尚食局に残ることを許された栄児(えいじ)。一方、宮中では国宝盗難事件の捜査が進み、侍衛の李琪(り・き)は犯人を追い詰めるも、宮中に内通者がいる可能性が浮上する。そんな中、栄児と李琪の間に運命的な繋がりが発覚し、二人の距離が縮まっていく。宮中で開かれる重要な宴で、栄児の師匠である寿喜(じゅき)姑姑が何者かの策略により絶体絶命の窮地に。師匠を救うため、そして自らの生きる道を示すため、栄児は前代未聞の奇策でこの難局に挑むことになる。

「溥儀の料理番」あらすじネタバレ8話

いやはや、第8話も息つく暇もないとはこのことですね!栄児(えいじ)の胆力と才覚が、これでもかとばかりに炸裂した回でした。それでは早速、波乱万丈の第8話の世界へご案内しましょう!

窮地と再起、そして新たな謎

前回、大失態を犯してしまった栄児(えいじ)。涙ながらに許しを請い、皆の前で過去の自分と決別を誓います。「機会は自分で掴み取るものだ」という寿喜姑姑(じゅきここ)の言葉を受け、なんとか尚食局に留まることを許されました。ホッと一息…つく間もなく、物語は別の場所で大きく動きます。

陸秋桐(りく しゅうどう)と劉爾(りゅう じ)が、殺害された沈大人(しんたいじん)のダイイングメッセージ「華宝斎」を発見!この重要な手がかりはすぐに李琪(り・き)を通じて溥儀(ふぎ)の耳に入ります。溥儀(ふぎ)は、あまりにも情報伝達が早い賊の動きから、宮中に内通者がいると確信。李琪(り・き)に内偵を命じます。

一方、陸秋桐(りく しゅうどう)は早速「華宝斎」の調査へ。しかし、彼女の動きを察知した武天(ぶてん)が裏口から侵入し、店員たちを次々と惨殺!口封じを図ります。李琪が駆けつけた時にはすでに遅く、武天(ぶてん)との激しい格闘の末、負傷した李琪は武天を取り逃がしてしまいました。それでも、李琪は店の密室から多くの国宝を発見し、宮殿に取り戻すという大手柄を立てるのでした。

そんな中、衛兵が拾った栄児の巾着袋が李琪の元へ。それを届けに行った李琪は、栄児が中から取り出した玉佩を見て驚愕します。なんとそれは、かつて自分が失くした玉佩だったのです!栄児は、以前チンピラに絡まれた際にこの玉佩の持ち主に助けられ、ずっと恩人を探していたと告白。運命の糸が、二人の間にはっきりと結ばれた瞬間でしたね!

偽の蝦仁が生んだ大逆転

さて、今回のメインディッシュは何と言っても宮中の宴会!双喜姑姑(そうきここ)の陰湿な嫌がらせで、寿喜姑姑(じゅきここ)が使うはずだった新鮮な蝦が大量の塩で全滅させられてしまいます。絶体絶命のピンチに、栄児は「淮山(山芋)で素蝦仁(偽のエビ)を作りましょう」と驚きの提案をします。

宴の席で、いつもと違う蝦仁の味に気づいた敬懿太妃(けいい たいひ)は、寿喜姑姑を君主を欺いた罪で罰しようとします。そこへ進み出たのが栄児!「その策を考えたのは私です。罰するなら私を」と堂々と言い放ちます。

溥儀が事情を尋ねると、寿喜姑姑は貢ぎ物の蝦が何者かの手でダメにされたことを説明。すると栄児は、「犯人を見つけるのは簡単です。各厨房の塩の使用量を調べれば、不自然に多い場所がわかるはず」と鮮やかな推理を披露!これには溥儀も感心し、李琪に調査を命じます。

すると、一人の宮女が「双喜姑姑(そうきここ)のためにやりました!」と自白。結局、端康太妃(たんこうたいひ)の裁きにより、実行犯の宮女は辛者庫送り、黒幕の双喜姑姑は杖刑20回という罰を受けることになりました。

そして何より、溥儀がこの山芋でできた素蝦仁を「実に我が意にかなう」と大絶賛!今後の自身の食事は、寿喜姑姑のいる重華宮に任せると宣言したのです。栄児の機転が、見事に師匠の窮地を救い、さらに大きな信頼を勝ち取る結果となりました。

新たな配属先は敵の懐!?

この一件で栄児の才能を再認識した寿喜姑姑は、彼女を正式に重華宮に迎え入れようとします。しかし、宮女たちの新たな配属先が発表されると、栄児の名前はなんと敬懿太妃(けいい たいひ)がいる太極殿に!裏で敬懿太妃が先に手を回していたのです。

敵陣の真っ只中に引き抜かれるなんて、冗談じゃない!そう考えた栄児は、またもや驚きの行動に出ます。敬懿太妃との顔合わせの場で、顔中に発疹があるように見せかけ、太妃をぎょっとさせたのです。「疫病かもしれない」と気味悪がられ、追い出される栄児。彼女は「太極殿に追い出されたので、重華宮に戻してください!」と訴えるのでした。この才女、本当にただでは転びませんね!

『溥儀の料理番』第8話の感想

今回のエピソードは、栄児の持つ知恵と度胸が逆境をいかにして好機に変えるかを見事に描き出していました。単に料理が上手いだけでなく、状況を冷静に分析し、大胆な策を実行する力は、彼女がただの料理人ではないことを改めて示しています。特に、偽の蝦仁で宴を乗り切る場面は圧巻でした。それは師匠を救うための咄嗟の判断でありながら、結果的に皇帝の心まで掴むという、最高の展開でした。宮中の陰謀というスパイスが効いた中で、李琪とのロマンスも着実に進展しており、物語に心地よい甘さを加えています。栄児が自らの手で運命を切り開いていく姿から、ますます目が離せなくなりました。

つづく