頭に大怪我を負い、意識不明の重体に陥った栄児(えいじ)。彼女を救うため、侍衛の李琪(り・き)は危険な崖に自生する薬草を採りに行くことを決意します。一方、李琪はある重大な秘密を主君・溥儀(ふぎ)に打ち明け、二人の信頼関係は大きく揺らぎます。宮中では栄児と李琪を巡る噂が広まり、親友との関係にも変化が生じ始めます。そんな中、栄児の料理の腕が思わぬ形で評価され、彼女の運命を大きく左右する出来事が起こるのでした。
「溥儀の料理番」あらすじネタバレ10話
いやはや、前回のラストで大変なことになった栄児(えいじ)ですが、第10話は彼女の安否を巡るところから幕を開けました。頭を強く打ち、昏睡状態に陥ってしまった栄児。見ているこちらもハラハラしっぱなしでしたよね。
命がけの愛!李琪(り・き)、崖から薬草を採る
栄児を救うため、侍衛の李琪(り・き)がもう大活躍!周太医から治療には崖っぷちに生える貴重な薬草「巻柏」が必要だと聞かされるやいなや、「私が明日届けます」と即答。その言葉通り、翌日にはボロボロの姿で、足を引きずりながらも薬草を届けるんです。この男、やるときはやる…!
実は、李琪(り・き)は汗血宝馬の一件を以前から知りながら溥儀(ふぎ)に報告しなかったことで、栄児から責められていました。その負い目もあってか、彼は溥儀に「自分を欺君の罪で罰してください」と告白します。溥儀は「お前だけは信じていたのに」と深く失望しますが、同時に李琪を失いたくないという本心も覗かせ、「傷が治ってから罰する」と、彼に猶予を与えるのでした。この主従関係、本当にグッときます。
目覚めた栄児と、それぞれの想い
李琪は毎日栄児の看病に付きっきり。その姿は宮女たちの間で「李様は栄児に気がある」と噂になるほど。そんな状況が面白くないのが、栄児の親友である青児(せいじ)です。「ここは女官ばかりで不便でしょうから、もう来ないでください」と李琪に釘を刺す姿は、嫉妬心が見え隠れしていましたね…。
李琪はそんなことお構いなしに、意識のない栄児のそばで、自分の後悔や無力さを語りかけ続けます。その想いが通じたのか、栄児はついに目を覚まします!寿喜(じゅき)姑姑から、李琪が崖から薬草を採る際に肋骨を4本も折りながら助けてくれた「命の恩人」だと聞かされた栄児。クールに見えて実は情に厚い李琪の本当の姿を知るのでした。
恋のハプニングと新たな波乱の予感
元気になった栄児は、お礼の菓子を手に李琪のもとへ。そこで足を滑らせ、なんと二人は抱き合う形に!気まずさと恥ずかしさで真っ赤になる李琪が、なんとも可愛らしかったですね。栄児が感謝を伝えると、「全ては皇上のご命令です」とぶっきらぼうに答えるあたり、まだまだ素直じゃないようです。
一方で、栄児は親友・青児の冷たい態度に悩み、武天(ぶてん)に相談を持ち掛けます。すると、話の流れで武天(ぶてん)は、栄児が持っている本が、彼がずっと探し続けていた料理の秘伝書『玉食精詮』であることに気づいてしまいます。これはまた一波乱ありそうな予感…!
大抜擢!栄児、料理長への道
物語の終盤、太妃(たいひ)が寺での禅修行中に食欲をなくしてしまいます。誰もがお手上げ状態の中、栄児が作った精進料理が太妃の口に合い、大絶賛されます。この一件で栄児をすっかり気に入った太妃は、彼女を料理長にあたる「掌勺」に抜擢したいと寿喜姑姑(じゅきここ)に提案。寿喜姑姑(じゅきここ)は若すぎる栄児が嫉妬されることを心配しますが、太妃はかつての自分を栄児に重ね合わせるのでした。
李琪との関係が進展する一方で、友人との間に溝が生まれ、さらには仕事で大きなチャンスを掴む栄児。彼女の周りで、人間関係と運命が大きく動き出した第10話でした。
『溥儀の料理番』第10話の感想
今回のエピソードは、普段は冷静沈着な李琪の人間的な魅力が大きく花開いた回だったと感じます。栄児を救うために自らの危険を顧みない姿や、主君である溥儀への忠誠と罪悪感の狭間で苦悩する様子は、彼のキャラクターに一層の深みを与えました。特に、一度は信頼を失いかけた溥儀との関係が、宝物を巡る極秘任務をきっかけに修復されていく過程は、見応えがありました。
また、栄児の料理人としての才能が認められ、新たなステージへと進む展開も爽快でした。しかし、その一方で親友・青児の嫉妬という、宮中の人間関係の厳しさも描かれており、物語に緊張感をもたらしています。恋愛模様だけでなく、仕事、友情、そして忠誠心といった複数のテーマが丁寧に織り交ぜられ、各キャラクターの心情が細やかに表現されていたのが印象的です。今後の展開から目が離せません。
つづく