自分の余命が長くないと悟った李陶は、愛する秋月を自分から引き離すために、わざと冷たい態度を取りました。そして、彼女への想いを綴った遺書を残して自ら命を絶ったのです(遺書は残念ながら風で飛ばされ、見つかりませんでしたが…)。彼が最期まで秋月を想っていたことが分かり、涙腺が崩壊しました…。

真実を知った李刺史は、その場に崩れ落ちます。秋月に心から謝罪し、そして、我が子を死に追いやったのは自分自身だと絶望。狄仁傑に「どうか、私に最後の尊厳を…」と言い残し、部屋へと消えていきました。扉の前で泣き崩れる家臣たち…。蘭坊を覆っていた闇の深さを象徴する、あまりにも悲壮な結末でした。

蘭坊に夜明けは来るか?新たな陰謀の影

この事件を境に、蘭坊の状況は一変します。正規軍が到着し、町を牛耳っていた悪党どもは一掃。馬栄(ば・えい)と喬泰(きょうたい)(きょうたい)(きょうたい)のコンビが銭灝を捕らえる大活躍も見せてくれました!町には食料と水が配られ、ついに平和な日常が戻ってきたのです。

しかし…物語はここで終わりません。人々の歓声の陰で、一人の覆面の男が、じっと狄仁傑の姿を見つめていました。その視線は、明らかに新たな陰謀を企んでいる者のもの…。

県庁も再建され、蘭坊の英雄となった狄仁傑。しかし、彼の前には、またしても一筋縄ではいかない次なる謎が待ち受けているようです。一体、この覆面の男は誰なのか?そして、狄仁傑の次なる戦いとは?

『大唐狄公案 神探、王朝の謎を斬る』第18話の感想

蘭坊編の終幕は、あまりにも切ない恋の真実が胸を打つ回でした。事件の真相が、登場人物たちの深い愛情や苦悩から生まれていたことに心を揺さぶられます。特に、父と子の悲劇的な結末には言葉を失いました。ただ悪を裁くだけではない、人間ドラマの深みを感じさせられます。蘭坊に訪れた束の間の平和の裏で、早くも次なる事件の影が見え隠れしており、物語の新たな展開を予感させます。

つづく