宮廷一の料理人を決める最終試験が始まった。しかし、味覚審査では無実の罪を着せられ、続く包丁さばきの試験では卑劣な妨害工作により大火傷を負ってしまう栄児(えいじ)。絶体絶命の危機が続く中、彼女は亡き師の教えと自らの信念だけを頼りに、困難へ立ち向かう。果たして、栄児は全ての障壁を乗り越え、料理人としての頂点「御膳権」を手にすることができるのか。彼女の一皿が、紫禁城に大きな変革をもたらすことになる。

「溥儀の料理番」あらすじネタバレ15話

いや〜、今回の『溥儀(ふぎ)の料理番』第15話は、息つく暇もないほどの怒涛の展開でしたね! 栄児(えいじ)の料理人としての真価が問われる最終試験、しかしその裏ではドス黒い陰謀が渦巻いていて…。早速、ハラハラドキドキのあらすじを見ていきましょう!

味覚審査で大ピンチ!栄児(えいじ)、不正の罠にハマる

最終試験の第一ラウンドは、なんと味覚比べ。しかし、ここでいきなり事件が起こります。

栄児はスープの中に「三七」という漢方薬の味を感じ取りますが、他の挑戦者である李泰豊(り たいほう)と双喜(そうき)は気づきません。審査員の紹英(しょうえい)は、ありえないと決めつけ、栄児を失格にしようと激怒! 敬懿(けいいい)太妃もここぞとばかりに栄児を追い詰めます。

「絶対に間違いありません!」と必死に訴える栄児。誰も信じてくれない絶体絶命の状況…!

しかし、ここで我らが李琪(り・き)が冷静に助け舟を出します。「漢方のことなら太医(侍医)に確かめては?」と溥儀(ふぎ)皇帝に進言。ところが、新しいスープを味見した太医も「三七は入っていない」と証言。万事休すかと思われました。

諦めない李琪(り・き)は、「栄児が実際に口にした、あの器のスープを調べるべきです」とさらに提案。そして、そのスープを改めて太医が調べると…なんと、ごく微量の三七が検出されたのです!

犯人は、料理を運んだ小太監。怪我の治療で使っていた三七の粉が、不注意でスープに混入してしまったのでした。李琪(り・き)の見事な推理で無実が証明された栄児。溥儀の温情で、なんと挑戦者3人全員が次のラウンドへ進むことになりました。いやー、李琪のスマートな立ち回りには惚れ惚れしますね!

次なる妨害!火傷と痺れ薬を乗り越えろ

一難去ってまた一難。栄児を陥れたい劉公公は、次の手を打ちます。武天(ぶてん)を使い、わざと栄児の手に熱いスープをこぼさせ、大火傷を負わせてしまうのです。次の試験は、最も繊細な技術が求められる「包丁さばき」。これはあまりにも卑劣!

さらに、治療薬には手が痺れて力が入らなくなる薬まで混ぜられていました。案の定、豆腐を切る栄児の包丁は思うように動きません。しかし、彼女は亡き寿喜(じゅき)姑姑の「料理は心で作り上げるもの」という教えを思い出し、心を落ち着けて見事に「文思豆腐」を完成させます。

その精神力と技術が認められ、このラウンドも3人全員が合格! 妨害にも屈しない栄児の姿には、胸が熱くなります。

最終決戦!禁薬、そして心の味

ついに最終ラウンド「試膳」。スープ、点心、料理の三品で競います。

ここでまたもや大波乱が。ベテラン料理人・李泰豊(り たいほう)のスープから、料理を美味しくするものの、依存性があるため宮中で禁止されている「禁薬」が見つかります。これに溥儀は激怒し、李泰豊は即刻追放。長年のプライドが、彼に一線を越えさせてしまったのでしょうか…。

残るは栄児と双喜の一騎打ちに。点心は双喜、メイン料理は栄児に軍配が上がり、勝負の行方は最後のスープに託されました。

そして、溥儀が選んだのは、栄児のスープでした。「君のスープからは、作り手の心が伝わってくる」と。技術だけでなく、料理に込めた真心が皇帝の心を動かしたのです。

ついに、栄児は宮廷一の料理人の座である「御膳権」を手にしました! 褒美として、彼女がずっと求めていた伝説の料理本『玉食精詮』を賜ります。

そして物語は衝撃の結末へ。禁薬事件に失望した溥儀は、なんと御膳房の料理人300人あまりを全員解雇! 紫禁城の食の全てを、栄児に託すことを決めたのです。

利権を失い絶望する劉守貴(りゅう しゅき)と、この大ニュースに目を輝かせる息子の劉爾(りゅう じ)。一つの料理対決が、紫禁城の歴史を大きく動かす引き金となった瞬間でした。

『溥儀の料理番』第15話の感想

今回のエピソードは、単なる料理対決の枠を大きく超え、一人の純粋な料理人が旧態依然とした宮廷の権力構造に風穴を開ける、非常にカタルシスのある回でした。次々と襲いかかる悪意ある妨害。それはまるで、才能ある若者を潰そうとする古い世界の縮図のようです。しかし、栄児は技術だけで乗り越えたわけではありません。亡き師の教えを胸に、己の心を整え、料理と真摯に向き合う姿勢こそが、彼女の最大の武器でした。そして、その真心が最終的に皇帝の心を動かしたという結末は、このドラマが伝えたいメッセージそのものだと感じます。また、常に冷静沈着に栄児をサポートする李琪の存在も光っていました。彼の知性がなければ、栄児は早々に夢を絶たれていたでしょう。二人の絆が、腐敗した宮廷に新しい風を吹き込む原動力になっていくのだと確信しました。

つづく