いやあ、今回の『溥儀(ふぎ)の料理番』は、希望と絶望が交錯する、息をのむ展開でしたね。主人公・栄児(えいじ)の恩師である寿喜(じゅき)おばさんの無実を信じる視聴者の祈りもむなしく、悲しい結末が待っていました。

それでは早速、第13話の詳しいあらすじとネタバレを見ていきましょう!

決死の進膳!一筋の光

前回、宝を盗んだ濡れ衣を着せられ、慎刑司(しんけいし)に投獄されてしまった寿喜(じゅき)姑姑。彼女を救うため、栄児は一大決心をします。それは、皇帝・溥儀(ふぎ)に直接食事を献上し、直訴する機会をうかがうことでした。

栄児が腕によりをかけて作ったのは、なんと肉を使わずに肉の味を再現した創作料理「素焼きガチョウ」。この斬新な一皿が溥儀に認められ、ついに拝謁のチャンスを掴みます!

栄児は震える声で、寿喜姑姑(じゅきここ)が拷問を受け、料理人にとって命である手が無残な姿にされていることを訴えます。「真相が明らかになるまで、どうか彼女の命をお助けください」という必死の願いに、溥儀も事の深刻さを理解し、すぐさま侍衛の李琪(り・き)を宮中に呼び戻すよう命じました。

この瞬間、誰もが「これで助かる!」と一筋の光を見たはずです。しかし、運命はあまりにも残酷でした。

届かなかった願い…寿喜の死

その頃、李琪(り・き)は宮殿の外で宝を盗んだ真犯人を捕らえるため、陸秋桐(りく しゅうどう)たちと待ち伏せをしていました。しかし、皇帝の急な召集により作戦は中断。急ぎ宮殿に戻った李琪を待っていたのは、信じがたい知らせでした。

寿喜姑姑(じゅきここ)が、牢の中で亡くなっていたのです。

公式には「罪を悔いての自殺」と発表されましたが、あまりにも不自然な死。栄児は知らせを信じられず、遺体を確認しようとしますが、「すでに宮外に運び出された」と告げられ、その願いすら叶いませんでした。

悲しみに打ちひしがれ、「自分のせいだ」と自らを責める栄児。そんな彼女を力強く支えたのが、李琪でした。「寿喜姑姑の思いを無駄にするな。彼女のために、取り戻すべきものを取り戻すんだ」という彼の言葉が、絶望の淵にいた栄児に、新たな闘いへの覚悟を決めさせます。

渦巻く陰謀と新たな誓い

一方で、寿喜の死を喜ぶ者たちがいました。敬懿(ジンイー)太妃をはじめとする勢力は、目の上のたんこぶがいなくなり、台所の実権(供膳権)が自分たちの手に戻ってくるとほくそ笑みます。人の死さえも権力争いの道具にする、紫禁城の非情さが浮き彫りになる瞬間でしたね。

悲しみを胸に、栄児と李琪は宮殿の外でささやかながらも寿喜の葬儀を執り行い、必ず犯人を見つけ出して無念を晴らすと、彼女の墓前に固く誓います。

その中で、李琪はある重要な情報に気づきます。寿喜が亡くなった日、慎刑司の王公公(おうこうこう)という宦官の様子が不自然だったというのです。彼は寿喜と同時期に宮仕えを始めた旧知の仲。何かを知っているに違いありません。

栄児は真相を聞き出すため、毎日彼のもとへ通い詰めますが、王公公は固く口を閉ざしたまま。果たして、栄児は彼の心を開き、寿喜の死の真相にたどり着くことができるのでしょうか。物語は、新たな謎と決意を胸に、次なる局面へと進んでいきます。

『溥儀の料理番』第13話の感想

今回は、希望の光が見えた直後に絶望の淵へ突き落とされる、非常に心を揺さぶられる回でした。栄児の必死の訴えが溥儀に届いた矢先の寿喜姑姑の死は、あまりにも残酷です。しかし、この悲劇がなければ、栄児はただの料理人見習いのままだったかもしれません。自責の念に駆られながらも、李琪の言葉に支えられて真実の究明を誓う姿には、彼女の精神的な成長が感じられました。また、人の死を喜び、権力争いの好機と捉える太妃たちの姿は、宮廷という場所の冷酷さを改めて突きつけてきます。悲しみの中にも、登場人物たちの覚悟や人間の業が色濃く描かれた、見応えのあるエピソードだったと思います。

つづく