亡き師・寿喜(じゅき)の名誉に傷がつく形で、重華宮は皇帝への供膳権を失ってしまう。失意の栄児(えいじ)だったが、西洋からの客をもてなすための菓子作りを命じられ、見事な腕前で皇帝の信頼を取り戻すチャンスを掴む。しかし、これを快く思わない敬懿太妃(けいい たいひ)や御膳房の思惑が絡み、重華宮、太極殿、御膳房の三者で供膳権のすべてを賭けた料理対決が開催されることに。師と重華宮の名誉のため、栄児は人生を賭けた大勝負に挑む。

「溥儀の料理番」あらすじネタバレ14話

いやはや、今回の『溥儀の料理番』は息つく暇もありませんでしたね!主人公・栄児(えいじ)の周りで、宮中のドロドロした権力争いがますます激化してきました。

敬懿太妃(けいい たいひ)の策略と迫りくる魔の手

物語は、敬懿(けいい)太妃が皇帝・溥儀(ふぎ)に「菜食ばかりではお体に障ります」と泣き落としをかける場面から始まります。師匠である寿喜(じゅき)を亡くしたばかりの重華宮では、皇帝の食事を満足に用意できないだろうというのです。根負けした溥儀は、食事の供給を太極殿に任せることを許可してしまいます。重華宮にとっては、いきなり大ピンチですよね。

その裏では、謎の人物が「栄児が邪魔だ」と不気味な指令を下していました。寿喜の死の真相を探る栄児の動きを危険視しているようです。密告を受けた謎の人物は、栄児が接触していた慎刑司の王公公(おうこうこう)を始末するよう命令。その結果、王公公(おうこうこう)は突然発狂し、人に噛みつくという衝撃的な末路を辿ります…。宮中の闇、深すぎます。

李琪(り・き)の恋心と栄児の逆転劇

そんな不穏な空気の中、侍衛の李琪(り・き)と友人の陸秋桐(りく しゅうどう)の会話が、少しだけ心を和ませてくれました。偶然再会した二人。李琪(り・き)は、盗賊を捕まえられなかった無力感を陸秋桐に吐露します。陸秋桐は「今の皇宮は沈みかけの船だ」と彼を慰めつつ、李琪が真相究明にこだわる理由が「気になる娘のためだろう?」と核心を突きます。

李琪が語る栄児の姿は、「そそっかしいけど、善良で努力家」。それを聞いた陸秋桐は「お前さん、その娘に惚れてるんだよ」とニヤリ。李琪本人はまだ気づいていない様子なのが、またじれったくて良いんですよね。

その頃、栄児に大きなチャンスが訪れます。溥儀が西洋人の庄先生(しょうせんせい)をコーヒーでもてなすことになり、それに合う菓子を栄児に作らせるよう命じたのです。コーヒーを飲んだことがない栄児でしたが、亡き寿喜が残した手記を頼りに見事な菓子を完成させます。

この菓子が庄先生(しょうせんせい)に大絶賛され、溥儀もご満悦!褒美として、なんと重華宮の供膳権が復活したのです。これで一安心…と思いきや、物語はそう甘くはありませんでした。

供膳権を賭けた料理対決、そして衝撃の結末

重華宮の復活が面白くない敬懿太妃(けいい たいひ)。そこへ、自分たちの供膳権を主張する御膳房も現れ、事態はさらにややこしくなります。敬懿太妃はここぞとばかりに、重華宮、太極殿、そして御膳房の三者で料理対決を行い、勝者がすべての供膳権を得るという提案をします。溥儀もこれを承認し、負ければ宮中を追放という厳しい条件までつけてしまいました。

栄恵(えいけい)太妃は栄児の身を案じて出場を止めますが、栄児は「これは寿喜お姑姑の名誉のためでもあるのです」と固い決意を語ります。その姿は、かつての寿喜にそっくりでした。

そして迎えた対決当日。第一回戦は、出された三品の料理の食材をすべて当てる「味利き」。主厨一人のみが参加できる真剣勝負です。

太極殿と御膳房が順当に通過する中、誰もが固唾をのんで見守った栄児の結果は…まさかの「敗退」。

え、嘘でしょ!?というところで、第14話は幕を閉じます。一体何が起きたのか、策略なのか、それとも…。続きが気になって仕方ありません!

『溥儀の料理番』第14話の感想

今回のエピソードは、主人公・栄児の浮き沈みが非常に激しく、片時も目が離せない展開でした。一度は敬懿太妃の策略によって供膳権を失うという危機に陥りながらも、西洋人をもてなす菓子作りで見事にその腕前を示し、皇帝の信頼を回復する場面は爽快でした。しかし、その直後に三つ巴の料理対決へと巻き込まれ、最後にはまさかの敗退という結末には驚かされました。宮中の権力闘争の厳しさと、一筋縄ではいかない物語の深さを感じさせます。また、侍衛・李琪が自身の恋心に気づいていない様子も描かれ、サスペンスフルな展開の中に甘酸っぱい要素が加わり、物語に一層の奥行きを与えています。栄児の不屈の精神が、この絶体絶命の状況をどう乗り越えていくのか、今後の展開から目が離せません。

つづく