宮中から解放されたはずの料理人・栄児(えいじ)が行方不明に。仲間たちが彼女の行方を追うと、意外な場所で囚われていることが判明します。一方、盗宝の罪で投獄された李琪(り・き)を救うため、栄児たちは事件の真相究明に乗り出します。宮中の宝を巡る陰謀は、やがて仲間だと思っていた人物の裏切りや、事件そのものの驚くべき真相を明らかにしていくことに。味方と敵が入り乱れる中、彼らを待ち受ける運命とは…。
「溥儀の料理番」あらすじネタバレ19話
宮中から解放されたはずの栄児(えいじ)が帰ってこない…。そんな不穏な知らせから幕を開けた『溥儀の料理番』第19話。仲間たちの心配をよそに、事態は二転三転!今回は、全ての謎が一本の線につながる、驚愕の真実が明らかになる神回でした。
万花楼からの救出劇!すれ違う仲間たちの想い
栄児の養父・劉守貴(りゅう しゅき)は、ひょんなことから手に入れた金仏を換金しようとしますが、怪しまれて失敗。そんな中、敬懿太妃(けいい たいひ)の使いである小桂子公公(しょうけいしこうこう)から、栄児が宮中を出たきり行方不明だと知らされます。
慌てた劉守貴は、盗宝の罪で慎刑司(しんけいし)に囚われている李琪(り・き)の家族に知らせます。話を聞いた李琪(り・き)の妹・李玉枚(り・ぎょくまい) は、新聞社の上司である陸秋桐(りく しゅうどう)に相談しようとしますが、なんと彼は遊郭である万花楼(ばんかろう)にいるというではありませんか!
実は陸秋桐は、万花楼にいるという腕利きの料理人に会うために潜入していたのです。そして、その料理人こそ、囚われの身となっていた栄児でした!再会を喜ぶ二人ですが、そこに駆けつけた李玉枚(り・ぎょくまい) は、兄が栄児のせいで苦しんでいるのに、彼女がのんきにしていると誤解し、怒りをぶつけます。
しかし、陸秋桐から栄児が万花楼に囚われていた事実を聞き、誤解は解けます。なんとか栄児を救出した一行。劉守貴は、娘が万花楼で料理人として働かされていたと知り激怒しますが、栄児は「自分は宮中の料理番。腕で稼いでいただけで、ひどい扱いは受けていない」と気丈に振る舞うのでした。
盗宝事件の真相へ!全ての鍵は「五豊楼」にあり
李琪(り・き)を救うため、一同は作戦会議を開きます。そこで劉守貴が例の金仏を取り出すと、皆が驚愕。それは宮中から盗まれた宝物の一つだったのです!劉守貴が「厨房の残飯桶から見つけた」と語ったことで、宮中の残飯を処理している料理店「五豊楼(ごほうろう)」と盗宝事件が確実につながりました。
一同は五豊楼が怪しいと警察に通報しますが、捜査では証拠が見つからず、空振りに終わってしまいます。宮中では、宦官の李公公(りこうこう)が、栄児が生きていると知り、口封じのために李琪を始末しようと画策していました。
打つ手がなくなった栄児は、自ら金仏を持って五豊楼の主人・李泰豊(り たいほう)のもとへ乗り込みます。「宝を返すから李琪を解放して」と交渉しますが、李泰豊は「李琪を告発したのは部下の秦放(しんほう)だ」としらを切り、交渉は決裂。
そして、栄児が五豊楼を出た直後、何者かに刃物で脅され、珍品閣の物置部屋に拉致されてしまいます!しかし、その物置部屋には、もう一人、囚われている女性が。彼女こそ、李琪を裏切ったとされる秦放の姉だったのです。
驚愕のラスト!おとり捜査の全貌と、友の死
栄児が拉致されるのを、劉爾(りゅう じ)と李玉枚(り・ぎょくまい) がこっそり後をつけていました。二人だけで助けに行こうとしたその時、彼らを止めたのは、なんと裏切り者のはずの秦放でした。
ここで、秦放の口から全ての真相が語られます。
実は、一連の盗宝事件は、溥儀(ふぎ)と李琪が仕組んだ壮大なおとり捜査だったのです!
秦放は姉を人質に取られ、脅迫されていました。しかし、そのことを李琪に打ち明けると、李琪は「計画通り、敵の駒になったふりをしろ」と指示。溥儀も全てを承知の上で、秦放に協力させていたのです。秦放は宝を運ぶふりをしながら盗品が「五豊楼」に運ばれるルートを突き止め、内部調査を進めていました。
秦放の情報により、李泰豊が洋人と取引している現場を警察が急襲し、逮捕。同時に、秦放と劉爾(りゅう じ)たちは珍品閣に突入し、栄児と秦放の姉を救出します。しかし、そこに黒衣の男・武天(ぶてん)が立ちはだかります!
秦放が武天(ぶてん)を食い止めている間に仲間を逃がしますが、栄児と劉爾(りゅう じ)は引き返し、加勢します。そして、激しい戦いの末、黒衣の男の素顔が明らかに…。なんとその正体は、仲間だと思っていた小武(しょうぶ)だったのです!驚きのあまり、一行は武天(ぶてん)を取り逃がしてしまいます。
宮中に戻った武天(ぶてん)は、黒幕である李公公に任務失敗を報告。李公公は最後の手段として、慎刑司にいる李琪の暗殺を命じます。
慎刑司では、李琪と武天が一騎打ちに。互角の戦いが続く中、駆けつけた秦放が「武天!正体はわかっている!」と叫び、加勢します。しかし、その瞬間、武天の刃が秦放を捉え…。秦放は、仲間たちを守り、息を引き取るのでした。
『溥儀の料理番』第19話の感想
今回は、これまで散りばめられてきた謎や伏線が、終盤で一気に収束していく見事な構成でした。特に、裏切り者だと思われていた秦放が、実は溥儀や李琪と通じていた忠臣だったという展開には、思わず唸らされました。彼の苦悩と覚悟を思うと、胸が締め付けられます。仲間たちのすれ違いや誤解が解け、真実が明らかになっていく過程は爽快感がありましたが、その先に待っていたのが秦放の死という結末だったため、後味には深い悲しみが残りました。ただの勧善懲悪では終わらない、物語の奥深さを感じさせる一話だったと思います。単純な悪役ではなかった武天の背景にも、今後注目していきたいです。
つづく