叔母・秀児の婚礼の日がやってくるが、その縁談には長兄・守仁が隠した大きな秘密があった。蔓児の心配もむなしく、秀児は夢見た幸せとは程遠い運命に足を踏み入れてしまう。一方、都から来た沈諾(シェン・ヌオ)は、追っていた密輸事件の裏に、国家を揺るがすほどの巨大な陰謀が隠されていることを突き止める。彼の調査と時を同じくして、蔓児たちの村にも土地買収という新たな問題が浮上。家族の幸せと村の平和が、静かに脅かされ始める波乱の回。

「田園ロマンス~恋の収穫祭~」あらすじネタバレ21話

いやー、今回の『田園ロマンス』は、ちょっと見ていて辛くなるような展開でしたね…。幸せな収穫祭ムードはどこへやら、一気に不穏な空気が立ち込めてきました。特に、叔母である秀児(シウアル)の結婚話は、もう怒りと悲しみでいっぱいになっちゃいます!

物語は、蔓児(マンアル)が秀児の嫁ぎ先である劉家には息子がいないという衝撃の事実を掴むところから始まります。蔓児はすぐさま祖父母に報告するんだけど、当の秀児は聞く耳を持たないんですよね。長兄の守仁(ショウレン)がまとめた縁談だし、相手は裕福な家だからって、完全に夢見ちゃってるわけで…。

その元凶である守仁が、また食えない男なんですよ!彼は取引先の錦陽行の機嫌を損ねるのを恐れて、秀児が実は「妾(めかけ)」として嫁ぐことをひた隠しに。なんとか秀児を言いくるめて劉家に送り込むことしか頭にないんです。そのために、妻の古氏(グーシ)からお金をせしめて、秀児の嫁入り道具を準備する周到さ…もう、腹が立って仕方ない!

そして迎えた婚礼の日。なんと、迎えに来たのは仲人ただ一人!普通なら大問題ですよね?蔓児も「花婿が来ないなら、娘は嫁にやれません!」と啖呵を切るんですが、仲人は「花婿は厄年だから」なんていう、とんでもない言い訳をします。そこへ守仁が丸め込むように説得したせいで、両親も強く出られず、秀児はたった一人で劉家へ嫁いでいってしまうんです…。

その夜、秀児はついに真実を知ります。自分が嫁いだ相手は、夢見ていた若君ではなく、40歳近い劉富貴(リウ・フーグイ)だったことを。必死に抵抗し、死ぬとまで言って脅す秀児でしたが、無情にも劉富貴によって薪小屋に閉じ込められてしまいました。

一方、都から来た沈諾(シェン・ヌオ)のパートも、物語が大きく動きます。

彼が相棒の十三(シーサン)と追っていた荷物の正体、それは密売塩なんかじゃなく、なんと武器を作るための「赤鉄鉱」だったことが判明!これは、寧遠侯が反乱を起こすために、密かに兵力を増強している証拠じゃないか…と、沈諾(シェン・ヌオ)は気づきます。事の重大さを認識した彼は、陰謀を暴くための確たる証拠、つまり鉱山の場所を探し始めます。

そんな中、黒幕の一人である武仲廉(ウー・ジョンリエン)は、輸送を早めるために、錦陽県の広大な土地をすべて買い取ると宣言。この無茶な計画に、信頼を得ようとする沈諾(シェン・ヌオ)が自ら名乗りを上げます。この土地買収が、後々、蔓児たちの暮らす十三(シーサン)里営子にも大きな波紋を広げることになるんですね。

秀児の里帰りの日になっても、娘が帰ってこないことを心配する母・周氏(ジョウシ)。そこへ守仁がたくさんの土産を持って現れ、「秀児は忙しいから数日後に帰る」とまたもや嘘を重ねます。

秀児の身を案じてやまない蔓児は、じっとしていられません。新鮮な野菜を届けるという名目で劉家に乗り込み、使用人から情報を聞き出すことに成功。そして、叔母が劉富貴の妾にされ、嫁いだその夜から薪小屋に監禁されているという、最悪の事実を知ってしまうのでした。

この事実を祖母に話せば、乗り込んでいって大騒ぎになり、かえって秀児の身が危うくなる…。そう判断した蔓児は、ひとまず姉の葉児(イェアル)にだけ打ち明けます。

時を同じくして、村には土地買収の告示が張り出され、大騒ぎに。土地を絶対に売らないと息巻く祖父の連方(リエン・ファン)、土地を売って町で暮らしたいと願う守義(ショウイー)夫婦、そして買収の裏で錦陽行が農民に圧力をかけていると知る父・守信(ショウシン)。

信じていた兄に騙され、地獄に突き落とされた秀児。国家を揺るがす陰謀を追う沈諾。そして、家族に降りかかる二つの大きな問題を前に、蔓児はどう立ち向かっていくのか…。物語は一気に緊迫感を増してきました!

『田園ロマンス~恋の収穫祭~』第21話の感想

今回のエピソードは、これまで描かれてきた穏やかな田園風景とは裏腹に、人間の欲望や欺瞞が渦巻く重い展開でした。特に、秀児が実の兄である守仁の私利私欲のために、幸せな結婚という夢を無残に打ち砕かれる様は、見ていて胸が締め付けられる思いです。彼女の絶望を思うと、本当に言葉を失います。一方で、沈諾が追う事件が、単なる密輸ではなく国家転覆計画という壮大な陰謀に繋がっていたことには驚かされました。個人の不幸と国家レベルの陰謀という、二つの異なるスケールの物語が、土地買収という一つの出来事を通じて交錯し始めたことで、物語に一層の深みと緊張感が生まれています。家族を守るため、そして叔母を救うために、蔓児がこれから見せるであろう知恵と行動力に、この苦しい状況を打開する一筋の光を感じずにはいられません。

つづく