念願の厨房「膳房」に配属された栄児(えいじ)と青児(せいじ)。料理の腕に自信満々の栄児だったが、最初に命じられたのは地味な野菜の下ごしらえだった。早く腕を振るいたいと焦る栄児は、料理長・寿喜(じゅき)姑姑から実力を試されるも、手痛い失敗をしてしまう。さらに、功を焦るあまり、天然の高級食材である松茸を台無しにするという大失態を犯し、料理人としての適性まで問われる事態に。宮中の厳しい現実と、料理の世界の奥深さを思い知らされた栄児。彼女はこの大きな挫折を乗り越えることができるのか。

「溥儀の料理番」あらすじネタバレ7話

いやはや、今回の栄児(えいじ)は見ていてハラハラしっぱなしでしたね!念願かなって厨房である「膳房(ぜんぼう)」に配属された栄児と青児(せいじ)。「これで腕が振るえる!」と大喜びの栄児でしたが、現実はそんなに甘くありませんでした。

さっそく「麺料理なら任せて!」と豪語する栄児。料理長の寿喜(ショウシー)姑姑から「じゃあ、線香一本が燃え尽きるまでに、みんなが唸る麺を作ってみな」とチャンスをもらいます。

ところが、ここからがもうドタバタ劇場!意気揚々と始めたはいいものの、具材を切ったはいいけど肝心の麺を打つのを忘れたり、麺を打ったら今度はタレ(滷)の準備ができていなかったり。しまいには、茹で上がった麺をひっくり返してしまう始末…。結局、見かねた寿喜姑姑(じゅきここ)がササっと手直しして作った麺を食べて、そのあまりの美味しさに栄児と青児は言葉を失うのでした。

「厨房に慣れてないから…」と言い訳する栄児に、寿喜姑姑(じゅきここ)は「言い訳は誰でもする。ここでは結果が全て。地道にやりなさい」とピシャリ。まさにその通り!

気を取り直して、先輩の彩碧(さいへき)から野菜の下ごしらえを教わる栄児。しかし、ここでも「いつになったら料理させてもらえるんですか?」と焦りは隠せません。そんな中、太妃様の大好物である松茸のスープを作るという大仕事が舞い込みます。

これが悲劇の始まりでした。彩碧(さいへき)から「戻るまで待ってなさい」と言われたにもかかわらず、以前拾ったレシピ本を思い出した栄児は「これを成功させれば一気に昇格できる!」と、またしても功を焦って勝手に調理を開始!

しかし、松茸が包丁などの鉄製品を嫌う貴重な食材だなんて知る由もありません。結果、スープは台無しに。天然で育つのに5〜6年もかかる貴重な松茸を無駄にしたことで、寿喜姑姑は激怒。「お前は浮ついていて料理人には向いていない」とまで言われてしまいます。

さらに泣きっ面に蜂とはこのこと。宦官の孫(スン)公公の讒言によって、栄児は「妃になるつもりだ」と吹聴していると敬懿(ジンイー)太妃に誤解され、雪の降る宮門の前で一晩ひざまずくという罰を受けることに。

凍える栄児にそっと上着をかけ、宮中での処世術を諭す衛兵・李琪(り・き)の優しさが唯一の救いでしたね。

翌朝、やっと許された栄児は、ふらふらの足で膳房へ向かいます。しかし、皆は彼女を避けるばかり。寿喜姑姑から「お前が無駄にしたのは、スープ一杯じゃない。膳房のみんなの努力そのものだ」という厳しい言葉を投げかけられ、栄児は自分の犯した過ちの本当の重さを知り、ただただ涙を流すのでした。自信満々だった栄児の天狗の鼻が、見事にへし折られた回でしたね。

『溥儀(ふぎ)の料理番』第7話の感想

今回のエピソードは、主人公・栄児の未熟さと自信過剰さが招く失敗を通して、プロの仕事の世界の厳しさを描いた見事な回でした。見ている側も思わず「あーっ!」と声を上げてしまうような失敗の連続でしたが、それは決して彼女を貶めるためではありません。食材への敬意、仲間との協調、そして地道な努力の大切さといった、料理人として、また一人の人間として成長するために不可欠な要素を学ぶための、重要な通過儀礼として描かれていました。寿喜姑姑の厳しい言葉の裏には、栄児の才能を見抜いているからこその期待が感じられます。また、冷たい宮中で李琪(り・き)が見せるさりげない優しさが、物語に温かい光を灯していました。この大きな挫折をバネに、栄児がどう立ち直り、本物の料理人へと成長していくのか、その過程を見守りたくなりました。

つづく