旅の途中、狄仁傑(てき じんけつ)と曹安(そう あん)は激しい吹雪に見舞われる。人助けで怪我を負った狄仁傑は高熱で倒れてしまい、二人は雪深い山中にある「朝雲書院」に助けを求めた。しかし、書院の主は外部との接触を断っており、弟子たちの対応もどこかおかしい。雪に閉ざされた書院で、二人は不穏な空気に包まれながら、不可解な出来事に遭遇していく。
「大唐狄公案 神探、王朝の謎を斬る」あらすじネタバレ30話
前回、宮廷のドロドロした事件が一段落したかと思いきや、我らが狄仁傑(てき じんけつ)と曹安(そう あん)は、またしてもとんでもない謎の渦に巻き込まれてしまいましたね! 今回の第30話は、これまでの雰囲気とはガラリと変わって、雪に閉ざされた山奥の書院が舞台。まるで上質なホラーミステリーのような展開に、思わず画面に釘付けになってしまいました!
傷ついた狄仁傑(てき じんけつ)、たどり着いた謎の「朝雲書院」
旅の途中、吹雪に見舞われてしまった狄仁傑(てき じんけつ)と曹安(そう あん)。人助けをした際に狄仁傑が怪我を負ってしまい、その傷がもとで高熱を出し、意識を失ってしまうという緊急事態に! 必死に助けを求める曹安(そう あん)が、荒野の果てにようやく見つけたのが、ポツンと佇む「朝雲書院」でした。
しかし、この書院がなんとも怪しい…。
門を叩くと、周礼(しゅうれい)と名乗る若い弟子が出てきますが、来訪を頑なに拒否。曹安が狄仁傑の役職を示す腰牌を見せると、ようやく別の弟子の李淼(りきょう)が登場します。この李淼、少し医学の心得があるらしく、狄仁傑の治療はしてくれるものの、「師の崔浩然(さいこうぜん)先生は地方史の編纂で『閉関』(集中するために外部との接触を断つこと)の最中なので、長居は無用」と、なんともそっけない態度。
いやいや、吹雪で道は閉ざされてるし、こっちは命に関わってるっていうのに、その対応はないでしょう!? と思わずツッコミたくなりますよね。結局、見殺しにはできないと判断したのか、二人は古い書庫の一室に泊めてもらえることになりました。
一方その頃、都では馬栄(ば・えい)と喬泰(きょうたい)(きょうたい)(きょうたい)が、雪害の知らせを聞いて狄仁傑たちの身を案じ、吹雪の中を捜索に向かいます。この二人の忠誠心、本当に泣かせます…!
幻覚か、現実か?次々と起こる不可解な出来事
なんとか意識を取り戻した狄仁傑。しかし、高熱と軽い中毒症状のせいで、体はボロボロです。それでも、高名な学者である崔浩然に一目会いたいと部屋を訪れますが、李淼に止められてしまいます。窓からそっと中を覗くと、崔浩然は瞑想しているのか、ピクリとも動きません。部屋には濃い檀香の香りが立ち込めていて、なんとも不気味な雰囲気が漂います。
自分の部屋に戻った曹安は、薪を取りに行くという周礼の慌てふためく様子を目撃。でも、彼が向かう方向は柴置き場とは真逆…。もう、この書院の人間、全員怪しく見えてきませんか?
そして、事件はさらに加速します。
夜、病にうなされる狄仁傑の部屋の戸が、風でふわりと開きます。彼がよろめきながら戸を閉めようとすると、なんと白い衣を着た男の子が目の前を走り去っていくのを目撃!
驚いた狄仁傑は、そのまま雪の中に倒れてしまいます。
助けに来た李淼は「高熱による幻覚でしょう」と取り合いませんが、曹安は狄仁傑の言葉を信じます。そう、我らが狄仁傑が見たものが、ただの幻覚なわけないですよね!
絶叫と謎のダイイングメッセージ
曹安が狄仁傑を介抱していると、外から奇妙な音が。様子を見に行くと、そこには信じがたい光景が広がっていました。
昼間、挙動不審だった弟子の周礼が、なんと書院の屋根の上に立ち、「魑魅魍魎(ちみもうりょう)が!」などと叫びながら大笑いしているではありませんか!
完全に正気を失っている周礼。彼は曹安に気づくと、何かを伝えようとするかのように、自らの指を噛み切って、その血で手のひらに一文字を書きなぐります。
そして次の瞬間、彼は屋根から身を投げ、絶命してしまいました…。
駆け寄った曹安が彼の手のひらを確認すると、そこには血で書かれた「嵬」という、見慣れない文字が。
周礼はなぜ死んだのか? あの白い子供は誰なのか? そして、ダイイングメッセージである「嵬」の字が意味するものとは…?
雪に閉ざされた陸の孤島「朝雲書院」で、新たな事件の幕が切って落とされました。病に倒れた狄仁傑は、この謎を解き明かすことができるのでしょうか。
『大唐狄公案 神探、王朝の謎を斬る』第30話の感想
これまでの宮廷劇から一転、雪に閉ざされた山中の書院を舞台にした閉鎖空間ミステリーの趣が新鮮でした。高熱で倒れた狄仁傑と、彼を案じる曹安が足を踏み入れた場所は、どこか不気味な空気が漂います。書院の主や弟子たちの不可解な言動、幻覚か現実か判然としない怪異、そして突如起こる悲劇。新たな謎が次々と提示され、物語の奥深さを感じさせます。血文字のメッセージが一体何を意味するのか、今後の展開から目が離せません。
つづく