体調を崩した端康太妃(たんこうたいひ)のため、栄児(えいじ)は特別な薬を求めて宮外へ出ることを決意します。しかし、宮中の薬局では不可解な品切れが起きており、不穏な空気が漂っていました。街に出た栄児を待ち受けていたのは、高騰する薬の値段と、彼女の命を狙う謎の刺客たち。絶体絶命の危機に陥った彼女は、無事に役目を果たし、宮中に戻ることができるのでしょうか。宮の内外に張り巡らされた悪意の罠に、栄児が立ち向かう緊迫の物語です。

「溥儀の料理番」あらすじネタバレ26話

いやはや、今回もハラハラドキドキの連続でしたね!悪役・裕得福(ゆう とくふく)の陰謀がますます巧妙になる一方で、栄児(えいじ)を支える人々の絆も深まっていく、まさに目が離せない展開となりました。それでは早速、第26話の世界に飛び込んでみましょう!

悪だくみは止まらない!裕得福(ゆう とくふく)の次なる一手

宝を宮中から運び出す計画が栄児のせいで頓挫している裕得福。彼は諦めるどころか、さらに悪質な計画を立てていました。なんと、生ゴミを運ぶための車の底に隠し場所を作り、今度こそ宝を運び出そうと画策。しかし、栄児が常にその周辺を見張っているため、なかなか実行に移せません。

しびれを切らした裕得福は、手下に栄児を常に見張らせると同時に、青児(せいじ)の薬にアヘンを盛り続けるよう指示。いつか青児を駒として使い、栄児を陥れるつもりのようです。本当にどこまでも腐っていますよね、この男!

御薬房の異変と、栄児の決意

一方、宮中では端康太妃(たんこうたいひ)が原因不明の体調不良に悩まされていました。薬を飲んでも一向に良くならず、むしろ悪化している様子。心配した栄恵太妃(えいけいたいひ)が見舞いに訪れ、薬の処方箋を確認します。

「これよりもっと良い処方箋があるわ」

そう言って栄恵太妃(えいけいたいひ)が新しい処方箋を書き、栄児は御薬房へ薬をもらいに走ります。ところが、御薬房の役人・銭得海(せん とくかい)は「忙しい」と意地悪をし、栄児に自分で薬を揃えさせます。しかし、あろうことか、ごく普通の薬草であるはずの「石斛(せっこく)」が品切れ状態。これには栄恵太妃も「御薬房も落ちぶれたものね」と嘆くしかありません。

端康太妃(たんこうたいひ)の体を心配した栄児は、自ら宮外へ薬を買いに行くことを決意します。しかし、これこそが裕得福の待ち望んだ瞬間でした。

街に潜む罠と、二人の騎士

栄児が宮外へ出ると、案の定、裕得福の放った刺客が後をつけます。しかし、その刺客たちの動きを、さらに後ろから見つめる影が…。そう、我らが武天(ぶてん)です!彼は陰ながら、ずっと栄児を守ってくれていたのです。

実家に戻った栄児は、父・劉守貴(りゅう しゅき)に御薬房の奇妙な出来事を話します。すると父は「誰かにお前が狙われているか、あるいは薬が盗まれ、すり替えられているかだ」と鋭い指摘。しかし、祖父が同じような問題に巻き込まれて宮中を追われた過去があるため、「深入りするな」と釘を刺します。

街に出た栄児は、なんと「五豊楼」の元主人・李泰豊(り たいほう)が「望月楼」と名を変えて店を再開しているのを目撃。驚きつつも薬屋へ向かいますが、薬の値段は驚くほど高騰していました。店主は「宮中から流れてきた上物だ」と自慢げに話しますが、栄児は深く気に留めず、銀貨10枚で7服の薬を手に入れます。

急いで宮へ戻ろうとする栄児の前に、ついに刺客たちが立ちはだかります。絶体絶命のその時、どこからか飛んできた鏢(ひょう)が刺客を倒し、そこへ李琪(り・き)が駆けつけました!栄児は李琪(り・き)に救われたと信じますが、実は物陰から彼女を守ったのは武天(ぶてん)だったのです。

慎刑司の危機と、栄恵太妃の神救援!

李琪(り・き)に連れられ宮門まで戻った栄児ですが、門限を過ぎていたため、裕得福の部下に行く手を阻まれます。さらに裕得福本人が現れ、「女官と侍衛が私的に会うのは宮規違反だ」と二人を慎刑司(しんけいし)に連行してしまいました。

牢の中で、裕得福は「明日の朝、私が皇帝陛下に話せばすぐに出られる」と優しく語りかけ、李琪も一安心。しかし、これはもちろん裕得福の罠。彼が時間を稼いでいる間に、栄児をどうするつもりだったのか…考えただけでも恐ろしい!

しかし、悪の思い通りにはさせません。そこへ颯爽と現れたのが、栄恵太妃でした!

「端康太妃の具合が悪く、私が栄児に薬を買いに行かせたのです。夜道は危ないから、李琪様に護衛をお願いしたのですよ」

この件は自分と端康太妃が承知していることだから、皇帝陛下を煩わせるまでもない、と毅然と言い放つ栄恵太妃。ぐうの音も出ない裕得福は、二人を解放するしかありませんでした。この鮮やかな救出劇には、思わず「天晴れ!」と声を上げたくなりましたね。

事件は溥儀(ふぎ)の耳にも入り、御薬房の薬不足の件、そして栄児襲撃事件の真相究明を李琪に命じます。劉義仁(りゅうぎじん)の事件はまだ終わっていなかったのです。宮中に渦巻く闇の奥には、一体誰がいるのでしょうか。

『溥儀の料理番』第26話の感想

今回のエピソードは、栄恵太妃の聡明さと胆力が光る回でした。裕得福が周到に張り巡らせた罠を、実に鮮やかな機転で打ち破る姿は圧巻の一言。彼女の存在が、追い詰められがちな栄児にとってどれほど心強い灯火であるかを改めて感じさせられました。一方で、宮中の腐敗はついに人々の命を支えるべき薬にまで及んでいることが明らかになり、物語の闇の深さを突きつけられます。栄児を巡る陰謀はますます複雑になり、彼女を守ろうとする李琪と、陰から支える武天(ぶてん)、それぞれの想いが交錯する人間ドラマからも目が離せません。悪役の狡猾さが際立つほど、正義を貫こうとする者たちの輝きが増す、見応えのある構成でした。

つづく