宮廷料理人としての腕を活かし、自身の店「劉氏小館」を切り盛りする栄児(えいじ)。ある日、彼女が善意から店を留守にしたことで、予期せぬ大きなトラブルが発生してしまいます。店の評判は地に落ち、絶望的な状況に。しかし、栄児は料理人としての誇りを胸に、失った信用を取り戻すため、京城一の食通に再挑戦することを決意します。ところが、その前にはライバルの卑劣な妨害という、さらに大きな壁が立ちはだかるのでした。果たして彼女は、この危機を乗り越えることができるのでしょうか。
「溥儀の料理番」あらすじネタバレ37話
いやあ、今回の『溥儀(ふぎ)の料理番』は、見ていて本当に胸が締め付けられるような回でしたね…。主人公・栄児(えいじ)の優しさが、まさかこんな形で裏目に出てしまうなんて。それでは早速、第37話の波乱万丈な展開を振り返っていきましょう!
物語は、栄児がしばらく顔を出せていなかった太妃さまの元を訪れるところから始まります。そこで生活に困窮する宦官たちの話を聞いた彼女は、自身の店「劉氏小館」で施粥を行うことを決意。こういうところが、本当に栄児らしいですよね。
その一方で、正義感あふれる李琪(り・き)は警察署でのキャリアをスタートさせます。しかし、彼が配属されたのは汚職がはびこる部署。慣習だとばかりに悪事を見逃す同僚たちに、李琪(り・き)は真っ向から反発します。署長は彼の「硬い背景」を知っているようですが、この先どうなることやら…。
そして、事件は栄児が施粥で店を空けている間に起こりました。
「お客さんを逃すのはもったいない!」
金に目がくらんだ劉守貴(りゅう しゅき)と多羅媽(どらま)が、栄児の留守中に勝手に店を開けてしまったのです! しかも運の悪いことに、やってきたのは京城一の舌を持つと名高い食通・薛衍生(シュエ・イエンション)の一行。
当然、付け焼き刃の料理でごまかせるはずもなく、「宮廷料理人の店と聞いて来たのに、話が違うじゃないか!」と大激怒。店はめちゃくちゃに壊され、評判はガタ落ち。追い打ちをかけるように、薛衍生は新聞のコラムで「劉氏小館」を「羊頭狗肉(見かけ倒し)の店だ」と酷評します。
帰ってきた栄児が目にしたのは、見るも無残な店の姿…。それでも仲間を責めず、「誰も怪我がなくてよかった」と気丈に振る舞う彼女の姿には、思わず涙がこぼれそうになりました。
しかし、栄児はこのままでは終わりません! 料理人としての誇りをかけ、失った信用を取り戻すために立ち上がります。彼女はなんと、薛衍生とその友人たちを再び店に招待し、お詫びとして無料で料理を振る舞うと宣言するのです。
この申し出を受けた薛衍生は、栄児の実力を試すため、8品もの料理と「口蘑肥鸭(口蘑という高級キノコと鴨の汁物)」という非常に難しい一品を注文します。
この話を聞きつけたのが、ライバル店「望月楼」の主・李泰丰(りたいほう)。彼は栄児を徹底的に潰すため、なんと京城中から料理の決め手となる「口蘑」をすべて買い占めるという卑劣な手段に!
食材の調達に走り回るも、どこにも口蘑は見つかりません。万策尽きた劉爾(りゅう じ)と玉枚(ぎょくまい)は、ついに望月楼から盗み出すしかないと決意しますが…。
果たして栄児は、この絶体絶命のピンチを乗り越え、料理人としての誇りを守ることができるのでしょうか!?
『溥儀(ふぎ)の料理番』第37話の感想
今回は、主人公・栄児にとってまさに正念場となるエピソードでした。善意で行った施粥が、結果的に店の危機を招いてしまう皮肉な展開には、運命のいたずらを感じずにはいられません。仲間の軽率な行動と、ライバルからの悪意に満ちた妨害。四面楚歌の状況にありながらも、決して下を向かず、自らの腕一本で道を切り開こうとする栄児の姿は、本当に見事です。彼女の料理人としての矜持と、決して人を責めない懐の深さが、このドラマの大きな魅力だと再認識させられました。また、警察内部の腐敗に直面する李琪(り・き)の物語も、今後どのように本筋と交錯していくのか目が離せません。登場人物それぞれの正義と欲望がぶつかり合う、非常に見ごたえのある回でした。
つづく