皇帝が去った紫禁城に、敬懿太妃(けいい たいひ)と栄恵太妃(えいけいたいひ)と共に残ることを決意した栄児(えいじ)。しかし、宮中は水も食料も乏しい過酷な状況でした。御前侍衛を辞した李琪(り・き)の助けを借り、栄児は知恵を絞って太妃たちのために料理を振る舞います。一方、宮中の外では、帰らない栄児を家族が心配していました。そんな中、宦官の裕得福(ゆう とくふく)が侍女の青児(せいじ)を使い、栄児の周りで不穏な動きを見せ始めます。時代の変わり目に翻弄される人々の、それぞれの思惑が交錯する物語が展開されます。
「溥儀の料理番」あらすじネタバレ31話
皇帝が去り、がらんどうとなった紫禁城。今回は、そんな特殊な空間に取り残された人々の、静かながらも熾烈なサバイバルと心理戦が描かれました。いやぁ、こういう展開、ゾクゾクしますよね!早速、第31話の世界にどっぷり浸かっていきましょう。
水も食料もない!栄児、絶体絶命のピンチ
物語は、栄児(えいじ)と彩碧(さいへき)が水も食料も尽きかけた宮中で途方に暮れるシーンから始まります。かつてはあれほど出たがっていた宮中に、今度は自分の意志で残り、太妃たちを守ろうとする栄児。その成長ぶりには、思わず胸が熱くなります。
そんな彼女たちの前に、救世主のごとく現れたのが李琪(り・き)です。乾パンを差し入れ、さらに養心殿の裏にある井戸の場所まで教えてくれるなんて、どこまでイケメンなんでしょうか!
しかし、李琪(り・き)がもたらしたのは食料だけではありませんでした。彼は、胡散臭さ満点の宦官・裕得福(ゆう とくふく)への警戒を栄児に促します。太妃たちが宮中に残るよう仕向けたのは、間違いなく裕得福。二人は、彼が宮中に隠した「お宝」が目的だと確信し、彼の化けの皮を剥がす計画を立てるのでした。この二人のタッグ、頼もしすぎます!
まさかの西洋料理!太妃たちの反応は?
李琪(り・き)の助けで厨房には入れたものの、そこにあったのは皇帝が食べていた西洋の食材ばかり。そこで栄児が腕を振るったのは、なんと西洋料理!
この意外なメニューに、敬懿(けいい)太妃は「落ちぶれたものだ」と嘆きつつも、一口食べると「案外いけるわね」とご満悦。こういう素直なところ、可愛いですよね。
一方、栄恵(えいけい)太妃は生野菜のサラダなどには興味を示しません。「これからは自分の心に従って生きたい」と宣言し、やはり慣れ親しんだ中華料理をリクエスト。彼女のこの決意が、今後の物語にどう影響していくのか、見逃せないポイントです。
外の世界の心配と、忍び寄る魔の手
その頃、宮城の外では、栄児の家族たちが彼女の身を案じていました。弟の劉爾(りゅう じ)の心配を解いたのは、新聞記者の陸秋桐(りく しゅうどう)。彼は清室善後委員会の一員として宮中に入り、栄児と李琪に「ここは長くいる場所じゃない」と忠告します。時代の大きなうねりを感じさせるシーンですね。
そして、今回のエピソードで最も衝撃的だったのが、裕得福の卑劣な策略です。彼は、栄恵太妃(えいけいたいひ)の侍女である青児(せいじ)の薬にアヘンを混ぜ、薬物漬けにしてしまったのです。「栄児を見張れば薬をやる」と脅され、逆らえなくなった青児。彼女の追い詰められた表情が、見ているこちらの心まで締め付けました。
清室善後委員会が太妃たちの退去を迫る中、裕得福の魔の手は栄児のすぐそばまで伸びてきています。果たして栄児は、この危機をどう乗り越えるのでしょうか。
『溥儀(ふぎ)の料理番』第31話の感想
皇帝が去った後の紫禁城という、いわば「抜け殻」が舞台となることで、物語は新たな深みを見せ始めました。権力の象徴であった場所が、今はただ広く静かなだけの空間となり、そこで生きる人々の人間性がより一層際立って見えます。食料や水に困るという原始的な問題に直面しながらも、太妃への忠義を尽くそうと奮闘する栄児の姿には、確かな成長を感じずにはいられません。また、彼女を陰で支え続ける李琪の存在が、この過酷な状況における唯一の光のように感じられました。一方で、裕得福が青児を薬物で支配するという陰湿な策略は、物語に強烈な緊張感を与えています。歴史の大きな転換点に取り残された人々の、それぞれの思惑が静かにぶつかり合う、見応えのある回でした。
つづく