若き日の葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)は、過酷な労働の日々の中で、一人の記者と出会い、束の間の心の安らぎを得る。しかし、彼に託された善意は、やがて彼女の運命を大きく揺るがす悪夢へと変わる。信じていた者からの突然の裏切りと、組織からの非情な圧力。絶望の淵に立たされた彼女は、人生を決定づける重大な選択を迫られることになる。彼女の過去に秘められた、壮絶な物語が明らかになる。
「三体」あらすじネタバレ11話
今回の第11話は、これまで断片的に描かれてきた葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)の過去が、これでもかというほど赤裸々に、そして残酷に描かれるエピソードだったんだ。正直、見ていて胸が張り裂けそうだったよ…。
物語は、若き日の葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)が労働改造所で出会った記者、白沐霖(バイ・ムーリン)との交流から始まる。彼のために手紙を代筆する時間は、彼女にとって束の間の安らぎだったんだ。彼もまた、彼女の状況に同情し、力になろうとしてくれているように見えた。そう、この時まではね…。
白沐霖が去って数日後、事態は急変する。葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)は呼び出され、師団の政治部から来た張主任といういかにも厳格そうな男に詰問されるんだ。目の前に突きつけられたのは、彼女が代筆したあの手紙。革命への批判と取られかねない内容で、完全に問題視されていた。
葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)は、あくまで代筆しただけだと主張し、白沐霖の名前を出すのをためらう。でも、執拗な追及に、ついに彼の名前を口にしてしまう。すると、信じられない言葉が返ってくる。「白沐霖は調査済みだ。彼は君に手紙を託されただけで、内容は一切知らないと言っている」。
もう、この時点で「え?」って声が出ちゃったよ。そして追い打ちをかけるように、当の白沐霖本人が登場し、葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)を指さして罪をなすりつけるんだ!
さらに、彼が葉文潔に貸した本『沈黙の春』が、西洋の思想に汚染された危険な書物だとやり玉にあげられる。葉文潔が「彼から借りた本だ」と訴えると、白沐霖は突然逆上! なんと机の上の本をひったくり、彼女の頭に何度も殴りつけたんだ! 流れる血、そして「その本は俺が翻訳者の一人だから持ってて当然だ!こいつが盗んだんだ!」と叫ぶ白沐霖の狂気。
信じていた相手からの、あまりにも理不尽で暴力的な裏切り。葉文潔の目から光が消え、絶望と無気力に支配されていく様子は、本当に見ていられなかった…。
その後、軍の施設に送られた彼女の前に、程麗華(チョン・リーホワ)という女性軍代表が現れる。彼女は一見、優しげな態度で葉文潔に寄り添うふりをするんだ。暖かい飲み物を与え、「思想の疙瘩(わだかまり)を解いてあげよう」なんて言いながらね。
そして彼女が差し出したのは、実の父親を批判し、その思想を否定する文書だった。そこには、すでに妹の葉文雪(イエ・ウェンシュエ)の署名まである。「これにサインすれば、君の立場も良くなる」。これは救いの手なんかじゃない、魂を売れという悪魔の囁きだ。
父親の「お前は自分の信じる道を生きろ」という言葉を思い出した葉文潔は、震える手で、しかしはっきりと署名を拒否する。絶望のどん底で、彼女は最後の尊厳だけは手放さなかったんだ。
物語の最後、老年の葉文潔は静かに当時を振り返る。「天が落ちてくるような大ごとだと思っても、後から見れば大したことではない。絶望の淵にいると思った時、実は転機はすぐそこまで来ている」と。彼女のこの言葉が、あまりにも重く、そして深く胸に突き刺さる回だったよ。
『三体』第11話の感想
今回のエピソードは、葉文潔という一人の女性が、なぜ人類に絶望するに至ったのか、その原点を強烈に描き出した回でした。希望の光に見えた人物からの残酷な裏切り、そして肉親にまで父を否定するよう迫られる精神的な拷問。個人の尊厳が、いとも簡単に社会や組織の都合で踏みにじられていく様は、見ていて息が詰まるほどです。しかし、そんな極限状況にあっても、彼女は最後の最後で魂を売ることを拒否しました。この時に守り抜いた小さな誇りが、後に彼女を紅岸(ホンアン)基地での巨大な決断へと導く原動力になったのかもしれません。物語の核心に触れる、非常に重厚で重要なエピソードだったと感じます。彼女の静かな語りが、かえってその壮絶な過去を際立たせていました。
つづく