いや~、今回の『大唐狄公案』もハラハラドキドキの展開でしたね!高熱にうなされる我らが狄仁傑(てき じんけつ)、彼が見る幻は一体何なのか…?そして、そんな彼を心配する曹安(そう あん)が、とんでもない秘密に足を踏み入れちゃうんですから、もう目が離せません!

さっそく第31話のあらすじとネタバレを、熱く語っていきましょう!

忍び寄る怪異と地下宮殿の謎

物語は、高熱で意識が朦朧とする狄仁傑(てき じんけつ)のシーンから始まります。彼がうわ言で繰り返す「兄上」という言葉…切ないですよね。

看病する曹安(そう あん)は、薬を頼むために少し席を外しますが、その隙に部屋で奇妙な出来事が起こります。突風で扉が開き、古い書物や紙が部屋中に散乱!その中に、曹安(そう あん)は不気味な鬼の絵が描かれた画集を見つけてしまうんです。彼女の脳裏に、亡くなった周礼(しゅうれい)が生前「天眼が開いた。枉死した鬼が見える」と語っていた言葉が蘇ります。ゾクッとしますよね。

誰かに見られているような悪寒を感じる曹安。すると突然、狄仁傑(てき じんけつ)が崔浩然(さいこうぜん)に渡すはずだった白檀の香りが、部屋の入り口にポツンと現れるんです。ホラー映画さながらの展開に、思わず息を呑んでしまいます。

曹安は勇気を振り絞って香りの跡を追いますが、書院の弟子に見つかりそうになり、パニックのあまり隠し扉の奥へ!そこは、薄暗い燭台の光が続く、長く曲がりくねった地下宮殿へと繋がっていました。

宮殿の最奥には巨大な祭壇が。呆然とする曹安の前に、なんと李淼(りきょう)が現れ、この場所の恐ろしい過去を語り始めます。

この朝雲書院は、かつて多くの人々が避難していた「朝雲観」という道観だったこと。しかしある夜、宝物を狙った流賊に襲われ、惨たらしい大虐殺の舞台となったこと。そして、現在の主である崔浩然(さいこうぜん)が、その無念の死を遂げた魂たちを鎮めるために、この地下宮殿を築いたのだと…。

李淼は「狄仁傑様が見たのは幻覚ではなく、この地に留まる亡霊の怨念が見せたものかもしれない」と語ります。それを聞いた曹安は、言い知れぬ恐怖に襲われ、その場を逃げ出すのでした。

すれ違う想いと深まる謎

狄仁傑が目を覚ますと、そこに曹安の姿はありません。外に出ると、弟子たちが慌ただしく遺体を運んでいるという不穏な光景が。そこで曹安と合流し、彼女から周礼(しゅうれい)の死の直前の奇行や、現場に残された男の足跡について聞かされます。

白檀の香りが突然現れたこと、そして自分が昏睡中に見た「白い服の子供」の幻。狄仁傑は、この書院に何か大きな秘密が隠されていると確信します。

しかし、曹安は彼の身を案じるあまり、「日食が近づくと亡霊が凶暴になる」という李淼の言葉を信じ、深入りを止めようとします。さらに、「それはあなたの執着心が見せている幻かもしれない」と、彼の心の傷である亡き兄・狄英(てき えい)のことに触れてしまうのです。

この一言が、狄仁傑の心を逆撫でしてしまいました。「死者が生者に干渉などするものか!」と激昂した彼は、「君こそ黒焰(こくえん)を忘れられないのだろう!」と、曹安を深く傷つける言葉をぶつけてしまいます。

お互いのトラウマに触れ、最悪の雰囲気になってしまった二人。そこに薬を持ってきた李淼が現れ、気まずい沈黙が流れるのでした…。見ていて本当に辛いシーンでしたね。

兄の幻影と「魏」の木剣

曹安と気まずくなった夜、狄仁傑は一人で調査を開始します。崔浩然の部屋を訪ねるも、そこには誰もおらず、ただ巨大な桐油の壺が不気味に置かれているだけ。

次に、曹安の話を頼りにあの地下宮殿へ向かうと、そこで再び「白い服の子供」に遭遇します。子供がゆっくりと振り返ると、その顔はなんと…亡き兄・狄英の姿!あまりの衝撃に、狄仁傑はその場で意識を失ってしまうのでした。

その頃、物音で目覚めた曹安は、薬の壺が割れているのを発見します。そして書棚のそばに、一本の小さな木剣が落ちているのを見つけます。

意識が戻らない狄仁傑は、うわ言で「木剣…」と繰り返します。曹安がその木剣を手に取り、まじまじと見つめると…そこにはっきりと「魏」という文字が刻まれていたのです!

その瞬間、曹安は閃きます。周礼の掌に残されていた、あの不鮮明な文字の片割れは、この「魏」だったのではないか、と!

ついに事件の核心に迫る、超重要な手がかりが姿を現しました!この「魏」の文字は何を意味するのか?狄仁傑を襲った幻覚の正体は?そして、二人の関係はどうなってしまうのか?

『大唐狄公案 神探、王朝の謎を斬る』第31話の感想

今回は狄仁傑と曹安の心のすれ違いが非常に印象的でした。互いを深く想うが故に、過去の傷に触れて傷つけ合ってしまう二人の姿に胸が痛みます。また、書院に隠された過去の悲劇と、それによって生まれる不気味な雰囲気が巧みに描かれており、物語の奥深さを感じさせます。亡き兄の幻影と「魏」の文字という新たな謎が提示され、事件の真相がどこへ向かうのか、考察が深まる一話でした。

つづく