宮女の栄児(えいじ)は、その優れた観察眼で太妃の食欲不振の謎を解き明かし、料理人としての評価をさらに高める。その功績が認められ、厨房のナンバー2である「掌勺」の座をかけて、ライバルの彩碧(さいへき)と料理対決に挑むことに。勝利の鍵は、技術だけではなく、食べる相手を思う「心」にあった。一方、皇帝・溥儀(ふぎ)は栄児の才能に期待を寄せるが、栄児はひょんなことから宮中の蔵書を手にしていることが発覚し、大きなトラブルに巻き込まれてしまう。

「溥儀の料理番」あらすじネタバレ11話

いやあ、今回の『溥儀の料理番』第11話、見どころ満載でしたね!主人公・栄児(えいじ)の成長が止まりません!料理の腕だけじゃなく、人としての深みも増してきて、ますます応援したくなっちゃいます。それでは早速、波乱万丈の第11話を振り返っていきましょう!

物語は、太妃(たいひ)が寿喜(じゅき)姑姑に「栄児を鍛えて、そろそろ料理長(掌勺)を任せられるように」と期待をかけるところから始まります。寿喜もその気で、栄児に大きなチャンスを与えようと考えているんですね。

そんな中、栄児の観察眼が光る事件が起こります。太妃が食欲をなくしてしまった原因を、見事に突き止めるんです。寺の厨房を調べた栄児は、数日前の雨で湿気てしまった米の微妙な匂いが原因だと気づきます。高貴な方ならではの繊細な味覚を察し、かといって僧侶たちの面子を潰すわけにもいかない…そこで栄児がひらめいたのが「お茶で粥を炊く」という見事な解決策!お茶の香りで米の匂いを消しつつ、風味豊かな一品に仕上げるなんて、さすが栄児です。この一件で、寿喜姑姑(じゅきここ)も栄児の才能に改めて感心しきりでした。

そして、ついに膳房(ぜんぼう・厨房のこと)の料理長を決める時がやってきます。候補は、もちろん栄児と、ライバルの彩碧(さいへき)。二人は点心(饽饽)作りで腕を競うことに。

ここで栄児の真骨頂が発揮されます。以前、李琪(り・き)から言われた「寿喜姑姑(じゅきここ)が何を求めているかを知れ」という言葉を思い出し、彼女が最近よく咳き込んでいることに気づいていた栄児。喉に優しいえんどう豆の糕(カステラのようなお菓子)を作ったのです。この心遣いが寿喜の心を打ち、僅差で栄児が勝利!晴れて料理長に昇進しました。

もちろん、彩碧は落ち込みますよね…。でも、そこへ通りかかった秦放(しんほう)が彼女の作った点心を「すごく美味しい」と褒めて励ますシーンには、ちょっとキュンとしちゃいました。彩碧もこれをバネに頑張ってほしいものです。

しかし、料理長への道は甘くありません。栄児が初めて腕を振るった料理を、なんと太妃が口にしてすぐに吐き出してしまったのです!寿喜姑姑は「料理は火加減と時間、調味料を入れる順番が命よ」と厳しくも愛のある指導をします。特に「スープに塩を先に入れると肉が硬くなる」という豆知識は、宮中の料理の奥深さを感じさせますね。

一方、皇帝・溥儀(ふぎ)は重華宮の料理にご満悦。褒美を与えるため寿喜と栄児を呼び出します。溥儀は栄児の姿を見て喜び、彼女に大きな期待を寄せていることを伝えるのでした。

順風満帆に見えた栄児ですが、新たなトラブルの種が…。親友の青児(せいじ)のために月餅を作っていたところ、寿喜が栄児の持つ料理本『玉食精詮』を発見!なんとそれは宮中の書庫「文淵閣」の蔵書だったのです。「大変なことになったわ!」と慌てる寿喜。最近、宮中では宝物の盗難が相次ぎ、厳重な警備が敷かれているため、今この本を持っていることがバレたら栄児が犯人にされてしまうかもしれません。二人はこっそり本を返しに行きますが、警備が固すぎて断念。寿喜は危険を感じ、本を預かることにしました。

そしてラスト、物語が大きく動き出します。溥儀は、その日の食事が栄児の作ったものだと見抜き、彼女を呼び出します。褒美を受け取った栄児が立ち上がるその時、懐からお守り袋(荷包)がポトリ。それを見た溥儀は目を見開きます。そう、そのお守り袋は、かつて彼が池に投げ捨てた、あの思い出の品だったのです…!

『溥儀の料理番』第11話の感想

今回のエピソードは、栄児の料理人としての確かな成長と、彼女を取り巻く人間関係の深化が丁寧に描かれていて、非常に見応えがありました。特に印象的だったのは、料理対決の場面です。単に技術を競うのではなく、食べる相手を思いやる「心」が勝敗を分けたという展開は、このドラマの核となるテーマを象徴しているように感じます。栄児の洞察力と優しさが、彼女を料理長という新たなステージへ導いたことに、胸が熱くなりました。

また、失敗から学ぶ姿勢も共感を呼びます。初めての料理長としての仕事でつまずきながらも、師である寿喜の教えを素直に受け入れ、乗り越えようとする姿は応援したくなります。後半に持ち上がった『玉食精詮』を巡るサスペンスと、ラストの溥儀とのお守り袋の再会シーンは、物語に新たな緊張感とロマンスの予感を加え、今後の展開から目が離せなくなる巧みな構成だと感じました。

つづく