薛家の宴で料理を振る舞った栄児(えいじ)だったが、提供した料理で賓客が中毒を起こしたとして、毒殺未遂の容疑で逮捕されてしまう。これは、栄児を妬む者たちが仕掛けた卑劣な罠だった。栄児の無実を信じる李琪(り・き)や陸秋桐(りく しゅうどう)、彩碧(さいへき)をはじめとする仲間たちは、真犯人を突き止めるために必死に奔走する。しかし、裏では大きな権力が動き、栄児を社会的に抹殺しようと画策していた。果たして、仲間たちの力は巨大な陰謀に打ち勝ち、栄児を救い出すことができるのだろうか。

「溥儀の料理番」あらすじネタバレ39話

いやはや、今回は本当にハラハラさせられる展開でしたね!栄児(えいじ)の店「劉氏小厨」の評判を妬む望月楼の李泰丰(りたいほう)と小三子(シャオサンズ)。彼らの卑劣な罠が、とんでもない大事件を引き起こしてしまいます。

物語は、小三子が薛家の宴席で栄児が出す予定の「口蘑肥鸭(キノコと鴨の料理)」にこっそりと毒を盛る場面から始まります。狙いはもちろん、栄児を料理で人を害した罪人に仕立て上げ、料理人生命を完全に断つこと。しかし、この計画に思わぬ誤算が生じます。

なんと、その宴席に大皇子がやって来たのです。厨房で栄児が作った見事な口蘑肥鸭に目をつけた大皇子は、栄児の制止も聞かずに一口味見。その直後、毒が回り苦しみ始めます。皇族関係者が中毒になったことで、事態は一気に深刻化。李泰丰は顔面蒼白、小三子は裕公公(ゆうこうこう)こと裕得福(ゆう とくふく)に相談しようと言い出しますが、まずは警察に届けることに。

事件を担当することになったのは、警察の李琪(り・き)。現場では、彩碧(さいへき)が「自分が作った」と栄児を庇いますが、栄児は潔く自ら警察署へ向かいます。知らせを聞いた陸秋桐(りく しゅうどう)は必死に止めようとしますが、李琪(り・き)は「彼女の安全は俺が保証する。君は事件の真相を調べてくれ」と彼を諭すのでした。

栄児が捕らえられ、仲間たちは大慌て。厨房に出入りした人物を洗い出す中で、劉爾(りゅう じ)の友人が「帽子のつばを深く下げた、口の右側にほくろのある怪しい男」を目撃したことを思い出します。その特徴は、まさしく小三子!

一方、栄児を助けたい一心で警察署に乗り込んだ玉枚(ぎょくまい)は、李琪(り・き)への面会を拒否され、なんと署長を平手打ち! そのおかげ(?)で逮捕され、牢内で李琪に小三子の情報を伝えることに成功。そのまま牢に残り、不安な栄児を守ろうとします。

この事件の裏で糸を引いていたのが、悪徳宦官の裕得福。彼は許司令(シュー・スーリン)に接触し、「栄児は大皇子に恨みがあり、毒を盛ったに違いない。皇室の問題だ」と吹き込み、圧力をかけさせます。許司令の命令で栄児の監視は厳しくなり、彼女の身は風前の灯火となります。

李琪はすぐさま望月楼へ向かいますが、李泰丰に言われ、小三子はすでに高飛びした後。万策尽きたかに思えましたが、劉守貴(りゅう しゅき)の提案で、一行は太妃に助けを求めます。事情を知った太妃は、許司令への手紙と大切な「玉兎の置物」を李琪に託し、「栄児を頼む」と告げるのでした。

裕得福はさらに、小三子に病院にいる大皇子の口封じまで命令。しかし、それを読んでいた李琪が病院で待ち伏せし、ついに小三子を逮捕!小三子はあっさりと毒を盛ったことを自白します。

これで一件落着かと思いきや、許司令は真犯人が捕まっても栄児を釈放しようとしません。李琪が太妃の手紙と玉兎を渡しても、「お前を消すことだってできるんだぞ」と脅す始末。まさに絶体絶命!

しかし、その時、司令部に一本の電話が。それは許司令の上司からで、「すぐに栄児を釈放しろ」という命令でした。実は、陸秋桐と劉爾(りゅう じ)が薛家を訪ねて事情を説明したところ、事態を把握した薛家当主が裏から手を回してくれたのです。仲間たちの必死の行動が、ついに栄児を救い出しました。

釈放された栄児は、自分のために奔走してくれた仲間たちに深く感謝するのでした。

物語はまだ終わりません。怒りに燃える武天(ぶてん)は、かつての仲間たちと共に裕得福への報復を決行。賭博場にいた裕得福と李泰丰は命からがら逃げ出します。さらに、裕得福が隠していた宝の倉庫がバレてしまい、慌てて李泰丰に宝物を移送させますが、その道中で武天(ぶてん)たちが待ち伏せし、宝物を根こそぎ奪い去るのでした。悪党たちに痛快な一撃が食らわされたところで、39話は幕を閉じます。

『溥儀(ふぎ)の料理番』第39話の感想

今回は、一人の無実の料理人を救うために、多くの人々の善意と絆が繋がっていく様子が丁寧に描かれており、非常に見ごたえのある回でした。主人公の栄児が絶体絶命の危機に陥ることで、彼女がいかに周りの人々に愛され、信頼されているかが浮き彫りになります。恋人の李琪や陸秋桐はもちろん、親友の彩碧、普段は騒がしい玉枚の友情、そして元上司である太妃や、一度は敵対した薛家までもが彼女のために動く展開は、胸が熱くなりました。悪役である裕得福と李泰丰の狡猾さと、追い詰められた末の醜い足掻きが、対照的に仲間たちの結束の強さを際立たせています。最後に武天(ぶてん)たちが悪党の財宝を奪うという結末も、勧善懲悪の痛快さがあり、後味の良い終わり方でした。

つづく