さあ、今回も始まりました『溥儀(ふぎ)の料理番』!第38話は、まさに起死回生の大逆転劇でしたね。前回、新聞で根も葉もない噂を書かれ、窮地に立たされた栄児(えいじ)がどうやって名誉を取り戻すのか、ハラハラしながら見守った方も多いんじゃないでしょうか。
今回は、栄児(えいじ)の料理人としての誇りをかけた勝負だけでなく、劉爾(りゅう じ)と玉枚の恋模様も大きく動き出します。それでは早速、第38話のあらすじとネタバレを詳しく見ていきましょう!
決死の食材調達!劉爾(りゅう じ)と玉枚の潜入作戦
物語は、栄児を助けるため、劉爾(りゅう じ)と玉枚(ぎょくまい)が動くところから始まります。栄児が劉氏小館の威信をかけて開く宴席には、特別なキノコ「口蘑」が不可欠。しかし、その口蘑はライバル店・望月楼にしかありません。
劉爾は作業員に変装して望月楼に忍び込み、玉枚が見張りをします。宮廷料理の宴席準備でてんてこ舞いの栄児のもとには、新聞記事を見て心配した彩碧(さいへき)が助っ人として駆けつけ、心強い限り。
一方、劉爾は倉庫でなんとか口蘑を見つけ出しますが、あと一歩のところで見つかりそうになり、なんと倉庫に閉じ込められてしまいます!夜になっても出てこない劉爾を心配した玉枚は、彼を助けに戻ります。劉爾は倉庫の窓から口蘑を玉枚に託し、「これを栄児に届けてくれ!」と。まさに決死のリレーです。
試される真価!名士たちを唸らせた一皿
劉氏小館には、食通として名高い薛衍生(シュエ・イエンション)が、大学教授や社会の名士といった友人たちを引き連れて来店します。彼らは先日、栄児を酷評した記事を書かせた張本人。店内にはピリピリとした空気が流れます。
次々と出される料理に、一同は表情を変えずに箸を進めますが、その目は鋭く光っています。そして、いよいよメインディッシュの「口蘑肥鴨」の番。この料理は鴨の処理が非常に難しく、料理人の腕が試される一品です。
ここで、なんと敬懿太妃(けいい たいひ)の計らいで、宮中で腕を鳴らした双喜(そうき)おばさんが助っ人に登場!彼女が点心「饽饽」を担当してくれることになり、栄児は「口蘑肥鴨」に全神経を集中させます。
一方その頃、玉枚は機転を利かせて倉庫の番人・小三子(シャオサンズ)の注意を引き、劉爾の脱出を助けようとしますが、アクシデントで足をくじいてしまいます。絶体絶命のピンチ!しかし、劉爾が背後から小三子を気絶させ、玉枚を背負って無事に脱出成功!二人の絆が深まる瞬間でした。
そして、栄児が作り上げた「口蘑肥鴨」は、薛衍生たちから大絶賛を受けます。栄児は、伝統的な製法に固執せず、手に入る食材を工夫して最高の味を引き出したこと、そして食べる人の体調や季節まで考慮したことを説明。その真摯な姿勢と確かな腕に、薛衍生は感服します。
栄児は今回の食事代は受け取らず、これまでの無礼を詫びることで、見事に名誉を挽回。薛衍生もこれまでの誤解を認め、今後のひいきを約束するのでした。
恋の蕾が花開くとき
物語は料理だけではありません。栄児のために自分の大切な刀を売り、彼女が質に入れたアクセサリーを請け戻した李琪(り・き)。彼は「悪党の裕得福(ゆう とくふく)を捕まえたら結婚しよう」と、栄児にプロポーズします。
そして、もう一組の不器用な二人、劉爾と玉枚にも大きな進展が。玉枚は、劉爾が自分の写真を大切に持っているのを見つけ、彼の想いに気づきます。劉爾は思い切って玉枚にキスをしますが、驚いた玉枚に殴られてしまいます。
気まずい空気が流れる中、報社で玉枚に避けられていた劉爾は、「そんなに俺が嫌いなら、もう君の前には現れない」と告げます。その言葉に、玉枚はついに素直になり、「私もあなたが好き」と告白!報社の仲間たちから祝福され、二人は晴れて恋人同士になるのでした。
新たな陰謀の影
薛衍生は後日、友人たちと共に栄児に公式に謝罪し、彼女の腕前を公に認めます。さらに、望月楼で予約していた母親の誕生祝いの宴席をキャンセルし、栄児に依頼することを決定。
しかし、このままハッピーエンドとはいかないのがこのドラマ。面目を潰された望月楼の主人・李泰豊(り たいほう)は、この宴席を台無しにして栄児に恥をかかせようと、新たな陰謀を企むのでした…。
『溥儀(ふぎ)の料理番』第38話の感想
今回のエピソードは、見事な逆転劇に胸がすく思いでした。新聞記事によって不当に貶められた栄児が、自身の料理の腕一本で、しかも自分を批判した相手の舌を唸らせて名誉を回復する姿は、見ていて非常に痛快です。特に、伝統に縛られるのではなく、食べる人のことを第一に考えて食材を工夫するという彼女の料理哲学は、料理人としての深い矜持を感じさせました。
また、ハラハラする潜入劇や料理対決の裏で描かれた、劉爾と玉枚の恋模様が微笑ましかったです。お互いに想い合っているのに素直になれない二人が、数々の危機を乗り越えてようやく結ばれる場面は、物語に温かい彩りを添えていました。李琪(り・き)の誠実なプロポーズも心に残ります。
一方で、悪役である李泰豊の執念深さが、物語に絶妙な緊張感を与え続けています。彼が新たな策略を巡らせるラストシーンは、平穏な時間がいかに脆いものであるかを予感させ、物語の奥行きを深めていました。料理、恋愛、サスペンスの要素がバランス良く絡み合い、非常に見応えのある回だったと感じます。
つづく