宮殿からの脱出を夢見る宮女・栄児(えいじ)は、以前自分を陥れた侍衛と最悪の再会を果たします。しかし、その侍衛の正体は皇帝・溥儀(ふぎ)でした。身分を知らない栄児は物怖じせず、二人の間には奇妙な関係が芽生え始めます。一方、宮中では悪徳宦官・孫公公(そんこうこう)が権力を振りかざし、賄賂を渡さない栄児に陰湿な嫌がらせを始めます。正義感の強い栄児は不正に立ち向かいますが、それが原因で絶体絶命の窮地に立たされてしまいます。
「溥儀の料理番」あらすじネタバレ4話
宮殿での生活にうんざりし、どうやって高い塀を越えようかと脱出のことばかり考えている栄児(えいじ)。そんなある日、弟が書いた新聞記事を目にします。そこには、自分を宮中に送り込んだ非情な父親のことが書かれていて、改めて自分の境遇を思い知らされるのでした。
そんな中、栄児はとんでもない人物と再会します。以前、青児(せいじ)がお膳をひっくり返す原因を作った、あの憎き侍衛! 栄児は彼を見つけるや否や、青児に謝れと詰め寄ります。もちろん、その侍衛の正体が皇帝・溥儀(ふぎ)だなんて知る由もありません。
二人がもみ合っているうちに、なんと栄児が洗ったばかりの洗濯物をひっくり返してしまいます。さらに悪いことに、栄児が大切にしている玉佩(ぎょくはい)の入った巾着を川に落としてしまう始末。溥儀は悪びれる様子もなく、「探しておくから」なんて言うもんだから、栄児の怒りは頂点に!
意外にも、溥儀は栄児の強気な態度が気に入った様子。側近の李琪(り・き)と一緒に洗濯を手伝うと言い出しますが、慣れない作業で服は色移りしてめちゃくちゃに。これには栄児も大号泣。「わざと私を陥れようとしてるんでしょ!」と溥儀に当たり散らします。宮中のルールばかりの息苦しい生活に、彼女の不満は爆発寸前でした。
洗濯物を台無しにした罰として、栄児は御膳房での野菜洗いを命じられます。夜、こっそり栄児の元を訪ねてきた溥儀と李琪(り・き)。溥儀は新しい巾着を差し出して謝罪しますが、栄児は「あの中の玉佩は特別なの!」と受け取りません。その時、ネズミが現れて溥儀と李琪(り・き)はテーブルの上に飛び乗って大騒ぎ!屈強な侍衛のはずが、そのビビりっぷりを栄児に笑われてしまいます。
気を取り直して、三人は一緒に野菜洗い。宮殿の外の楽しそうな話を栄児から聞いた溥儀は興味津々。栄児は得意げに、宮殿の外のグルメ「鹵煮(ルージュー)」(豚モツの煮込み)を振る舞います。「うまい!」と絶賛する溥儀ですが、材料が豚の内臓だと知った瞬間、顔面蒼白になって吐き出して逃げ去っていくのでした。皇帝陛下の情けない姿が笑えますね。
しかし、話はコミカルなだけでは終わりません。宮中には孫公公(そんこうこう)という、宮女たちから賄賂を巻き上げる悪徳宦官がいました。正義感の強い栄児がこれに反発したため、孫公公に目をつけられてしまいます。
栄児と青児は、孫公公の嫌がらせで餑餑房(ボーボーファン/お菓子司)へ異動させられ、過酷な雑用を押し付けられます。さらに、栄児は孫公公が配給をごまかしている現場を目撃。不正を告発しますが、逆に濡れ衣を着せられ、打ち据えられそうになります。
絶体絶命のピンチを救ったのは、なんと李琪でした。彼は溥儀の威光を使いその場を収めようとしますが、逆上した孫公公は引き下がりません。李琪は苦渋の決断で、栄児をかばうために自ら部下に命じ、彼女に板打ち20回の罰を与えるのでした。
夜、栄児の身を案じた青児は、他の宮女たちからお金を借りて孫公公のもとへ。しかし、金を受け取った孫公公は青児に下劣な欲望を剥き出しにします。その危機一髪のところに、傷ついた体の栄児が助けに現れるのでした…!
『溥儀の料理番』第4話の感想
今回のエピソードは、栄児と溥儀のコミカルなやり取りと、宮中に渦巻く陰湿な権力争いという、二つの側面が色濃く描かれていました。身分を隠した皇帝と物怖じしない宮女という、王道のラブコメ展開に思わず笑みがこぼれます。特に、鹵煮のシーンで見せた溥儀の情けない姿は、彼の人間的な一面が垣間見えて非常に印象的でした。
その一方で、孫公公のような存在が描く宮中の闇は、物語に緊張感と深みを与えています。彼の理不尽な仕打ちに立ち向かう栄児の姿は、見ていて胸がすく思いですが、同時に彼女が置かれた状況の厳しさも伝わってきます。李琪が苦渋の決断で栄児を罰する場面は、彼の立場と心情が伝わってきて胸が痛みました。光と影のコントラストが巧みで、登場人物それぞれの立場や想いが複雑に絡み合い、物語から目が離せなくなりました。
つづく