宮中で評判の料理人となった栄児(えいじ)は、栄恵太妃(えいけいたいひ)や端康太妃(たんこうたいひ)のために作った薬膳で、さらにその評価を高めていました。そんな中、日本公使が持参した誰も調理法を知らない食材「烏魚子」を料理するという難題が舞い込みます。栄児は持ち前の探求心と機転でこの難題に挑み、見事な一皿を完成させて溥儀(ふぎ)皇帝から絶賛されます。しかし、その成功の裏では、彼女を妬む者たちの陰謀が渦巻いていました。そして、宮中を揺るがす大事件が発生し、栄児に最大の危機が訪れることになります。
「溥儀の料理番」あらすじネタバレ27話
どうも!紫禁城の台所から、今回も熱々の情報をお届けするドラマブロガーです!『溥儀の料理番』第27話、いやはや、今回もとんでもない展開でしたね。天国と地獄とはまさにこのこと。栄児(えいじ)の才能が光り輝いたかと思えば、その光が濃すぎる影を生み出してしまうなんて…。早速、波乱万丈の27話を振り返っていきましょう!
物語は、宮中の権力争いの生々しい場面から始まります。宦官のトップである裕得福(ゆう とくふく)が、御薬房の銭徳海(せん・とくかい)を銀子で巧みに手なずけ、溥儀(ふぎ)の目と耳を欺く準備を着々と進めています。この序盤のシーンだけでも、紫禁城の闇の深さがうかがえますよね。
そんな中、私たちのヒロイン栄児は、栄恵太妃(えいけいたいひ)のために特製の薬膳「十全大補膏」を作り、大変な評判を呼びます。その美味しさと効能は端康太妃(たんこうたいひ)の耳にも入り、彼女もこの薬膳をいたく気に入るのでした。栄児の料理が人々の心を癒していく様子は、見ていて本当に心が温まります。
しかし、平穏な時間は長くは続きません。敬懿太妃(けいい たいひ)の策略により、日本公使が持参した謎の食材「烏魚子(からすみ)」の調理という難題が、栄児に押し付けられてしまいます。宮中の誰もが調理法を知らない未知の食材を前に、途方に暮れる重華宮の面々。双喜(そうき)でさえもお手上げ状態。
ここで諦めないのが栄児のすごいところ!彼女は劉守貴(りゅう しゅき)の助けを借りて宮中を飛び出し、情報を求めて奔走します。そして、留学経験のある陸秋桐(りく しゅうどう)のおかげで、食材の正体が烏魚子であることを突き止めます。調理法は不明なまま、栄児は夜を徹して研究に没頭。その姿をこっそり覗き見た双喜は、彼女が追い詰められて酒に逃げたと勘違いしますが、それは大きな間違いでした。
運命の日。日本公使を前に、栄児が披露したのは、炭火で丁寧に炙り、香り高い花雕酒と爽やかなリンゴを添えた烏魚子でした。その絶妙な味わいは溥儀や公使を唸らせ、日本の公使は「中国の厨芸は素晴らしい」と大絶賛!栄児の手腕によって、溥儀は外交の場で大きな面目を保つことができたのです。褒美を与えようとする溥儀に対し、「当然のことをしたまでです」と謙虚に返す栄児。その姿は、ますます溥儀の信頼を勝ち得ていくのでした。
重華宮は祝賀ムードに包まれますが、栄児は青児(せいじ)の様子がおかしいことに気づきます。そして、その裏では裕得福が栄児の「十全大補膏」に目をつけ、その薬方を探らせるなど、不穏な影が忍び寄っていました。
そして、物語は最悪の事態へ…。栄児の薬膳を食していた端康太妃が、突然崩御してしまうのです。食欲がなかった太妃が口にしていたのは、お粥と果物、そして栄児が作った「十全大補膏」だけだったという侍女の証言から、栄児に殺害の嫌疑がかけられます。
裕得福はこれを好機とばかりに敬懿太妃と結託し、栄児と、彼女を庇護する栄恵太妃をまとめて陥れようと画策します。御薬房では、裕得福の息のかかった小太監が、身体を冷やす作用のある「黄芩」を大量に持ち出すという怪しい動きが。銭徳海はそれに気づきながらも、恐怖から何も言えません。
栄光の頂点から一転、最大の危機に立たされた栄児。彼女はこの絶体絶命の窮地をどう乗り越えるのでしょうか。
『溥儀の料理番』第27話の感想
今回のエピソードは、主人公・栄児の料理人としての才能が最高潮に達した瞬間と、宮中の陰謀によって奈落の底に突き落とされる様子の対比が鮮烈でした。未知の食材「烏魚子」を見事に調理し、皇帝の面目を保った場面では、彼女の探求心と腕前に心からの拍手を送りたくなりました。しかし、その成功が妬みや陰謀の格好の的になってしまうのが、このドラマの恐ろしくも面白いところです。栄光が長続きしない宮廷の非情さが、端康太妃の突然の死という形で容赦なく描かれました。悪役たちの計算高い策略と、それに翻弄される人々の姿には、権力の世界の厳しさを改めて感じさせられます。ただの料理ドラマではなく、人間の欲望が渦巻く重厚な歴史劇としての側面が色濃く出た、見応えのある回でした。
つづく