宮廷を揺るがした建福宮火災の真相究明を命じられた李琪(り・き)。その裏で、兄を想う妹・玉枚(ぎょくまい)に、宦官・孫公公(そんこうこう)の魔の手が迫っていた。宮中で孤立し、絶体絶命の危機に陥る玉枚。その報せを受けた料理番の栄児(えいじ)は、友のため、そして正義のために、危険を顧みず救出へと向かう。一方、火災の捜査を進める李琪は、事件の背後に潜む巨大な陰謀に少しずつ近づいていく。それぞれの正義と想いが交錯する、緊迫の回。
「溥儀の料理番」あらすじネタバレ24話
悪徳宦官・孫公公(そんこうこう)の暴走
物語は、悪徳宦官・孫公公(そんこうこう)が、青児(せいじ)の薬にアヘンを盛るよう命じるという衝撃的なシーンから始まります。彼の悪事はとどまるところを知りません。
その頃、孫公公は宮廷の外で李琪(り・き)の妹・李玉枚(り・ぎょくまい) を捕らえようと画策。街中で玉枚を見つけると強引に連れ去ろうとしますが、運悪く警官にぶつかってしまいます。宮中の身分証を見せてその場をごまかしたものの、結局、玉枚を気絶させて景仁宮へと連れ去ってしまいました。
孫公公の目的は、以前、玉枚が御花園で兄の李琪(り・き)と何を話していたのかを吐かせること。しかし、玉枚は「何のことだかさっぱり」と、気丈にもしらを切り通します。業を煮やした孫公公は、謎の人物に指示を仰ぎにその場を離れました。
そこへ偶然通りかかったのが、兄の李琪。景仁宮から出てくる孫公公の姿を怪しみ、中に足を踏み入れます。中では口を塞がれた玉枚が必死に助けを求めようとしますが、無情にも李琪は溥儀(ふぎ)からの急な呼び出しを受け、去ってしまうのでした。すれ違う兄妹の運命が、なんとももどかしい…!
建福宮火災の波紋と溥儀(ふぎ)の怒り
一方、宮廷内では先日発生した建福宮の火災が大きな問題となっていました。溥儀は一同を集め、国民政府へ提出する報告のため、捜査の進捗を問いただします。李琪は「必ず真相を突き止める」と力強く宣言し、溥儀から正式に捜査を命じられました。
多くの宝物が失われたことに心を痛める溥儀は、この火事が宦官の仕業ではないかと疑い、「これ以上問題を起こすなら、宦官を一人残らず追放する」と、厳しい言葉で怒りを露わにします。
玉枚の脱出と、迫る魔の手
その頃、謎の人物から「口封じのために玉枚を始末しろ」と命じられた孫公公。しかし、その計画は簡単には進みません。玉枚は監守の隙をつき、割れた陶器の破片で縄を切ると、決死の覚悟で脱出!御花園の暗がりに身を潜めます。
娘の帰りが遅いのを心配した母は、劉爾(りゅう じ)に助けを求め、話を聞いた劉爾(りゅう じ)は陸秋桐(りく しゅうどう)のもとへ駆けつけます。警察に届け出ると、そこには孫公公にぶつかったあの警官が。宮中の人間が若い娘を追っていたという証言から、火事の件で玉枚が狙われているのだと察した陸秋桐(りく しゅうどう)たちは、玉枚を救うべく宮殿へ向かいますが、門前で止められてしまいます。
頼みの綱は尽きたかと思われたその時、玉枚は巡回中の衛兵を発見。「私は李琪の妹です!」と助けを求めますが、なんとその衛兵は孫公公と繋がっていたのです!玉枚は再び捕らえられ、絶体絶命の危機に…。
栄児(えいじ)、命がけの救出劇!
同じ頃、栄児(えいじ)の身近にも異変が。青児(せいじ)が孫公公のもとへ線香を受け取りに行ったきり、戻ってきません。その青児は、孫公公が玉枚を殺害しようとしている現場を偶然にも目撃してしまったのです!
命からがら逃げ出した青児から報せを受けた栄児は、青児に「すぐに李琪様を呼んできて!」と指示し、自らは玉枚を助けるために現場へ走ります!
まさに孫公公が玉枚に手をかけようとした瞬間、栄児が飛び出し、孫公公を打ちのめします。しかし、倒したはずの孫公公が再び起き上がり、今度は栄児に刃物で切りかかりました。栄児が殺されそうになったその時、ついに李琪が駆けつけ、孫公公を捕らえたのです!
怪我をした栄児を心から心配する李琪。しかし栄児は彼の気遣いをなぜか拒み、青児に付き添われて医者のもとへ。幸い怪我は軽傷でした。この一件を通して、栄児と青児の友情は、以前にも増して固く結ばれたようです。
ついに明かされる「神秘人」の正体
捕らえられた孫公公が自分を裏切ることを恐れた「神秘人」は、李琪が火災調査で不在の隙を狙い、衛兵を買収して孫公公に接触します。
そして、ついにその正体が明らかに…。
「神秘人」は、なんと溥儀の側に仕える裕公公(ゆうこうこう)だったのです!
『溥儀の料理番』第24話の感想
今回は、物語が大きく動いた重要な回でした。これまで散りばめられてきた伏線が一気に繋がり、特に終盤の展開には息をのみました。悪役として憎まれ役を一手に引き受けていた孫公公の背後に、まさかあの裕公公(ゆうこうこう)がいたとは驚きです。これにより、宮廷内の権力争いがより一層複雑な様相を呈してきました。
また、絶体絶命の危機に瀕した李玉枚(り・ぎょくまい) を、栄児が命がけで救い出す場面は、本作のハイライトの一つと言えるでしょう。彼女の料理人としての腕だけでなく、その勇気と優しさが改めて浮き彫りになりました。一方で、助けられたにも関わらず、李琪に対して素直になれない栄児の姿には、二人の関係の行く末を案じずにはいられません。多くの謎が解明され、新たな人間模様が描かれた、非常に見ごたえのあるエピソードでした。
つづく