いやはや、今回も息をつく暇もない展開でしたね!『溥儀の料理番』第17話、ご覧になりましたか?主人公・栄児(えいじ)の身に次から次へと降りかかる災難に、見ているこっちの心臓が持ちませんよ。

それでは、早速今回のあらすじとネタバレを見ていきましょう!

皇帝を救え!栄児、束の間の釈放

物語は、病に倒れた皇帝・溥儀(ふぎ)を救うため、獄中の栄児が一時的に釈放されるところから始まります。しかし、その条件として、なんと恋人の李琪(り・き)が代わりに慎刑司(しんけいし)へ!自分のために犠牲になった李琪(り・き)を思い、栄児の心は感謝と申し訳なさでいっぱいになります。この二人の絆の深さには、本当に胸を打たれますよね。

手かせ足かせをはめられたまま栄恵(えいけい)太妃の元へ向かった栄児。太妃は哀れに思い外させようとしますが、宦官は「罪人の身」だと取り合いません。栄児は太妃から病状のヒントを聞き出し、供物の記録を頼りに、皇帝を救うための特別なスープの献立を必死に考え出します。

御医(ぎょい)たちが匙を投げた皇帝の「噎食(えつしょく)の症」。薬も喉を通らない絶望的な状況で、皇后に最後の望みとして呼ばれたのが栄児でした。皇帝の寝室へ入るにあたり、さすがに手かせ足かせは外されます。栄児が心を込めて作ったスープを溥儀が口にすると、奇跡的に症状が和らぎ、御医の薬も飲めるように!役目を終えた栄児は、再び慎刑司へと戻っていくのでした。

救いの手か、さらなる罠か

慎刑司で再会した李琪(り・き)は、皇帝を完治させられなかったと落ち込む栄児を「最後まで諦めるな。もしものことがあっても、お前を怨んだり後悔したりしない」と力強く励まします。もう、この男前っぷり!栄児じゃなくても感動しちゃいます。

しかし、国民政府の代表と面会した溥儀の病が再発!皇后は栄児の仕業だと激昂し、栄児と李琪は謀反の疑いで厳しい拷問にかけられてしまいます。

この危機に、女官の青児(せいじ)が二人の家族に危険を知らせるため宮中を脱出。話を聞いた陸秋桐(りく しゅうどう)たちは、西洋医学を学んだ苗(びょう)医師を宮中に送り込みます。苗医師の診断は「皇帝は快方に向かっており、栄児の処方は正しかった」というもの!嘔吐は、溜まっていた悪いものが出ていただけだったのです。

釈放、そして訪れる最悪の悲劇

溥儀の病状も回復し、ついに栄児の無実が証明されます。溥儀は栄児を釈放し、手切れ金を与えて宮殿から出すよう命じました。しかし、栄児は納得できません。育ての親である寿喜(じゅき)姑姑を殺した真犯人を見つけるまでは、宮殿を去るわけにはいかないのです。

栄児が溥儀に直談判しようとした、その時でした。

彼女の追及を恐れた劉(りゅう)公公が、部下に命じて栄児を気絶させ、宮殿の外へ連れ去ってしまいます。そして、武天(ぶてん)公公の部下である小全子(しょうぜんし)から聞き出したのは、衝撃の事実。「栄児を殺し、池に捨てた」と。口封じのためか、武天(ぶてん)はその場で小全子を殺害。…え、栄児、死んじゃったの!?

標的は李琪へ…

栄児の悲劇の裏で、宮中では新たな陰謀が。敬懿(けいい)太妃が「宮殿の宝を盗み、外部で売りさばいているのは李琪だ」と溥儀に告発します。証人として連れてこられたのは、なんと李琪の部下である秦放(しんほう)。彼は、李琪に家族を殺され、脅されていたと涙ながらに訴えます。信じがたい溥儀ですが、ついに侍衛処の捜索を命じるのでした。

栄児の安否もわからぬまま、今度は李琪に最大の危機が!一体、この先どうなってしまうのでしょうか。

『溥儀の料理番』第17話の感想

今回のエピソードは、希望と絶望が目まぐるしく入れ替わる、非常に密度の濃い回でした。栄児と李琪が互いを思いやる姿に心温まる一方で、彼らを取り巻く宮中の陰謀はさらに悪質さと深さを増していきます。一度は西洋医学という科学的な視点から栄児の無実が証明され、事態が好転するかに見えただけに、その直後に訪れた彼女の悲劇は衝撃的でした。救われたと思った瞬間、さらに深い奈落へ突き落とす脚本の構成には、ただただ感服するばかりです。権力者の疑心や私怨がいかに無力な人間を追い詰めていくか、その非情さが痛いほど伝わってきました。

つづく