蘭坊で再び奇怪な事件が発生。犯人が残した精巧な紙人形を手がかりに、狄仁傑(てき じんけつ)は捜査を開始する。調査を進めるうち、狄仁傑は紙人形が過去に起きたある誘拐事件と関連していることを突き止める。関係者たちの食い違う証言から、事件の裏に隠された悲しい恋と、証言の矛盾が浮かび上がってくる。狄仁傑が真相に迫る一方で、彼の仲間である曹安(そう あん)の身には危険が忍び寄っていた。過去と現在が交錯し、新たな謎が深まっていく。

「大唐狄公案 神探、王朝の謎を斬る」あらすじネタバレ26話

さあ、今回も見どころ満載だった第26話を、一緒に振り返っていきましょう!

不気味な挑戦状…犯人が見せたかった「二つの心臓」

物語は、狄仁傑(てき じんけつ)たちが事件の手がかりを追って、龍三(りゅうさん)の店を調査するところから始まります。そこで彼らが目にしたのは、なんとまな板の上に置かれた二つの人間の心臓…。これは明らかに、犯人から狄仁傑(てき じんけつ)への挑戦状ですよね。「俺はここにいるぞ」と、その存在を誇示しているかのようです。

これには、さすがの狄仁傑(てき じんけつ)も失望を隠せません。彼が法を敷き、平和な蘭坊を取り戻そうと奮闘しているのに、たった一つの「紙人形」が、またもや街をパニックに陥れているのですから。人々は恐怖のあまり見て見ぬふりを決め込み、事件に関わることを恐れて葬儀屋までもが店を閉ざす始末…。この重苦しい空気が、画面越しにも伝わってきて、胸が締め付けられました。

巧みすぎる紙人形…一人の老人が明かした過去

しかし、我らが狄仁傑はここでへこたれません!彼はすぐさま策を講じ、懸賞金をかけて腕利きの職人を役所に集める告示を出します。もちろん、狙いはあの不気味な紙人形の作り手を見つけること。

多くの職人が集まりますが、誰一人としてあそこまで精巧な紙人形を作れる者はいません。そんな中、狄仁傑は一人だけ顔色の悪い老人に気づきます。さすがの観察眼!

その老人を問い詰めると、「あの紙人形は、昔、蕭(しょう)氏の染物屋にいた娘、蕭純玉(しょう じゅんぎょく)の作るものにそっくりだ」と震えながら語るのでした。

一方その頃、我らが曹安(そう あん)も大活躍!事件の資料を洗い直し、なんと蕭純玉が巻き込まれた過去の誘拐事件で、あの龍三(りゅうさん)が証言者だったことを突き止めます。この事件で、楚磊(そ らい)という男が犯人として捕まっていたのです。点と点が、少しずつ線で結ばれていく感じがしますね!

悲恋の裏に隠された嘘…父が語る娘の事件の真相とは?

馬栄(ば・えい)が聞き込みの末に見つけた染物屋。そこの主こそが、蕭純玉の父親でした。彼は娘の耳飾りを見るやいなや、堰を切ったように過去を語り始めます。

娘の純玉と楚磊は、将来を誓い合った仲。しかし、貧しい書生だった楚磊を父親は認めず、娘を別の男に嫁がせようとします。絶望した楚磊は出世を誓って軍隊へ。しかし、その後に事件は起きました。父親の証言によれば、「龍三が、楚磊が娘を誘拐し、乱暴しようとしているのを目撃した」とのこと…。

でも、ちょっと待って?狄仁傑はこの証言の矛盾を見逃しません。

  1. なぜ、真夜中に龍三は犯人の顔をはっきりと見ることができたのか?
  2. なぜ、隣の部屋にいた父親は、娘の悲鳴を聞けなかったのか?

怪しい、あまりにも怪しすぎる…。狄仁傑たちは、事件の真相を求めて、処刑されたはずの楚磊の遺体を探しに乱葬崗へと向かいます。

新たな重要人物「林藩」の登場と、楚磊の恐るべき過去

遺体は見つからず、捜査は難航…かと思いきや、ここでまたもや運命の糸が絡み合います。曹安(そう あん)が琴の修理を頼んだ先で、偶然にも石工の林藩(りん はん)と出会うのです。この林藩こそ、楚磊の遺体を処理したとされる人物でした。

狄仁傑は自ら林藩のもとを訪ね、探りを入れます。最初は臆病で気の弱い男を装っていた林藩ですが、狄仁傑に「お前、辺境を守る元兵士だろう」と正体を見破られると、ついに重い口を開きました。

林藩と楚磊は、共に書生から兵士になったことで、軍隊で壮絶ないじめを受けていました。何度も死を考え、脱走を試みては捕まり、地獄のような日々を送っていたのです。

そして、その地獄が楚磊を変えてしまいました。生き延びた彼は、かつての優しさをすべて捨て、誰にも情けをかけない冷酷非情な人間へと豹変。平定作戦では、無実の民や幼子さえも平気で手にかけるようになっていたのです。林藩は、変わり果てた楚磊を「恐ろしかった」と語ります。

狄仁傑が「黒焔についてどう思うか」と尋ねると、林藩は「蘭坊の悪党どもを震え上がらせる黒焔に、自分も加わりたかった」と答えます。その時、彼の脳裏に仮面をつけた楚磊の姿がよぎるのを、狄仁傑は見逃しませんでした…。林藩、何か隠してますね!?

絶体絶命!曹安(そう あん)に忍び寄る影…!

場面は変わり、曹安が修理された琴を受け取るシーン。その帰り道、彼女は偶然にも林藩の姿を見かけ、好奇心から後をつけます。しかし、それが悲劇の始まりでした…。

背後から何者かに襲われ、意識を失う曹安…!

えええええ!ここで終わるの!?一体誰が曹安を?林藩なのか?それとも…?

楚磊は本当に死んだのか?林藩が隠していることとは?そして、黒焔の正体はやはり…。謎が謎を呼び、ますます目が離せません!

『大唐狄公案 神探、王朝の謎を斬る』第26話の感想

今回は、過去の悲恋が現在の猟奇事件に影を落とす、非常に見ごたえのある構成でした。まな板の上の心臓という衝撃的な場面から始まり、精巧な紙人形を手がかりに、忘れ去られた事件の真相へと迫っていく過程は、推理劇として純粋に引き込まれます。特に、楚磊という人物の人物像が、父親の証言と元同僚の林藩の証言とで大きく食い違う点が興味深かったです。どちらの言葉が真実なのか、あるいはどちらも一面的なのか、視聴者に考察の余地を与えてくれます。物語の核心である「黒焔」の謎に、異なる角度から光が当たり始め、複雑に絡み合った人間関係の先に何が待つのか、今後の展開から目が離せません。

つづく