いやあ、『溥儀の料理番』、回を追うごとに面白くなっていきますね!前回、皇帝・溥儀(ふぎ)をこっそり宮殿の外へ連れ出したことで大問題になった栄児(えいじ)。第6話では、そんな彼女の運命がさらに大きく動き出します。それでは早速、波乱万丈の第6話のあらすじとネタバレを見ていきましょう!
正義と保身、栄児の心の葛藤
物語は、寿喜姑姑(じゅきここ)が栄児を諭す場面から始まります。「今は目立たず自分を抑え、身の安全を第一に考えなさい」と。でも、我らが栄児は「間違っていることには立ち向かうべきです!」と真っ向から反論。この曲がったことが大嫌いな性格が、彼女の魅力であり、同時に危うさでもありますよね。
そんな中、あの堅物侍衛・李琪(り・き)とバッタリ。皇帝自ら薬を届けてくれたというのに、李琪(り・き)は謝るどころか仏頂面。栄児がイラッとしたその時、足を滑らせてしまいます。とっさに李琪(り・き)が抱きとめるという、少女漫画のような展開!…かと思いきや、「放してよ!」という栄児の言葉通りに手を放し、彼女はドスンと尻もち(笑)。「助けたのになんだその態度は!」と怒る李琪に、栄児は「母親がいたら、こんな風にいじめられなかった…」と涙。この一言に、李琪も何か思うところがあったようです。二人の関係、一筋縄ではいきませんね。
宮殿脱出計画と謎の刺客
栄児を心配する劉爾(りゅう じ)と陸秋桐(りく しゅうどう)は、彼女を宮殿から逃がす計画を立てます。一方、宮中では別の動きが。謎の男・武天(ぶてん)が書物を盗み出そうと、李琪の腰牌を拝借。しかし、すぐに見つかり激しい格闘の末、武天(ぶてん)は書物を落として負傷しながらも逃走します。
そして、運命のいたずらか、宮殿から逃げようとしていた栄児が、その書物を偶然拾ってしまうのです!劉爾(りゅう じ)たちと合流し、いよいよ脱出かと思われたその時、寿喜姑姑が立ちはだかります。「今、宮中では盗品探しで厳戒態勢が敷かれている。逃げられるはずがないし、多くの人を巻き込むことになる」と。仲間を危険に晒したくない栄児は、涙をのんで脱出を諦めるのでした。
李琪は、盗まれた書物から、犯人がかつて沈大人(しんたいじん)を殺害した凶手だと確信。溥儀に報告し、宮中で大々的な犯人捜しを開始します。追い詰められた武天(ぶてん)ですが、ここで一計を案じます。孫公公(そんこうこう)にわざと雑役係の宦官全員を罰するように仕向けさせ、全員が体に傷を負う状況を作り出したのです。これにより、格闘で負った自分の傷をうまくごまかし、李琪の捜査は振り出しに戻ってしまいました。武天、なかなかの策士です。
寵愛は諸刃の剣?栄児、時の人に
傷だらけで働く武天の姿に、自分を重ねた栄児はそっと薬を渡します。優しいですね。
その後、寿喜姑姑を訪ねた栄児は、以前教わった「蓮の実のお粥」の意味を改めて諭されます。「蓮は泥の中で育つけれど、美しい実を結ぶ。宮殿から出られない環境でも、あなたにしかできないことがあるはず。ここで料理の腕を磨きなさい」と。この言葉に、栄児の心に新たな光が灯ります。
そんな折、太妃たちが開く宴会の準備が始まり、重華宮の太妃が栄児を名指しで手伝いに指名します。さらに、溥儀が栄児の機嫌を取ろうと、たくさんの褒美を贈ったことで事態は急変!栄児は「罰を受けるべき身です」と一度は断るものの、結局受け取らざるを得ず、その褒美を同僚の宮女たちにすべて分け与えます。
しかし、この一件で栄児は「皇帝陛下のお気に入り」として一躍時の人に。「未来の妃候補か?」なんて噂が飛び交い、周りの態度は一変。あれだけ栄児をいじめていた孫公公までもが、青児(せいじ)と一緒に犬の散歩をしていた栄児にすり寄り、媚びへつらう始末。栄児はそんな孫公公を犬の泰格(タイガー)にけしかけて追い払うという、小気味いい仕返しを見せますが、これがまた新たな火種に…。逆恨みした孫公公が、次なる悪巧みを考えているところで、第6話は幕を閉じます。
『溥儀の料理番』第6話の感想
今回のエピソードは、主人公・栄児の精神的な成長がくっきりと描かれた、非常に見ごたえのある回でした。前半では、正義感からくる反発心と、仲間たちの助けを借りてでも宮殿から逃げ出したいという切実な思いが描かれます。しかし、脱出の失敗と寿喜姑姑の含蓄ある言葉によって、彼女は「逃げる」のではなく「今いる場所で咲く」という新たな道を見出します。この心の変化が、物語に一層の深みを与えています。また、皇帝からの寵愛という名のプレッシャーが、彼女の周囲の人間関係を劇的に変えていく様子は、宮廷の厳しさと面白さを同時に描き出していました。李琪との不器用な関係や、武天の謎、そして小物感あふれる孫公公の暗躍など、それぞれの思惑が複雑に絡み合い、今後の物語がどう展開していくのか、ますます目が離せません。
つづく